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2024.02.23 コラム

林業の会社選びはどうする?「緑の雇用」を活用できる認定林業事業体についても解説!

林業未経験の方の中で、

「これから林業に携わるために、どの会社を選んだらいいのだろう?」

「林業が盛んな都道府県ってどこだろう?」と林業の会社選びを迷っている方もいるのではないでしょうか?

この記事では、林業ではどのような会社があるのかや都道府県別の情報を解説しています。林業の会社選びの参考に、ぜひチェックしてくださいね。

 

  • 目次
      1. 林業伐採ができる会社
         1.1.森林組合
         1.2.民間の林業会社
         1.3.第3セクター
      2. 林業の会社にもメリットがある「認定林業事業体」について解説!
          2.1.認定林業事業体とは
          2.2.認定林業事業体になるメリット
          2.3.都道府県別の認定林業事業体数
      3. 数字から林業会社について考えてみよう!
         3.1.森林面積・森林率と林業会社
         3.2.林業産出額と林業会社
         3.3.木材生産額と林業会社
      4. まとめ

1.林業伐採ができる会社

伐採作業をする人

伐採作業をする人

下記のグラフは、地域別でみた林業経営体の内訳です。日本では、2020年時点で約3万4千の経営体があり、地域でみると北海道や東北、九州が多いとわかります。

では、林業の仕事に就きたいと考えたときに、どのような会社があるのでしょうか? 林業で伐採にかかわる仕事ができる会社は下記の事業体があります。

  • 森林組合
  • 民間の林業会社
  • 第3セクター

それぞれみていきましょう

1.1.森林組合

森林組合は、全国で約600あります。森林組合とは、森林の保有者がお互いに林業の発展や森林の保護を目的として活動する協同組合です。

組合員の保有する私有林の管理や県や国、市町村などから委託を受け、伐採や間伐、下刈り、植林など行います。また、木の伐採だけでなく、森林管理・計画や木材・山菜、きのこなどの生産販売、森林管理の相談や林道や作業道の整備など業務内容は多岐にわたります。

とはいえ、地域によって業務内容や業務形態が異なりますので、住んでいる地域やこれから移住して住みたい地域などで、どのような仕事をしているのかリサーチするとよいでしょう。

1.2.民間の林業会社

民間の林業会社では、

  • 自社で森林を保有している会社
  • 森林を保有しておらず受託して伐採の仕事を行っている会社

にわかれています。

自社で森林を保有している会社は、保有している木を伐採して販売しています。受託して伐採の仕事をしている会社は、森林組合や役所の仕事を取得している会社などが多いです。

民間の会社も、森林組合のように森林の管理行いますが、会社の経営方針によって仕事内容が変わります。ご自分がやりたい仕事を考え、気になる会社の業務形態や業務内容を調べてみましょう!

1.3.第3セクター

第3セクターとは、第1セクターと第2セクターの共同出資で設立された法人のことをいいます。林業では、第1セクターが「森林組合」、第2セクターは、「民間の林業会社」となっており、両方の要素が入った事業体です。

第3セクターも、力を入れている地域とそうでない地域がありますので、これから仕事をしたい都道府県で、林業にかかわる第3セクターがあるか確認する必要があります!

林業の給料面について詳しく知りたい方はこちらの記事で詳しく説明しています。
【林業の平均年収は?】事業体による違いはあるの?年収アップの可能性は?

2. 林業の会社にもメリットがある「認定林業事業体」について解説

林業会社の現場風景

日本では、林業経営体の数が減少しているのが実情です。しかし、未経験から仕事をしたいと思ったときに、多くの会社の中からどの会社を選べばよいのか迷ってしまいますよね?

そこで、「働きながら資格やスキルを身につけられる会社」を会社選びの基準の1つと考える方も多いのではないでしょうか。

林業でも、自社独自にスキルアップ制度を取り入れている会社もありますが、働きながら資格やスキルを身につけられる、国の制度である「緑の雇用」事業を活用している会社が多くあります。「緑の雇用」事業は、すべての会社が取り入れているわけではなく、各都道府県へ「認定林業事業体」に申請し認定を受けた会社が「緑の雇用」事業を活用できるのです。

ここからは、「認定林業事業体とは何か」をみてきましょう。

2.1.認定林業事業体とは

認定事業体とは、「林業労働力の確保の促進に関する法律」に基づき、労働環境の改善や募集方法、事業の合理化を図るために必要な措置の計画(改善計画)を作成し、各都道府県知事からその計画が適当であると認定された林業事業体のことです。

