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2024.07.17 コラム

鳥取県の森林・林業の現状は?地域別の特徴や就業支援について紹介

「林業の仕事をしていきたいけど、鳥取県の森林や林業の現状を知りたい」
「鳥取県で林業が盛んな地域はどこだろう」

全国で林業の担い手不足や高齢化が課題となっている日本。
働きたいと考えている各都道府県の森林や林業従事者・事業体について詳しく知りたいという方も多いでしょう。

そこで今回は、鳥取県の森林や林業従事者の現状について解説していきます。

ぜひ最後まで読み進めてください。

各都道府県の森林・林業の特徴について読んでみる

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  • 目次
      1. 鳥取県の基本情報
      2. 鳥取県の森林の現状
          2.1鳥取県全体の特徴
          2.2地域別の特徴⓵|智頭町
          2.3.地域別の特徴➁|日南町
      3. 鳥取県の林業について
         3.1林業事業体の数
         3.2林業従事者の推移
      4. 鳥取県の林業支援
          4.1にちなん中国山地林業アカデミー
          4.2.(公財)鳥取県林業担い手財団
          4.3鳥取県版緑の雇用支援事業
      5. まとめ

1. 鳥取県の基本情報

まずは鳥取県について、基本情報から見ていきましょう。

都道府県名 鳥取県
所在地 中国地方 
人口

約54万人(2024年5月)

面積

 約3507㎢

県庁所在地

鳥取市

森林面積 約26万ha
森林率 74%
主な樹種 スギ・ヒノキ・アカマツ

全国でもっとも人口が少なく、県内19市のみと市の数も少ない鳥取県。

鳥取県は中国地方の西部に位置し、東西に長い地形が特徴です。
山地が多く、南には中国地方最高峰の大山があり、日本海側の鳥取砂丘があります。

気候は比較的温暖で春から秋は好天が多く冬には降雪もあるなど、四季の移り変わりを感じられます。
台風などの自然災害が少なく、気候条件に恵まれている県です。

2. 鳥取県の森林の現状

鳥取県 風景

県土の約7割が森林という鳥取県
ここからは、鳥取県の森林の特徴をみていきましょう。

  • 鳥取県全体の特徴
  • 地域別の特徴①|智頭町
  • 地域の特徴➁|日南町

それぞれ説明していきます。

2.1. 鳥取県全体の特徴

鳥取県では森林率約74%と高い割合となっています。

民有林の割合は、約89%
そのうち54%が人工林で、天然林と人工林が同じ面積で分布しているのも特徴です。
人工林ではスギの割合が多く、ついでヒノキが多くなっています。

また、利用期を迎えた森林も多いことも特徴の1つです。
令和4年度の時点で、県内の人工林のうち13齢級(56〜60年生)をピークに、10齢級以上の利用期を迎えた森林の割合が高くなっています。
10齢級以下の森林も多く、下刈りや枝打ち、間伐などの手入れが必要です。

鳥取県の森林は、人工林の活用と再造林により循環利用を進めていくことが課題といえます。

参考:鳥取県の森林・林業の現況(令和4年版)

2.3.地域別の特徴⓵|智頭町

智頭町は鳥取県東南部に位置し、西と南は岡山県に面しています。
面積の93%が山林に覆われており、吉野林業や北山林業に並ぶ林業地域として有名です。

町の植樹の歴史は350年以上と言われ、樹齢300年以上の「慶長杉」と呼ばれる人工林が残されています。
400年以上の歴史をもつ林業地域である智頭町では、美しい木目と色合いをもつ智頭杉が中心となり、建築材や内装材として高く評価されているのも特徴です。

林業の衰退が課題となっている智頭町では、以下の代表的な取り組みをおこなっています。

  • 森林環境譲与税の活用
  • 森林計画管理制度の導入
  • 自伐型林業の推進
  • 木育事業など

また地域の大学と連携して「森のようちえん」を開設するなど、林業の担い手育成にも力を入れており、地域が一丸となり林業の再生へ取り組んでいる地域です。
▷智頭町の事業体はこちらをクリック▼

2.4.地域別の特徴①日南町

日南町は鳥取県の南西部、中国山地の中央に位置しています。

2024年6月時点で人口は約3,900人、高齢化率は約54%と県内でもっとも高い水準です。
森林面積は町内の約9割を占め、高齢化率だけでなく森林率も県内で高い数字となっています。

日南町において林業は大事な産業の1つです。
日南町の約6割が人工林で、主な樹種はスギ・ヒノキ
その多くが伐採期や間伐などの手入れが必要な状況です。

日南町では、2017年に「林業成長産業課地域」に選定されたことで以下の取り組みがおこなわれています。

  • 「使い切る」木材活用事業
  • 循環型林業の構築
  • 日南版の林業担い手育成事業
  • 脱炭素化への取り組み

日南版林業担い手事業では「林業研修制度の確立」や「町立林業アカデミーの開校」などがあります。
林業アカデミーについては後ほど紹介しますね!

