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残業で稼ぐのはおかしい?生活残業のリスク9つと回避方法を紹介
「残業しないと稼げないなんておかしい!」
「いや、そもそも残業で稼ごうとする人がおかしくない……?」
残業代稼ぎについて、さまざまな不満や批判の声が挙がっています。
しかし、どの角度から見ても「残業しないで稼げること」が、すべての不満を解決させる鍵であるのは明確です。
そこで今回は、残業で生活費を稼ぐリスク9つや、生活残業の回避方法をわかりやすく紹介します。
残業代稼ぎを卒業したい方や、従業員の生活残業をやめさせたい企業の方は参考にしてみてください。
- 目次
- 残業しないと稼げない?生活残業の実態
1.1|残業で稼ぐ「生活残業」とは?
1.2|生活残業をする人の特徴と割合
1.3|生活残業する人が減らない4つの背景- 残業で稼ぐのはおかしい?生活残業のリスク9つ
2.1|社内での評判が下がる
2.2|昇給・キャリアアップしにくい
2.3|プライベートの時間が少なくなる
2.4|心身のバランスを崩しやすくなる
2.5|残業しないと生計を立てられなくなる
2.6|無駄な人件費が増える
2.7|ブラック企業の印象が強くなる
2.8|ほかの従業員のモチベーションが下がる
2.9|優秀な従業員が辞めていく- 残業代稼ぎを卒業!生活残業を回避する4つの方法
3.1|生活費や固定費を見直す
3.2|昇給やキャリアアップを目指す
3.3|副業・複業を始める
3.4|転職をする- 残業で稼ぐことについてよくある質問
4.1|生活残業を注意されたらどうしたらいい?
4.2|生活残業をやめさせる方法は?- まとめ
残業しないと稼げない?生活残業の実態
ここでは、仕事がなくても残業をしてしまう「生活残業」の実態を簡単に紹介します。
残業で稼ぐ「生活残業」とは?
生活残業とは「生活費を稼ぐためにわざと残業をする行為」のこと。一般的な残業との違いは次のとおりです。
- 勤務時間内で終わるはずの業務を、わざとペースを落として残業に移行する
- 上司に指示されていないのに、独断でわざと残業をする
以前は一家の父親が残業代稼ぎをしているイメージがありましたが、最近は若い女性の生活残業も増えています。
「男性に比べて給料が低い」「非正規雇用で将来が不安」などの理由から、生活残業を余儀なくしている人が多いようです。
生活残業をする人の特徴と割合
生活残業をする人には、主に以下のような特徴があります。
- 残業代がないと生活できない
- 昇給やキャリアアップの機会に恵まれない
- 家族の生活費・学費・医療費なども稼がないといけない
- 将来に不安がありなるべく多く貯金したいと思っている
「生活を維持するために仕方なく残業で稼ぐ人」「家族・将来のことを考えて複雑な気持ちで残業をする人」など、生活残業の背景はさまざまです。
また「残業時間を増やしたい」と思っている人の割合は、2024年の厚生労働省アンケートで全体の10.9%。そのうちの67.5%の人が「残業代を増やしたい」と回答しています。
つまり「残業時間を増やしたい人」の約7割が、残業代稼ぎ(生活残業)を目的にしているということです。
生活残業する人が減らない4つの背景
そもそも、残業で稼ぐ人が減らないのには、下記4つの背景が影響しています。
- 残業代を見込んだ生活設計をしている
- 基本給が低い(または残業前提の給与体制になっている)
- 会社が長時間労働している従業員を評価している
- 働き方改革により「ノー残業デー」が増えた
残業代を見込んだ生活設計をしている場合や、そもそも基本給が低いなどの理由から生活残業をやめられない人がいます。
なかには「長時間働いてくれているから」という理由で、生活残業で稼ぐ従業員を評価する会社もあるようです。
働き方改革によるノー残業デーが増えたことで「自主的に残業を増やさないと、会社から評価されないかも……」と不安に思い、生活残業を選択する人もいます。
【働き方改革関連法とは?】
2019年4月1日より順次施行されている「働き方改革関連法」は、各種労働関連法の改正を進めるための法律です。
具体的には「残業時間の上限規制」「ノー残業デーの推進」「有給休暇の取得義務」など、従業員の心身の健康を守るためのルールづくり・法改定がおこなわれています。
残業で稼ぐのはおかしい?生活残業のリスク9つ
ここでは、生活残業のリスクを「従業員側」と「企業側」の2つの視点で紹介します。
従業員側の生活残業のリスク5つ
まずは、生活残業をする従業員側のリスクを5つ紹介します。
- 社内での評判が下がる
- 昇給・キャリアアップしにくい
- プライベートの時間が少なくなる
- 心身のバランスを崩しやすくなる
- 残業しないと生計を立てられなくなる
それぞれ詳しくみていきましょう。
社内での評判が下がる
生活残業を続けていると、社内での評判が下がるリスクがあります。
たとえば、同僚や後輩から、下記のようなマイナスイメージをもたれているかもしれません。
- 残業で稼ぐ人(わざと勤務時間を伸ばす人)を評価するのはおかしい!
