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2024.02.09 コラム

【林業で使う機械を紹介】現場で活躍する機械たち!

林業作業で使用する機械といえば、「チェンソー」をイメージする方も多いですよね?未経験の方は、他にどのような機械を使うのかイメージしにくい方も多いと思います。

林業の現場では、多くの機械が活躍しており、林業機械を使って作業するには、資格や講習を受ける必要があります。しかし、未経験の方も働きながら必要なスキルを取得できる制度も充実し、スキルを活かして多くの方が現場で活躍しているんですよ!

この記事では、

  • 林業の作業内容について
  • 林業機械の紹介
  • 林業機械で仕事をするために資格や講習
  • 緑の雇用で身につけられるスキル

について解説しています。林業作業や林業機械について理解を深められますので、最後まで読み進めてくださいね。

  • 目次
      1. 林業の仕事の流れを理解しよう
      2. 林業で活躍している機械を詳しく知ろう
         2.1従来活躍している機械
         2.2高性能林業機械
         2.3造林機械
      3. 林業機械で仕事をするために資格や講習
        3.1伐木等の業務にかかわる特別教育
        3.2刈払機取扱作業者安全衛生教育
        3.3小型移動式クレーン運転講習
        3.4玉掛け作業主任者
        3.5はい作業主任者技能講習
        3.6不整地運搬車技能講習
        3.7車両系建設機械(整地・運搬・積み込み用及び掘削用)運転技能講習
        3.8車両系林業機械特別教育
      4. 緑の雇用でスキルを身につけよう
      5. まとめ

1.林業の仕事の流れを理解しよう

林業の作業現場

山林内の林業作業では、さまざまな作業があります。それぞれの作業で林業機械が活躍しています。まずは、作業内容についてみていきましょう。

地こしらえ

苗木を植え付けるために、伐採木の枝葉や雑草、残木を取り除き、片付け整地する作業。

植え付け

苗木を植え付ける作業。

下刈り

苗木の成長を助けるために、苗木の高さが雑草などの高さより低い時期に除去する作業。

除伐

育てようとする樹木の成長を妨げる、他の樹木を刈り払う作業。

枝打ち

林内の光環境の改善や病虫害の発生、良質な木の生産のために枯れ枝や下枝を切り落とす作業。

間伐

木の生育を保つために、成長に応じて一部の樹木を伐りとって間引く作業。

主伐

間伐を繰り返したあと、最終的におこなわれる伐採作業。

造材・集材・運材

造材…伐採した樹木を用途に応じた長さに切り分ける(玉切り)作業。

集材…伐採をした後に、運搬などに便利な場所まで集める作業。

運材…造材した丸太を作業車やトラックに積み込んで貯木場や木材市場などに運搬する作業。

2.林業で活躍している機械を詳しく知ろう

現場で働く機械

では、林業で活躍している機械はどのようなものがあるでしょうか。

林業の道具には、主に以下の機械が使用されています。

    従来使用されている機械
  • チェンソー
  • 刈払機
  • 集材機
  • 自走式搬機
  • 動力枝打機
    高性能林業機械 
  • グラップル
  • プロセッサ
  • スイングヤーダ
  • ハーベスタ
  • フォワーダ
  • フェラバンチャ
  • タワーヤーダ
  • スキッダ
    造林機械
  • 地こしらえ機
  • 植え付け機
  • 下刈り機

それぞれ説明していきます。

2.1. 従来使用されている機械

はじめに、林業の現場で従来活躍している機械を紹介します。

チェンソー(伐倒)

チェンソー

林業作業に使用する道具といえば、チェンソーが思い浮かびますよね。チェンソーは、伐倒や玉切り、枝払いなど木を切る際に必要不可欠な機械です。国内外のメーカーから、大きさや排気量など、さまざま種類のチェンソーが販売されています。伐採する木によって使い分け作業しましょう。

刈払機(下刈り)

刈払機

刈払いや地こしらえに用いられる機械です。木の成長を維持したり、伐採作業をおこなう際に除草をおこなったりするなど、林業作業で大事な機械の1つです。また、林業だけでなく、自宅の庭や田んぼ、公園、河川敷などに生えている雑草や細い茎の植物を刈るなど多くの場面で活躍している機械ですね。

