NEWS

2025.12.18 コラム

山梨県の森林・林業の現状は?未経験者向け就職支援と働き方ガイド

「自然に関わる仕事がしたい」
「未経験から林業に挑戦してみたい」
とお考えではないでしょうか?

山梨県は県土の多くを森林が占め、伐採期を迎えた人工林も多く、林業の担い手が求められている地域です。

この記事では、山梨県の森林・林業の特徴利用できる就職支援先林業従事者の一日の流れや待遇の事例を紹介します。
山梨県で林業の仕事に興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。

各都道府県の森林・林業の特徴について読んでみる

”日本初の林業特化求人サイトRINDO
ここにしかない転職活動を”

LINE登録者限定就職お役立ち情報・新着求人情報などをいち早くお届け!

※「林業に興味があるけれど、どうすればよいか分からない…」という初心者の方もお気軽に公式LINEからご相談くださいね♪林業経験者が丁寧にお答えします!

求人検索はこちらをクリック▼

優良企業を多数掲載中!

  • 目次
      1. 山梨県の基本情報
      2. 山梨県の森林・林業の特徴は?
         2.1|山梨県の森林の特徴
         2.2|山梨県の林業の現状
      3. 山梨県での林業についての支援先
        3.1|林業労働センター(一般社団法人 山梨県森林協会)
        3.2|山梨県立農林大学校 森林学科
        3.3|山梨県内のハローワーク
        3.4|林業専門求人サイト「RINDO」
      4. 林業従事者の1日と年収例(山梨県編)
        4.1|仕事の流れ
        4.2|林業従事者の年収
      5. まとめ

1. 山梨県の基本情報

まずは、山梨県の基本情報について見ていきましょう。

都道府県名

山梨県
所在地 中部地方
人口

約78.4万人(2025年11月時点)

面積

約4,465㎢

県庁所在地

甲府市

森林面積 約34.7万ha
森林率 約78%
主な樹種 カラマツ、ヒノキ、スギ、アカマツなど

山梨県は本州の中央部に位置し、富士山や南アルプス、八ヶ岳など、日本を代表する山々に囲まれた内陸県です。県土の約78%が森林という高い割合です。

県庁所在地の甲府市は盆地の中にあり、周辺地域を含めて経済・生活の中心地です。東京都心へのアクセスも良く、近年は移住先としても注目されています。

2. 山梨県の森林・林業の現状

次に、山梨県の森林・林業の特徴を見ていきましょう。

2.1 .山梨県の森林の特徴

山梨県の総面積約44.6万haのうち、約34.7万haを森林が占めており、これは県土の約78%にあたります。

山梨県の森林の大きな特徴の一つは、「県有林」の割合が高いことです。県有林は158,219ha(45.5%)あり、民有林の184,627ha(53.1%)とほぼ同等の面積です。

この県有林は、古くから県が主体となって管理・整備を行ってきた歴史があり、明治天皇から御下賜された「恩賜林(おんしりん)として知られています。

人工林は約44%(152,969ha)、天然林は約49.5%、無立木地などのその他が6.5%となっています。

人工林では建築材としても利用価値の高いカラマツと、優良な建材となるヒノキ、スギが中心です。カラマツは、県内の人工林の中で多くの面積を占めています。天然林では、アカマツやブナ、ミズナラなどの広葉樹が多く見られます。

また、人工林面積のうち伐採期を迎える11齢級(51年生以上)が全体の約60%を占めており、木材として利用できる資源が豊富にあるのが特徴です。

地域による特徴

山梨県は富士山、南アルプス、八ヶ岳などの山岳地帯が広大なため、地域により森林や林業の特性が異なります。

    • 富士・東部地域
      富士山の麓に広がる森林。
      県有林(恩賜林)が多く、FSC認証材の生産が盛ん。
      観光地であり、水源涵養機能を重視。
      カラマツ、ヒノキが多い。

    • 峡北地域
      八ヶ岳や南アルプス北部の山岳地帯。
      広葉樹などの天然林も多い。
      リゾート地としての側面も持つ。
      薪や炭の製造といった地域資源を活用。