2.2.認定林業事業体になるメリット

各都道府県により、内容が少し変わる場合もありますが、会社にとって以下のようなメリットがあります。

  • 林業・木材産業改善資金の償還期間が延長される
  • 「緑の雇用」事業を活用できる
  • 国有林野事業に係る森林施業は、認定林業事業体に委託するよう配慮される
  • 林業担い手対策基金を活用した各種助成が受けられる

さまざまなメリットがある中で、「緑の雇用」事業を受けられるという点が重要なポイントとなります。

会社にとっては、国の補助金受けて人材確保でき、未経験で林業就業を希望する人にとっては、働きながらスキルを身につけられ、活躍の場を広げるチャンスが得られることにつながっていいきます。

2.3.都道府県別の認定林業事業体数

では、各都道府県にどれくらいの認定林業事業体があるのでしょうか? 下記は、各都道府県の認定林業事業体の会社数を表にしたものです。

詳しい会社名を知りたい場合は、「都道府県名 認定林業事業体」で調べることが可能ですので、どのような会社があるのか確認してみましょう!

北海道 728社 青森 66社 秋田 98社 岩手 74社 山形 21社
宮城 32社 福島 86社 群馬 49社 栃木 30社 茨城 25社
埼玉 34社 東京 13社 千葉 15社 神奈川 37社 新潟 52社
富山 17社 石川 4社 福井 28社 長野 87社 山梨 45社
静岡 58社 愛知 31社 岐阜 41社 三重 49社 滋賀 14社
京都 42社 奈良 45社 大阪 3社 兵庫 57社 和歌山 29社
鳥取 47社 島根 51社 岡山 51社 広島 51社 山口 19社
香川 8社 徳島 31社 愛媛 67社 高知 84社 福岡 34社
佐賀 15社 長崎 43社 熊本 87社 大分 86社 宮崎 152社
鹿児島 88社 沖縄 2社            

都道府県別 認定林業事業体数

都道府県によって認定事業者の差があるとわかりますね。もっとも多いのは、北海道の728社、ついで宮崎県の152社、秋田県の98社、鹿児島県の88社、その後、長野県、熊本県が87社、福島県、大分県の86社となっています。

3.数字から林業会社について考えてみよう!

林業現場の写真

認定事業体が、多い県と少ない県があります。では、森林面積や林業産出額などで都道府県によって違いがあるのでしょうか?

ここからは、

  • 森林面積と森林率
  • 林業産出額
  • 木材産出額

の数字から林業の会社の数に関係しているのか考えてみましょう。

3.1.森林面積・森林率と林業会社

平成29年3月31日林野庁統計情報から森林面積と森林率の高い5都道府県と低い3都道府県は、以下の通りです。

森林面積の多い順 森林率の高い順
北海道 高知
岩手 岐阜
長野 長野
福島 島根
岐阜 山梨
…… ……
香川 茨城
東京 千葉
大阪 大阪

参考:都道府県別森林率・人工林率(平成29年3月31日現在):林野庁

認定林業事業体数と森林面積

それぞれの上位の都道府県では、認定林業事業体が多く、低い都道府県では少ない傾向にありそうです。

3.2.林業産出額と林業会社

林業産出額は、国内における林業生産活動によって生み出される木材、栽培きのこ類、薪炭等などの生産額を合計したものです。産出額の割合は、木材生産と栽培きのこ類の生産でそれぞれ約半数を占めています。

林業産出額から直近6年で上位5道県は、長野県、新潟県、北海道、宮崎県、大分県となっています。認定林業事業体の数をみていくと、北海道、宮崎県、長野県、大分県は上位に、新潟県も52社あり多い県に該当していますね。

3.3.木材生産額と林業会社

林業産出額の中でも、木材産出額で細かくみていくと宮崎県、北海道、大分県、熊本県、岩手県が上位となっています。認定林業事業体の数と照らし合わせると、宮崎県、北海道、大分県、熊本県が上位となり、岩手県も74社と多い県となっていますね!

林業が盛んといわれる都道府県では、認定事業体も多いのがわかりました。住みたい地域や働きたい地域内に林業会社が多ければ、会社選びの選択肢も増えていくというポイントにつながっていきそうです。

4.まとめ

林業の仕事場の写真

今回は、林業の会社選びについて考えていきました。

  • 伐採のできる会社
  • 「緑の雇用」事業が受けられる認定事業体
  • 数字からみる林業との会社

事業体が多い少ないにかかわらず、全都道府県が担い手を必要としています。林業に興味のあるかたは、どのような会社があるのか、ぜひ一度チェックしてみてくださいね。

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