- 仕事がないのに残業して稼ぐ人って、正直ズルいと思う
- わざと残業する人を見てるとイライラする
生活残業をすると、普通に働くより多くのお金を稼げるでしょう。
しかし、上記のように社内での評判や信頼は、少しずつ失われているかもしれません。
昇給・キャリアアップしにくい
生活残業を続けていると、昇給やキャリアアップしにくいデメリットもあります。
社内での評判がよくない従業員を、わざわざ昇給・キャリアアップさせる企業はそうそうないからです。
また、最近は「転職をしてキャリアアップを目指す!」という、ハングリー精神のある人が増えてきています。
昇給やキャリアアップは仕事に対して意欲的な人が優先されるため、ダラダラと生活残業で稼ぐ人は、キャリアチャンスから遠のいてしまうでしょう。
プライベートの時間が少なくなる
残業の時間を増やすと、必然的にプライベートの時間が少なくなります。
プライベートの時間が少ないということは、下記のようなリスクを背負うのと同じです。
- 家族と過ごす時間が減り、家に帰りづらくなる
- リラックスできる時間がなくなり、ストレスが溜まる
- 出会いの機会に恵まれず、婚期を逃しやすくなる
家族と過ごす時間が減ると、共通の話題が次第に少なくなります。関係がギクシャクするようになると家に帰りたくなくなり、残業の時間がさらに増えてしまうでしょう。
また、独身の場合は「リラックスする時間をとれずストレスが溜まる」「出会いの場に繰り出す時間がなく婚期を逃しやすくなる」などのリスクがあります。
心身のバランスを崩しやすくなる
生活残業を続けると、心身のバランスを崩すリスクが高まります。
厚生労働省のパンフレットによると、残業時間が月45時間を超えると脳・心臓疾患等の健康障害のリスクが高まるようです。
また、働き方改革が進められる2018年以前は、長時間労働が原因で心身の健康障害に陥ったケース(※労災認定件数)が、年間で200件〜500件近くもありました。
心身を病むと治療費や入院費が余分にかかるだけでなく、健康に働けなくなるリスクが高まります。
個人的にのんびりおこなっている生活残業だったとしても、残業で稼ぐのはできるだけ控えて、睡眠時間をきちんと確保しましょう。
【過労死ラインとは?】
過労死ラインとは、長時間労働により健康障害を引き起こすリスクが高まる時間外労働(残業)の目安です。具体的には、1か月で100時間超え、または2〜6か月を平均して月80時間超えのラインを指します。
1日の睡眠が5時間を切ると、脳卒中、心筋梗塞、高血圧症、うつ病などの健康障害のリスクが高まります。睡眠は6時間未満でも健康障害のリスクがあるため、1日あたりの残業時間が4時間(※月80時間)を超えないようにしましょう。
残業しないと生計を立てられなくなる
残業で稼ぐのが当たり前になってしまうと、残業しないと生計が立てられない状況がいつまでも続いてしまいます。
20代〜30代の体力があるうちは問題なかったとしても、50代・60代になってからも同じ働き方をするのは、体力的に難しいです。
生活残業をする体力がなくなってから「あ、もう無理だ」と残業をピタッとやめてしまうと、その後の生活がどうなるかは想像がつくでしょう。
また、最近は「(勤務時間にかかわらず)成果を出す人を評価する」欧米式の仕組みが取り入れられ始めています。
ノー残業でも稼げるように、これからは昇給やキャリアップを視野に入れた働き方にシフトしていく必要がありそうです。
企業側の生活残業のリスク4つ
続いて、生活残業を放置する企業側のリスクを4つ紹介します。
- 無駄な人件費が増える
- ブラック企業の印象が強くなる
- ほかの従業員のモチベーションが下がる
- 優秀な従業員が辞めていく
それぞれ詳しくみていきましょう。