    • 峡中・峡東地域
      甲府盆地周辺の里山と奥山。
      生活圏に近く、水源涵養や土砂災害防止といった公益的機能が中心。

    • 峡南地域
      南アルプスの山々を抱え、富士川の源流域を担う地域。
      林業が盛んだったが、高齢化や担い手不足により減少傾向。
      スギ・ヒノキの人工林が多い。

令和6年度山梨県林業統計書

2.2 .山梨県の林業の現状

山梨県の林業は、伐採期を迎える人工林の割合が高く成熟した森林資源を背景に、県産材の利用やブランド化、そして持続的な森林管理を両立させるための取り組みが進められています。

しかし、林業が抱える課題は、全国と同様に林業従事者数の減少と高齢化の深刻化です。

林業従事者数は2005年に809人まで減少した後、2015年には885人まで一時的に増加が見られました。しかし、2020年の調査では861人に減少しています。

さらに、高齢化は深刻で、林業就業者全体に占める65歳以上の割合は、2000年には約30%ありました。2010年には18%まで低下したものの、2020年には約23%に再上昇しています。
この高齢化の割合は全国平均の18%を上回る水準です。山梨県でも若手の後継者確保が課題だと言えます。

また、林業の担い手である経営体の数も大きく変化しています。

山梨県内の林業経営体数は2015年の431経営体から、2025年の農林業センサスによると124経営体へと、10年で大幅に減少しました。
形態も変化しており、2015年では個人経営が多くを占めていました。しかし、2025年の124経営体のうち、個人経営体は46となり、団体経営の割合が増加傾向にあります。

このような状況を改善するため、国による「緑の雇用」事業を活用した担い手育成の取り組みが進められています。この事業は、未経験者を対象としており、研修中の費用を国が支援することで、働きながら技術や資格を習得可能です。林業経験のない方でも安心して就業に挑戦できる仕組みです。

山梨県内では41社がこの認定林業事業体となっており、林業への就業を目指す未経験者にとっては、技術と資格を身につけるための有効な選択肢となっています。

緑の雇用について詳しくは、「緑の雇用とは?内容やメリット、取れる資格などを徹底解説!」をご覧ください。
2025年農林業センサス 農林業経営体調査結果速報-山梨県の概要(概数値)-
やまなし森林整備・林業成長産業化推進プラン

3. 山梨県での林業についての支援先

山梨県で林業の仕事に就きたいと考えている方のために、活用できる主な支援先を4つご紹介します。

3.1.林業労働センター(一般社団法人 山梨県森林協会)

林業労働センターは、山梨県内における林業の担い手を確保し、育成するための拠点です。

林業労働力の確保の促進に関する法律に基づき知事が指定する支援センターとして、以下のようなサポートを提供しています。

  • 就業相談・情報提供:林業事業体の求人情報提供や個別相談。林業事業体とのマッチングを支援。

  • 林業就業支援講習・林業就業者養成研修:林業作業に必要な知識や技術を習得するための研修を実施。チェーンソー・刈払機・小型車両系建設機械・林業架線作業主任者などの資格取得が可能。

  • 緑の雇用事業:未経験者を対象とした国の支援制度「緑の雇用」事業の活用をサポート。働きながら技術や資格を習得できる道筋を提供。

  • 雇用主への支援:雇用管理の改善など

林業への一歩を踏み出すために、まずはセンターへの相談から始めてみるのがおすすめです。
山梨県立農林大学校 森林学科山梨県林業労働センター

3.2.山梨県立農林大学校 森林学科

山梨県立農林大学校は、昭和45年に農業大学校として発足し、令和4年に専門学校山梨県立農林大学校に改称されました。同年、森林学科が開講

現場で即戦力となれるよう林業の専門的な知識や技術を学べます。将来的には森林組合や民間企業の経営の中核を担う人材の育成を目指しています。

森林学科の基本情報は、以下の通りです。

項目 内容
修学期間 2年
学年定員 10名
入校料 5,650円
年間授業料 118,800円
その他の経費(1年間) 1年次約250,000円 2年次約200,000円(教科書代、実習費など)

就学支援制度日本学生支援機構の奨学金対象校となっています。
さらに、森林学科では、「緑の青年就業準備給付金」を利用でき、年間最大155万円が給付されます。(※要件を満たさない場合は、給付の停止や返還が必要)
さまざまな支援制度がありますので、経済的に不安のある方も安心して学べます。詳細は学校に確認しましょう。