集材機(集材)

集材機

ワイヤーを張ってロープウェイのようなシステムを作り、伐採した木をつるして木材を運び出す機械です。集材機は重量もあり、ワイヤーを張る(索張り)には、高い技術が必要となります。急傾斜地の林道を開設することが困難な場所で、長距離の集材に適しているのが特徴です。

自走式搬機(集材)

自走式搬器

自走式搬機も、集材作業に使う機械です。架線式集材機の搬機にエンジンを搭載することで、自走でつり上げが可能となっています。自走できることで、架線の索張り作業が簡単にできる利点があります。また、リモコンで遠隔操作も可能です。

動力枝打機(枝打ち)

立木を自力で登って枝打ちをする機械です。チェンソーが装備され、枝を落としていきます。

2.2. 高性能林業機械

高性能林業機械とは、チェンソーや刈払機などの従来の機械に比べ、以下のような特徴から性能の高い林業機械のことをいいます。

  • 作業の効率化
  • 身体への負担の軽減
  • 1台で2つ以上の仕事ができる

ここからは、高性能林業機械についてそれぞれみていきましょう!

グラップル

グラップル

油圧ショベルなどの建設機械に取り付けるアタッチメントの1つで、木材をつかんで積み込み、撤去作業などの作業をおこなう機械。

プロセッサ(枝払い、玉切り、集積)

プロセッサ

プロセッサは、国内で多く普及している高性能林業機械です。林道や土場などで、以下の作業を連続しておこなえる自走式機械です。

  • 枝葉がついたまま倒した木の枝払い
  • 寸法を自動計測
  • 玉切り

また、グラップルを使用して木材の集積をおこないます。

スイングヤーダ(集材)

スイングヤーダ

油圧ショベルなど建設機械に集材用のウィンチを搭載して、機械のアームを支柱(タワー)として利用し集材する自走式の機械です。

  • 主索を用いない簡易的な索張りに対応している(簡易架線)
  • 架線の回収、撤去がしやすい
  • 林内で自走して移動できる

という特徴があります

ハーベスタ(伐倒、枝払い、玉切り、集積)

ハーベスタ

ハーベスターもチェンソーでおこう作業が可能です。

  • 木を伐り倒す
  • 枝払いをする
  • 玉切り

また、グラップルを使用して、木材の集積などの作業をすべておこなえる自走式の機械です。

フォワーダ(運材)

フォワーダ

プロセッサやハーベスタによって造材された木材を、グラップルで荷台に積んで運び出す自走式機械です。作業道や林内など悪路での走行に優れています。クローラ式フォワーダとホイール式フォワーダがあり、さまざまな種類のフォワーダが活躍しています。

フェラバンチャ(伐倒、集積)

フェラベンチャ

フェラベンチャは、チェンソー作業の木を伐り倒すことと、グラップルを使用して木材を集材する場所へ集積ができる自走式の機械です。

タワーヤーダ(集材)

タワーヤーダ

伐り倒した木材などをつるして運び出す機械です。車両に人工支柱(タワー)が装備されており、移動可能な集材機です。

  • 架線を張るのが簡単にできる
  • 移動できる
  • 架線の撤去時間が短縮でき効率的
  • 傾斜が急な場所出の作業に向いている

という特徴があります。大きさも小型、中型、大型があります。

スキッダ(集材)

グラップルなどで木材の端をつり上げて、土場まで地引集材する自走式機械です。

2.3. 造林機械

造林作業において、アタッチメントを交換することで効率化を図る機械があります。

地こしらえ機 土を天地返しし、植え付けを簡単にする機械
植え付け機 苗木を自動植え付けする機械
下刈り機 下草を刈る機械

林業の作業において、多くの機械が活躍しています。とはいえ、事業体によって仕事の内容や地域の山林事情などで使用している機械はそれぞれ違いますので、事業体がどのような機械を使用して作業をおこなっているのかを、確認してみるのもよいでしょう!