無駄な人件費が増える
生活残業をそのままにしておくと、無駄な人件費がどんどん増えます。
残業代稼ぎが目的の従業員は、日中の業務ペースをわざと落として働いているケースがほとんどです。
そのため、生産性や売り上げは変わらないのに、人件費(残業代)だけが増えていくという悪い状況に陥ってしまいます。
ブラック企業の印象が強くなる
個人の判断で自由に残業をさせていると、ブラック企業の印象が強まります。
万が一、生活残業(長時間労働)により健康障害を引き起こす従業員が増えると、世間から「あんなになるまで授業員を働かせるなんて……あの企業はおかしい」と非難の声が出ることも。
さらには、長時間労働する従業員が増えると「ブラックの危険性がある企業」とみなされ、労働基準監督署(労基署)から指導が入るケースもあります。
ほかの従業員のモチベーションが下がる
残業で稼ぐ人を放置していると、ほかの従業員のモチベーションが下がります。
わざとペースを落として生活残業している人のほうが多くの給料をもらい、勤務時間内に真面目に働いている人は不公平さを感じているからです。
社内全体の空気が悪くなると業務効率がガクッと下がり、会社の利益を大きく損ねるリスクがあります。
優秀な従業員が辞めていく
日中に真面目に働いている人が損をする状況だと、優秀な従業員から会社を辞めていきます。
生産性の高さを正当に評価されない環境で働いても、将来性がまったく見えてこないからです。
優秀な社員が次々と退職すると、会社の利益が損なわれるだけでなく、新人・後輩育成などにも影響が出てきます。会社の経営が傾き続けると、最悪の場合は「倒産」に陥るリスクもあるでしょう。
意欲的で優秀な従業員が辞めないように、ダラダラ働く生活残業は黙認せず、社員全員のモチベーションを保つことが大切です。
残業代稼ぎを卒業!生活残業を回避する4つの方法
ここでは、生活残業を回避する4つの方法を紹介します。
- 生活費や固定費を見直す
- 昇給やキャリアアップを目指す
- 副業・複業を始める
- 転職をする
それぞれ詳しく紹介するので、残業代稼ぎを卒業したい方は参考にしてみてください。
生活費や固定費を見直す
ノー残業で給料を上げる方法を考える前に、一度「生活費」や「固定費」を見直してみましょう。見直すべき項目は、次のようなものです。
- 家賃
- 食費
- 水道・光熱費
- 通信費
- 保険料
- 衣服代 ……など
生活残業する人のなかには、上記のなかに余計な出費が含まれていることがあります。
たとえば、長期にわたり使用していないサブスクや、必要なさそうな将来性の低い保険など。これらのように解約しても困らないものは「本当に必要か?」を一度見直してみましょう。
昇給やキャリアアップを目指す
残業代で稼ぐのではなく、昇給やキャリアアップで基本の給料をUPさせるのも1つの方法です。
昇給やキャリアアップすると、今より基本の給料が増えます。一方で残業は減るため、ライフワークバランス(仕事と生活の調和)を整えやすくなるでしょう。
キャリアアップを目指す場合は、下記5つのポイントを意識してみてください。
- 勤務時間内に業務を終わらせる
- 自分の強みやスキルを洗い出す
- 短期・中期・長期ビジョンをそれぞれ決める
- 仕事やキャリアアップに活かせそうな資格を取る
- 上司にキャリアプランを相談し、積極的にコミュニケーションを取る
自分の強みがわかると、社内異動でポジションを変えたり、新しい業務に挑戦したりなどをして状況を変えられます。
上司と積極的にコミュニケーションを取りながら、自分の強みやスキルが活かせる業務に取り組んでみましょう。
関連記事:40代からの人生やり直し!おすすめの資格13選と選び方のポイントを紹介
副業・複業を始める
