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林業に潜む危険とは?解決策や取り組みを学び安全な林業へ
緑あふれる森林の中で、木を伐採し、木材を運び出す。
自然と共存しながら働く林業は、日本の国土を守る重要な仕事です。
しかし林業の仕事には、多くの危険が潜んでいることをご存知でしょうか?
伐木作業における事故や、担い手不足による安全性の低下など、これらの問題は林業従事者にとって大きなリスクとなっています。
一方で、安全装置の開発やIT機械の導入により、未経験の方や女性の方でも林業に挑戦しやすくなっているのも事実です。
本記事では林業における危険性や原因について、具体例を用いて詳しく解説しました。
また、事故を防ぐための取り組みや対策も紹介しています。
林業はただ危険な仕事という訳ではなく、「働きながら社会に貢献できるやりがいのある仕事」です。
本記事で林業の現状と課題を理解し、安全意識を高めることで、林業に対する不安を解消しましょう。
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- 目次
- 【事例あり】林業に潜む危険とは
1.1伐採作業での事故
1.2急斜面での作業・滑落や落石の危険性
1.3悪天候で自然の猛威に翻弄される
1.4孤独な作業環境で助けを求めるのが困難
1.5高齢化による担い手不足と安全性の低下- 林業で安全性を高めるための対策や取り組み
2.1安全教育と訓練
2.2安全装備の着用
2.3安全な作業環境の整備
2.4最新技術の導入
2.5情報共有とコミュニケーション- まとめ
1. 【事例あり】林業に潜む危険性とは?
林業は自然を相手にする仕事であり、重機やチェーンソーなどの危険な機械を使用するため、災害発生率が高いと言われています。
下図は林業労働災害の現況を現したグラフです。
林業の労働災害発生の推移をみると、年々減少していることが分かりますね。
しかし他の産業と比べるとまだまだ事故が多いのも事実。
ここからは林業における危険性とその原因を、実際にあった事故事例と共に紹介します。
具体例を知ることで、同じ事故を繰り返さないように対策を考えましょう。
1.1 伐採作業での事故
林業で最も危険な作業は、木を伐採する伐木作業です。
伐採作業の事故の主な原因は以下の通り。
- 木が予測しない方向に倒れる
- チェーンソーなどの伐採機械の誤使用
- 伐採中に枝や木の一部が落下
- 適切な保護具を使用していない
- 予期せぬ障害物(周囲の環境を適切に評価せずに伐採)
- 作業員間のコミュニケーション不足
伐採作業では一瞬の油断が重大な事故に繋がることがあります。
【事故事例】
2023年1月、岡山県で伐木作業中に倒木に巻き込まれ、作業員1名が死亡する事故が発生しました。
1.2急斜面での作業・滑落や落石の危険性
山間部で行われる林業は、急斜面での作業が避けられません。
足場の悪い場所で重機や木材を扱うため、滑落や落石の危険が常にとなり合わせです。
【事故事例】
2022年10月、長野県で林道作業中に滑落し、作業員1名が重傷を負う事故が発生しました。
1.3悪天候で自然の猛威に翻弄される
強風や豪雨など、悪天候は林業にとって大きなリスクとなります。視界が悪くなるため、作業中の事故発生率が大幅に上昇します。
【事故事例】
2021年7月、台風接近に伴い、作業員が安全な場所へ避難する前に突風が発生し、2名が軽傷を負う事故が発生しました。
1.4孤独な作業環境で助けを求めるのが困難
山奥で一人作業を行うことも多い林業従事者。万が一事故が発生しても、すぐに助けを求めることが困難な状況に陥る可能性があります。
普段なら助かる可能性が高いけがや事故でも、救助の遅れにより重大な事故になる恐れがあります。
【事故事例】
2020年5月、福島県で山林作業中に蜂に刺され、アナフィラキシーショックを起こした作業員1名が死亡する事故が発生しました。
1.5高齢化による担い手不足と安全性の低下
林業従事者の高齢化が進み、経験豊富なベテランが現場から退いている現状があります。若い世代の担い手不足は、安全性の低下にも繋がっています。
2. 林業で安全性を高めるための対策や取り組み
林業従事者の高齢化や人手不足が進む中、林業の安全性を高めることは不可欠な課題です。