1年次では、森林・林業に関する知識や測量、機械の使い方などの基本的な技能を習得します。
2年次では専門的な実習や、インターンシップを通じて実践的な能力を磨いていきます。

森林学科で取得可能な資格は、以下の17種類です。

  • 伐木等作業従事者特別教育
  • 刈払機取扱作業者に対する安全衛生教育
  • 玉掛け技能講習
  • 小型移動式クレーン運転技能講習
  • 車両系建設機械(整地等)技能講習
  • 不整地運搬車運転特別教育(1t未満)
  • はい作業従事者安全教育
  • フォークリフト運転技能講習
  • 簡易架線集材装置等運転業務特別教育
  • 走行集材機械の運転の業務に関する特別教育
  • 伐木等機械の運転の業務に係る特別教育
  • 機械集材装置の運転業務に係る特別教育
  • 普通救命講習
  • 狩猟免許(わな猟)
  • 森林情報士2級
  • 林業架線作業主任者免許(2年の実務経験を経た後に受験が可能)
  • 森林施業プランナー(卒業後に受験が可能)

在学中は、県内の林業経営体へのインターンシップや就職ガイダンスに参加でき、卒業後の就業を支援しています。卒業生は、森林組合や民間の林業事業体へ就職しており、就職率は100%です。

技術を身につけてから就業したいという方は、森林学科で技術や資格を取得してから就業するのもよい選択肢です。
山梨県立農林大学校 森林学科

3.3.山梨県内のハローワーク

厚生労働省が運営するハローワークでも、山梨県各地の林業求人を掲載しています。
公共職業安定所は県内に7か所あり、在職中の方でも職業相談や求人紹介を利用可能です。

名称 所在地 TEL
ハローワーク甲府 〒400-0851 甲府市住吉1-17-5 055-232-6060
ハローワーク富士吉田 〒403-0014 富士吉田市竜ヶ丘2-4-3 0555-23-8609
ハローワーク大月 〒401-0013大月市大月3-2-17 0554-22-8609
ハローワーク都留 〒402-0051都留市下谷3-7-31 0554-43-5141
ハローワーク韮崎 〒407-0015韮崎市若宮1-10-41 0551-22-1331
ハローワーク鰍沢 〒400-0601南巨摩郡富士川町鰍沢1760-1富士川地方合同庁舎2階 0556-22-8689
ハローワーク塩山 〒404-0042甲州市塩山上於曽1777-1 0553-33-8609

来所が難しい場合は「ハローワークインターネットサービス」で自宅から情報収集もできます。

林業の求人を探す手順を紹介します。

  1. 「求人区分(必須項目)」を入力。(フルタイム、パートなどの雇用形態を選択)
  2. 「就業場所」を希望の都道府県に設定。
  3. 「希望する職種」欄の「産業分類」をクリック。
  4. 「農林業の職業」をクリック。
  5. 「林業」をクリック。
  6. 「決定」をクリック。
  7. その他必要な項目・条件を入力。(給与、休日、必要な免許・資格などを入力)

ハローワークは退職前でも利用可能です。どういった求人があるのか、雇用保険(失業保険)の相談・手続き、職業訓練の申し込みなどの相談も可能です。
▶厚生労働省「山梨県下のハローワークのご案内

3.4.林業専門求人サイト「RINDO」

RINDO」は、林業に特化した専門の求人サイトであり、山梨県内の優良求人情報を掲載しています。

RINDOのおすすめポイントをまとめました。

  • 全国の優良求人情報:現場作業員だけでなく、森林管理や事務職など、幅広い職種の求人を掲載。

  • 詳細な企業情報:求人情報だけでなく、職場の雰囲気や働く人の声、一日の仕事の流れなど、具体的な情報を得られる。入社後のイメージを掴みやすい。

  • LINE相談:公式LINEを通じて個別相談が可能。キャリアの不安や疑問を解消できる。

  • 林業関連や移住関連などのコラム記事を掲載。

ご自身の希望に合った就職先を探すサポートが整っていますので、林業に少しでも興味がある方は活用してみてください。

「RINDO」の求人検索はこちらをクリック▼

4. 林業従事者の1日と年収例(山梨県編)