「残業代がなくなると、生活が成り立たない……!」と不安な場合は、残業の代わりに副業に力を入れてみるのも1つの方法です。
たとえば、在宅でできる副業には下記のようなものがあります。
- ハンドメイド販売
- 写真・イラスト販売
- ブログ運営
- SNS運用代行
- 動画編集
- Webデザイン
- Webライター ……など
勤務時間内にテキパキと業務を終わらせて、家に帰ってから上記のような副業に取り組んでみましょう。昇給やキャリアアップを目指しながら、少しずつ収入を増やしていけます。
また「普段デスクワークをしているから、体を動かす副業がしたい」「土日を有効活用したい」などの場合は、1週間のうちの数日だけ副業ができる「週末林業」がおすすめです。
【週末林業を始めるメリット】
- 平日は都心、土日は地方で働く「二拠点生活」が楽しめる
- 自然のなかでリフレッシュしながら収入を得られる
- 凝り固まった体を気持ちよく動かせる
- 新たなスキルや資格を手に入れられる
- 残業がない林業の仕事を経験できる
山林を管理する林業の仕事は、地域や日本全体の社会貢献につながっています。
仕事に「やりがい」「達成感」「充実感」を求めている方に、週末林業はとくにおすすめの副業です。
関連記事:【週末林業の始め方】副業で林業をするメリット・デメリットも紹介
転職をする
今の会社でずっと働きたくない場合は、残業で稼ぐのをやめて転職を検討しましょう。
人生100年時代に求められる能力として、近年は「自ら考え行動できる能力」「柔軟な発想で新しい考えを生み出せる能力」が重視されています。
また上記データをみると「経験をもとに着実に仕事をおこなう能力」は、これまでよりあまり重視されていないことがわかります。「経験はこれから積めばOK!」と考えている企業が、以前より増えてきているのです。
「本当は、生活残業をやめたい……」「今の会社は自分に合わないかも」と感じる場合は、無理に仕事を続けず、人生で一番若い「今」この瞬間に転職と向き合いましょう。
残業で稼ぐことについてよくある質問
最後に、残業で稼ぐことについてよくある質問を紹介します。
生活残業を注意されたらどうしたらいい?
生活残業を注意されたら、残業時間を減らすか、残業代で稼ぐのを潔くやめましょう。
社内での評価が極端に下がると、最悪の場合「減給」や「解雇」につながるリスクがあります。
生活残業をしないと生活がままならない場合は、副業を始めるか、自分に向いている仕事に転職するのがおすすめです。
生活残業をやめさせる方法は?
企業が従業員に生活残業をやめさせる方法には、下記のようなものがあります。
- 自主的な残業を禁止する
- 残業時間の上限を明確に設ける
- 従業員の業務をきちんと把握する
- 残業の有無を従業員の評価につなげない
生活残業をやめさせたい場合は、残業を従業員の判断に任せるのではなく、企業が明確なルールを提示することが大切です。
まとめ
この記事では「残業で稼ぐのはおかしい!」という方に向けて、生活残業のリスクや回避方法などを紹介しました。
これからの人生をより充実して過ごせるように、今後の働き方に今一度しっかり向き合ってみましょう。
また、副業や転職を考えている方は「将来の自分」を思い描きながらこれからの行動を選ぶのがおすすめです。
在宅で長く稼ぎたい方は「ネット副業」を、健康的に働きたい方は「週末林業」を選ぶなど、自分に合うものを選んでみてください。
「将来は独立・開業するのが夢」
「いつか地方移住をして、のんびり働きたい」このような希望がある方は、林業専門求人サイト『RINDO』の活用がおすすめです。
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