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林業ってどんな仕事?

林業は、建築資材や家具など様々な用途にあわせて伐木したり、木材を加工・販売するだけでなく、伐木した後には苗木を植えて新しい木を育てたり、森林の生態系を保護するなど、幅広い仕事が存在します。
専門的な知識やスキルを用いて、日本の森林や私たちの生活を支えている林業従事者ですが、実際に彼らがどのように働いているのか知らない方も多いのではないでしょうか。
そこで、林業の代表的な作業や職種を4つご紹介します。様々な職種を知った上であなたにぴったりな働き方を選びましょう。

職人に聞きたい
9つの疑問

林業に対して「未経験だと活躍できるかどうか不安…」「収入が不安定な仕事なんじゃないの?」など、ネガティブなイメージを持つ方が少なくありません。
しかし、林業は働き方改革や技術革新によって、従来よりも安全に働くことができるだけでなく、若者や女性でも活躍することができるように日々変化しています。従来のネガティブなイメージを刷新するような環境づくりが行われている林業業界のリアルをのぞき、より深く林業の魅力について感じてみましょう。

QUESTION 01

林業の一日の働き方は?

林業業界は様々な職種や働き方が存在します。例えば、朝8:00頃現場に到着して作業のための準備を行います。その後、12:00頃まで午前の作業を行い、お昼休憩を取った後は、13:00頃から日が暮れ始める16:30頃まで働きます。一日の作業をとおしてお昼休憩だけでなく適度に休憩をはさむことで、体調や安全を第一に考えた働き方を行っています。
大自然の中でのびのびと活動することが好きな方にとっては、とても魅力的な働き方です。また、伐木作業が完了して日光が入り込むようになった森林を見た時は、大きな達成感を感じることができます。
木こりの一日(一例)
  • 7:00

    事務所集合

  • 8:00

    現場移動・
    作業開始

  • 12:00

    お昼休み

  • 13:00

    午後の
    作業開始

  • 16:30

    仕事終了

QUESTION 02

林業は長時間労働を強いられるの?

林業に対して「長時間労働を強いられる」というネガティブなイメージを持っている方が少なくありません。しかし、安全のために現場での作業は日が出ている明るい時間しか行うことができないため、夜遅くまで現場に残って作業を行うことは決してありません。
林業は長時間労働を強いられることはなく、決められた時間内で仲間と協力して効率よく作業を進めることが重要です。定刻通りに業務を終えることができるため、プライベートと仕事のメリハリをつけて働きやすいという魅力があります。

QUESTION 03

林業は収入が不安定なの?

従来の林業業界は、従業員に安定した給料を払うことができるほど盤石な経営基盤を持っている企業や団体の数はごくわずかでした。そのため、日雇いで職人を雇っている企業や団体が多く、収入が不安定な職人が数多く存在しました。
しかし、近年では業界全体の労働者数を増やすために、国や地方自治体によって様々な支援が行われており、十分な福利厚生が整っている企業・団体も増加しています。

林業業界での働き方の変化
従来
現在
雇用形態

日雇い

ほとんどの労働者が
日雇いで働いていた

正社員

正社員として
企業・団体に所属して働く

給与

不安定

日払いのため
収入が安定して
いなかった

安定

月給制の働き方が
主流となり収入が
安定している

教育体制

研修制度なし

現場の研修制度が
十分に整えられて
いなかった

研修制度あり

「緑の雇用制度」によって
全国統一の研修カリキュラ
ムが整備されている

QUESTION 04

林業の仕事は危険じゃないの?

林業の仕事は、伐木した樹木が自分の方に倒れてきたり、チェンソーで怪我をしてしまったり、高所での作業中に落下してしまうなど、様々な危険が伴います。しかし、近年の技術革新によって、安全かつ効率的に作業を行うことができる様々な機械が開発されています。

POINT 01
高性能林業機械の活用

高性能林業機械を活用することによって、危険な伐倒作業を機械に任せることができたり、伐木された樹木の枝払いや測尺を簡単に行うことができます。高性能林業機械によって、従来よりも安全かつ効率的に作業を行うことが可能です。

POINT 02
ドローン技術の活用

ドローンを活用することで様々な作業を効率的に行うことができます。例えば、人の手を使わず簡単に苗木を運搬することができ、効率的に造林することが可能となります。また、ドローンを活用した森林調査を行うことで、人の目が届かない範囲まで正確に調査・管理することができます。

POINT 03
AI技術の活用

現在、林業で用いられる様々な機械にAI技術の導入が検討されています。例えば、自動的に危険な作業を検知したり、作業の最適化を促すことができるガイドシステムが導入されたチェーンソーの開発が行われています。AI技術の導入によって、更に安全かつ効率的な働き方を期待することができます。

QUESTION 05

林業業界に若手はいるの?