山梨県で林業に従事した場合の仕事の流れや、年収事例をご紹介します。

ここでは、県内で活動する林業事業体である「南都留森林組合」と「株式会社白木造林」の求人情報をもとに、具体的な働き方や待遇を見ていきましょう。

4.1.仕事の流れ

林業の仕事は、季節や現場の状況によって内容が変わります。主な作業は造林(植え付け・下刈り)や育林(間伐・枝打ち)、伐採、搬出(主伐、素材生産)などがあります。

「株式会社白木造林」での現場作業員の一日の流れは、以下のとおりです。

8:00 現地集合・現場ミーティング
9:00 作業開始
10:00 休憩

12:00

昼休憩(45分)
14:30 作業終了・下山・直帰
一方、「南都留森林組合」の森林総合職の一日の流れは、以下になります。
7:30 始業・準備・移動
8:30 現場着・作業開始
10:00 休憩

10:30

作業開始
12:00 昼休憩
13:00 作業開始
14:30 休憩
15:00 作業開始
16:30 片付け・撤収
15:30 終業

どちらも現場作業が中心となり、高性能林業機械の操作や伐採・搬出作業が多いようです。

株式会社白木造林のように、14時30分に終業し、現場への直行直帰が可能な事業体もあり、仕事もプライベートも充実できる職場もあります。

また、南都留森林組合のように現場作業だけでなく、環境教育や林業イベントなどを開催している事業体もあります。

さまざまな仕事内容がありますので、「作業中心の仕事がしたい!」「作業ばかりでなくさまざまな仕事がしたい」など、自分の希望を考えながら求人内容を比較してみましょう。

4.2.林業従事者の年収
林野庁の調査によると、林業従事者の全国平均年収は約300万円(令和5年時点)です。

給与水準や待遇は、事業体の規模、経験、保有資格、勤務形態(正社員か否か)によって異なります。

給与体系や福利厚生についても「南都留森林組合」と「株式会社白木造林」を参考に見ていきましょう。

株式会社白木造林の場合

給与 基本給 250,000円(昇給あり)
※業務委託契約の場合は基本給ではありません。
休日・休暇
  • 年末年始休暇
  • 有給休暇
  • 慶弔休暇、産休育休、GW、夏季休暇
福利厚生
  • 退職金制度加入
  • 各種免許資格等取得支援制度
  • 健康診断補助
  • 昇給制度あり
  • チェーンソー貸与

南都留森林組合の場合

給与 月給200,000円~+賞与年2回(業績に応じる)
※上記月給の他、家族手当あり。
休日・休暇
  • 完全週休2日制
  • 年末年始休暇
  • 有給休暇
  • 慶弔休暇、産休育休、GW、夏季休暇
福利厚生
  • 退職金共済加入
  • 安全防具品支給(ヘルメット、防護ズボン等)
  • 各種免許資格等取得支援制度
  • 健康診断あり
  • 有給休暇(入社日から6ヶ月後に10日付与)
  • 忌引休暇
  • 家族手当あり
  • 交通費全額支給(上限3万円)

社会保険への加入や資格取得支援制度、退職金制度(退職金共済など)といった福利厚生も充実度を比較してみると良いでしょう。
また、経験年数やチェーンソー、車両系建設機械などの資格を取得することで、昇給やキャリアアップが可能かどうかも確認項目しておくと安心です。

具体的な求人情報や事業体の詳細は、前述の「RINDO」やハローワークでチェックしてみてください。

▶求人情報は『RINDO』でチェック▼

5.まとめ

今回は、山梨県の森林や林業の特徴、そして支援先について紹介しました。

山梨県は広大な森林と、伐採期を迎えた人工林という豊かな資源を擁しています。

林業への就業を検討されている方は、「林業労働センター」や「RINDO」などの支援先・求人情報を活用し、この緑豊かな山梨の地で、森林を育み、地域を支える林業の仕事に挑戦してみてはいかがでしょうか。

▶関連記事:「山梨移住を検討する方へ|おすすめ地域5選、暮らしの魅力と支援金を解説

友だち追加

求人検索はこちらをクリック▼

優良企業を多数掲載中!