3.林業機械で仕事をするために資格や講習

林業で活躍している機械には、さまざまな種類があるとわかりました。では、機械を使用するために資格取得や講習を受ける必要はあるのでしょうか? ここからは、林業機械を使用するために必要な資格や講習についてみていきます。

3.1.伐木等の業務にかかわる特別教育

チェンソーを使用した伐木に関する資格です。業務などでチェンソーを使用して伐木する場合は、国が定めた特別教育を受講し、資格を取得しなければいけません。

3.2.刈払機取扱作業者安全衛生教育

草刈機の使用にかかわる資格です。普段、草刈機を使用する場合は資格が必要になるわけではありませんが、安全のための講習となります。

3.3.小型移動式クレーン運転講習

5トン未満の移動式クレーンを運転できる資格です。学科と実技の講習を受けて合格すると修了証がもらえます。トラックの荷台にクレーンがついたトラッククレーンや、小型のクローラークレーンがあります。

3.4.玉掛け作業主任者

クレーンについているフックに、荷物を掛けたり外したりする作業に必要な資格です。荷物の重さが1トン未満の場合は、講習の受講のみで可能ですが、1トン以上の荷物を扱う場合に必要な資格です。講習を受講後、学科と実技の試験を受け、合格すると修了証がもらえます。

3.5.はい作業主任者技能講習

現場作業で、袋や箱、木材などの荷物の積み上げや取りおろしする作業を「はい作業」といいます。高さが2メートルをこえる作業には、現場ごとに作業主任者を選び、指揮させなければなりません。はい作業に、3年以上従事すれば受講が可能で、講習を修了すると作業主任者になる資格が取得できます。

3.6.不整地運搬車技能講習

最大積載荷重が1トン未満の不整地運搬車を運転操作するのに必要な資格です。学科と実技がおこなわれ、受講後に学科試験に合格すると取得できます。

3.7.車両系建設機械(整地・運搬・積み込み用及び掘削用)運転技能講習

機体質量が3トン以上の建設機械の油圧ショベル、ホイールローダ、ブルドーザなどを運転できる資格です。持っている免許や資格によって講習コースが免除されるなど、受講要件が異なります。実技と筆記の試験があり、合格すると取得できます。

3.8.車両系林業機械特別教育

高性能林業機械を使用するために必要な特別教育で、「走行集材機械」「伐木等機械」「簡易架線集材装置または架線集材機械の運転の業務」の3つに分かれています。

走行集材機械

スキッダ、フォワーダ、集材車などの走行集材機械に関する知識などを、学科と実技講習で受講する必要があります。

伐木等機械

プロセッサ、ハーベスタ、フェラーバンチャーなどの伐木機械に関する知識などを、学科と実技講習で受講する必要があります。

簡易架線集材装置または架線集材機械の運転の業務

スイングヤーダー、タワーヤーダーなどの簡易架線集材装置の集材機及び架線集材機械に関する知識などを、学科と実技講習で受講する必要があります。

4.緑の雇用でスキルを身につけよう

林業の機械を使って仕事をするには多くの資格や講習を受ける必要とわかりました。しかし、そのすべてを自分で手配し受講するには、多くの時間や費用がかかってしまいます。

緑の雇用は、林野庁が実施している制度で、働きながら講習や研修を受け、スキルを取得できます。

  • 刈払機取扱作業者
  • 伐木等の業務(チェーンソー作業)
  • 玉掛け技能講習
  • 小型移動式クレーン講習
  • 不整地運搬車運転技能講習
  • 荷役運搬機械によるはい作業従事者
  • 機械集材装置の運転業務
  • 簡易架線集材装置の運転業務
  • 伐木等機械の運転業務

それぞれカリキュラムがあります。詳しくは、「林野庁ホームページ」や「緑の雇用ホームページ」、「林業に資格取得は必要?資格一覧とその内容をわかりやすく紹介」でも説明していますので、こちらもあわせてご覧ください。

緑の雇用の制度を受けるためには、制度の対象となっている事業体に雇用されている必要があります。働きたい事業体が緑の雇用制度を取り入れているのかも確認してみましょう!

5.まとめ

今回は、林業機械についての理解を深めるために、作業内容からどのような機械があるのかを説明していきました。林業機械には、さまざまな種類があり、操縦するには資格や講習を受ける必要もあります。「取得するのが大変」と感じるかもしれませんが、やりがいも多い仕事といえますね!

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