1990年以降、林業に従事する若者の割合は、増加傾向にあり、1990年には3%程度であったのに対して2020年には17%まで増加しています。林業業界では、働き方の見直しや未経験の方でも働きやすい制度を設けるなど、積極的に働き方改革が行われており、今後も林業に従事する若者の数が増えていくことが見込むことができます。

(資料)引用:総務省「国勢調査」

QUESTION 06

林業に研修制度はあるの?

新たに林業に就く方が仕事に必要な知識やスキルを学ぶことができ、現場作業員としてのキャリアアップを支援する制度として、林野庁が「緑の雇用制度」を設けています。未経験の方に対して研修や講習を実施するだけでなく、勤続年数に応じて幅広い技能を習得することができるよう様々な研修プログラムが用意されています。
「緑の雇用制度」の研修について
勤続年数
研修内容
1年目
座学や現場作業によって、チェンソーや刈払機の使い方など林業作業の基本を学習する。
2年目
座学や現場作業によって、不整地運搬車やクレーン車の操作方法などを学習する。
3年目
座学や現場作業によって、簡易架線集材装置や伐木作業などの機械の運転業務を学習する。
5
以上
フォレストリーダーへとキャリアアップするため、座学をとおして、現場で働く方々を管理するための技術を学習する。
10
以上
フォレストマネージャーへとキャリアアップするため、座学をとおして、現場の安全面・衛生面の管理方法について学習する。

QUESTION 07

未経験でも林業にチャレンジすることはできるの?

林業というと多くの方は「専門的な知識が必要な仕事」というイメージを持つかもしれませんが、未経験の方でも挑戦することができる仕事も存在します。例えば、伐木作業を行う際に必要なチェンソーの資格は3日間で取得することができ、未経験の方でも比較的簡単に伐木作業員として働き始めることができます。また、林業の機械化が進んだことによって、未経験の方でも森林調査や資材加工の業務に携わりやすくなりました。
林業業界は経験の有無に関わらず、誰でも挑戦することができる働き方がたくさん存在します。
森林整備・伐木
伐木された木の集材
林道の整備・現場の清掃
伐木作業員・集材作業員のサポート
森林の生態系・土壌の調査

QUESTION 08

林業ではどのようにキャリアアップするの?

林業に従事する方の多くは、伐木作業員として現場で知識や経験を積むことからスタートします。伐木作業員として数年働いた後は、現場を統括するフォレストリーダーやフォレストマネージャーへとキャリアアップすることが可能です。
また、伐木作業員としてのキャリアアップだけでなく、複数の森林を一括で管理することで業務の効率化を推進する森林施業プランナーや、林業に取り組む経営者を育成する森林経営プランナーなど、様々なキャリアパスが用意されています。
現場技能者
森林プランナー

QUESTION 09

女性でも林業にチャレンジすることはできるの?

林業について「力や体力が必要な仕事」「男社会」というイメージを持っている方が少なくありません。しかし、林業の技術化によって、女性でも簡単に伐木や集材作業に携さわることができるようになり、現場で活躍する女性の数が増加しています。
また、林業で活躍する女性の育成を目指すセミナーが開催されたり、女性の林業従事者同士で情報共有を行うことができるサービスが開発されるなど、女性の林業従事者を支援するために様々な取り組みが行われています。

林業業界の社会的
意義や今後の展望

林業業界は、未来を見据えて森林を育成・保護する仕事であり、社会的意義が高い職業です。しかし、従事者の減少や高齢化、産出額の減少など様々な課題を抱えており、衰退傾向があります。
そこで、業界全体の復興を目指して、様々な取り組みが行われています。以下に紹介する林業業界の社会的意義や今後の展望について共感したり、魅力に感じる方は、ぜひ林業に挑戦することをおすすめします。

VISION 01

持続可能な
森林の育成

持続可能な森林の育成は、林業業界が担うべき最も大切な使命の一つです。森林を育てるために、伐木するだけでなく苗木を植えたり、木に十分な日光を当てるために間伐という手入れを行っています。また、森林の専門家を中心に森林の管理方法や資源の利用方法の見直しが日々行われています。

VISION 02

グリーン経済の推進

グリーン経済とは環境にやさしい経済活動を行うことであり、現在、持続可能な社会を実現するための取り組みとして世界中で注目されています。日本の林業業界も、森林を適切に活用した生態系の保護や資源の有効活用、再生可能エネルギーの供給など様々な取り組みを通じてグリーン経済を推進しています。

VISION 03

技術革新による
働き方改革

近年の情報通信技術(ICT)の発展に伴い、林業業界にも新たな技術・働き方が導入されています。ドローンによって高所の作業をサポートしたり、人工知能やセンサー技術などが搭載された工具を用いることで作業の効率化・精緻化が期待されるだけでなく、より安全な働き方を実現することが可能です。

VISION 04

森林の
新たな価値の創造

森林の資源は、家具や建築資材以外にも幅広い用途で活用することが可能です。例えば、竹や薪炭などの林産物や、森林で採ることができる食物は豊富に存在します。また、近年ではキャンプ場の建設やエコツーリズムなどに森林は活用されています。森林の新たな価値を創造することで、林業業界の益々の発展を期待することができます。