3. 鳥取県の林業について

鳥取県内の林業現場の風景 智頭町複業協同組合様 求人ページ

利用期を迎えた森林も多い中、鳥取県では担い手不足や高齢化も大きな課題となっています。
鳥取県の事業体数や従事者数の現状はどうなっているのかも理解しておきましょう。

3.1. 林業事業体の数

鳥取県の林業経営体数は、2020年農林業センサスによると843経営体です。
2015年と比べると、1802経営体から大幅に減少しています。

鳥取県の林業経営体数は、2020年時点で全国第36位と全国的にみても事業者数は少なくなっています。
また、鳥取県の林業経営体の多くは小規模が多く、個人経営が大半を占めているのも特徴です。
参考:鳥取県林業統計

また843ある経営体のうち「緑の雇用」事業を利用できる事業体は、47社あります
鳥取県内の認定事業体一覧は、こちらをご覧ください。

現在、林業未経験の方も緑の雇用事業を利用して多くの方が林業への道に進んでいます。
ぜひ支援を利用して、積極的に林業の仕事に一歩踏み出してみましょう。
気になる事業体がありましたら、一度問い合わせてみてください。

3.2. 林業従事者の推移

県内の林業従事者は、令和2年時点で580人
平成2年の1442人と比べ約3分の1にまで減少しており、担い手不足も大きな課題です。
また、男女別では男性95%、女性5%の割合となっています。

年齢別では65歳以上の高齢者の割合が上昇傾向にあり、2015年時点で65歳以上が全体の53.2%
一方で35歳未満の若年層の割合は低下しており、2015年時点で35歳未満は全体の9.1%でした。
現在も高齢化が進んでおり、担い手不足や高齢化が課題となっています。

参考:鳥取県林業統計(令和4年版)
参考:林業労働力の確保の促進に関する基本計画 (第5期)

鳥取県内の事業体はこちらをクリック▼

4.鳥取県の林業支援

鳥取県では、林業について学べる学校や支援制度など、担い手不足の対策もおこなっています。
ここでは、林業について学べる学校や研修・支援制度などを紹介します。

  • 日南中国山地林業アカデミー
  • (公財)鳥取県林業担い手財団
  • 未来を担う林業人材育成研修

それぞれの特徴をみていきましょう。

4.1.にちなん中国山地林業アカデミー

にちなん中国山地林業アカデミーは、2019年に全国初の「町立の林業アカデミー」として開校しました。

校舎は廃園となった保育園を改修。
技術習得や演習をおこなう演習林は日本最大の規模で、環境や生態系に配慮したFSC認証林となっています。

全国50以上の事業体や関係者の助言をもとに、林業現場目線で創られたカリキュラムを作成。

  • 安全第一…林業労働災害の研究を通して、事例分析に基づく安全教育
  • 現場経験者による教員…実践林業の教員は、全員現場経験者のため安全を重視した実践的な技術の指導
  • 現場主義…現場が求める人材・現場で成長する林業人の育成

林業現場で大切なことにこだわった授業内容が自慢です。
にちなん中国山地林業アカデミーは、教育目標のもとに関連企業や大学など15団体と連携・支援によって人材育成に取り組んでいます。

また、本校ではほかの林業学校とは違う大きな特徴が2つあります。

  • 学生の募集を鳥取県に限定するのではなく全国から募集する
  • 就職先を日南町に限定していない

全国的に林業の担い手・後継者不足が深刻化している現状を踏まえ、学んだ後に生まれ育った地域に戻り、林業従事者として活躍することを可能とし期待を込めているのです。
にちなん中国山地林業アカデミーHP

4.2.(公財)鳥取県林業担い手財団

林業担い手財団では、林業の担い手育成や林業事業体への各種支援事業をおこなっています。

対象 内容
林業労働者への支援 ・共済年金や退職金共済への掛け金の助成や年末一時金の給付などの福利厚生支援
・技術向上のための研修や指導者育成のための研修・講演会なども実施をおこなっています。
林業就業希望者への支援 ・林業就業支援講習(チェーンソー、刈払機、小型車両系建設機械の特別教育など)や林業体験の実施
・森林の仕事ガイダンスや鳥取県移住フェアなどへ参加、就業相談など
林業事業体への支援 補助事業の申請手続きの補助や雇用環境整備への助言、作業現場での安全指導など

また「ハローワークインターネットサービス」や「N.W.森林いきいき」などのウェブサイトで、林業の求人情報や研修情報の提供など、さまざまな支援事業をおこなっています。
(公財)鳥取県林業担い手財団

4.3.鳥取県版緑の雇用支援事業

林業事業体が新規就労者に対しておこなうOJT研修「未来を担う林業人材育成研修」(1年目~3年目研修)についての人件費や研修費用の助成をおこないます。

研修では、座学と実技を組み合わせた研修カリキュラムにより伐木・造材・路網整備・森林管理などの林業の基本的な技術を段階的に習得が可能です。

鳥取県版の緑の雇用支援事業は、県独自に実施している制度です。
国の「緑の雇用」事業とは別の取り組みとなりますので、理解しておきましょう。

鳥取県は、未来を担う林業人材育成研修と国の緑の雇用事業を組み合わせて、林業の新規就業者の確保と育成に取り組んでいるのも特徴の1つです。
鳥取県版緑の雇用支援事業 

鳥取県では、林業の新規就業者の確保と育成に力を入れており、研修支援や就労相談、体験会の提供など多くの取り組みがおこなわれています。

5.まとめ

今回は、鳥取県の森林や林業従事者の特徴についてみていきました。
鳥取県内では、林業の担い手不足や高齢化の課題に対して、林業大学校や研修制度を設け全域および地域別でも担い手確保や育成に取り組んでいます

また、鳥取県は県全体の支援や各市で支援制度を設けています。「鳥取移住を検討する方へ|鳥取の魅力と支援制度を紹介」で詳しく解説していますので参考にしてください。

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