そこで林業の安全性を高めるための取り組みや対策について、具体的な事例を交えながら解説します。
2.1 安全教育と訓練
林業での安全対策の基本は、作業員の教育と訓練です。
林野庁では、以下のような安全教育を実施しています。
- 現場技能者のキャリアアップ対策
- かかり木作業技術のテキストを作成
- 新たに林業に従事する人々を対象に、適切な作業方法や緊急時の対応方法を教えるプログラムを実施
- ベテラン林業作業員の方を中心に林業労働安全に資する最新装置を使用した効率的な学び直しと新しい指導方法を学ぶ研修を実施
- 労働安全コンサルタントによる安全診断
作業員が講習を受け、危険予知能力や機械の操作方法、緊急時の対応などをしっかりと身につけることで、作業中の事故を防ぎ安全性を高めます。
2.2安全装備の着用
林業をするときは、適切な保護具の着用も欠かせません。
作業内容に応じて、ヘルメット、安全帯、安全靴、防護眼鏡、手袋、防刃チャップスなどの安全装備を必ず着用しましょう。
これらの保護具は、伐採時の飛散物や、機械からの騒音、足元の不安定さから作業員を守り、作業中の怪我のリスクを大幅に減少させます。
特にチェーンソーを使用する際には、切断防止用の服装を着用することで、大きな怪我を防ぐことができます。
近年は、軽量で動きやすく機能性が高い安全装備が開発されており、快適な作業環境を実現しつつ、安全性を高めることができます。
2.3安全な作業環境の整備
事故を防ぐ為に安全な作業環境を整備することも重要です。
- 作業道の幅員や路面状況を適切に保つ
- 伐採地域の周囲に安全バリアを設置する
- 安定な地形での作業には特別な支えや足場を用意する
- 作業場の障害物を取り除く
作業道や作業場の整備は安全性を高めるだけでなく、作業効率の向上にもつながります。
2.4. 最新技術の導入
林業における安全性の向上には最新技術の導入が欠かせません。
- ドローンを使って伐採予定地の上空から状況を確認することで、作業員が直面するであろうリスクを事前に把握し、計画を立てる
- GPSを活用した位置情報システムにより、作業員の現在位置をリアルタイムで把握し、万が一の事故時には迅速な救助活動を行う
- 伐採や運搬などの作業を自動化する機械で、人手を介さずに作業を行う
- 作業指示や情報共有などをICT技術で管理することで、作業の効率化と安全性の向上を目指す
これらの技術により、人が直接危険な場所に近づくことなく、効率的かつ安全に作業を行うことが可能になります。
2.5. 情報共有とコミュニケーション
安全性を高めるための取り組みとして、作業現場で以下のようなコミュニケーションの強化が重要です。
- 作業前のミーティングでその日の作業計画や注意点を共有する
- 作業中も無線機などを用いた連絡手段を確保する
- 危険予知訓練を行い情報を共有する
これにより、予期せぬ事態が発生した際にも、迅速かつ適切な対応が可能となります。
作業員同士、また経営者や監督者との情報共有とコミュニケーションで、安全性を高めましょう。
2.6. 林業従事者の高齢化対策
林業従事者の高齢化が進み、体力や判断力が低下することで、事故のリスクが高まります。
林業では重い物を持つ作業や長時間の立ち仕事など、体に負担がかかる作業が多いため、作業員の健康管理も安全対策の一環となります。
- 定期的な健康診断の実施
- 健康管理や体力維持のサポート
- 積極的な若手人材の育成
これらの対策を行うことで、林業従事者が健康で安全に働けるようにします。
3. まとめ
この記事では、林業の危険性やその原因、安全性を高めるための対策や取り組みについて紹介しました。
安全装備の充実や作業員の教育強化など、林業における安全対策は着実に進められています。
また林業機械の自動化やIT技術の導入などの技術革新も進んでいます。
これからの林業は、技術革新により効率化され、安全で若い人材が活躍できる魅力的な産業へと進化していくでしょう。
私たちRINDOはそんな林業の未来の一端を担う役割を目指しています。
林業は、日本の国土を守る重要なお仕事です。
緑あふれる豊かな森林を守り、日本の未来を支える林業に、あなたも携わってみませんか?
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