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特殊伐採とは?未経験向けの作業内容と必要資格を解説
「特殊伐採って一般の伐採と何が違うの?」
「どういった資格やスキルが必要なんだろう?」
近年、特殊伐採の需要は高まっていますが、未経験の方は具体的な仕事内容や必要なスキルを知らない方も多いでしょう。
本記事では特殊伐採の具体的な作業内容や、必要な資格やスキルについて解説します。
特殊伐採の仕事への理解が深まり、自身のキャリアとして検討する際の判断材料となりますので、最後まで読み進めてください。
- 目次
- 特殊伐採とは?
1.1 一般の伐採作業との違い
1.2安全管理の重要性- 特殊伐採の具体的な方法3つ
2.1 高所作業車を使った伐採
2.2ロープを使った伐採
2.3クレーンを使った伐採- 特殊伐採に必要な資格や準備
3.1 必要な資格やスキル
3.2技術習得への道のり- 特殊伐採の将来性
4.1特殊伐採の需要
4.2特殊伐採のやりがい
4.3特殊伐採をおこなう事業体- 「特殊伐採」についてよくある質問
5.1特殊伐採はどのような時に必要ですか?
5.2未経験でも特殊伐採の仕事はできますか?- まとめ
1.特殊伐採とは?
特殊伐採とは、高所作業や狭小地での伐採作業など、特殊な条件下でおこなわれる高度な伐採技術のことです。
まずは特殊伐採について、一般の伐採作業との違いを整理しておきましょう。
1.1 一般の伐採作業との違い
通常の伐採作業は、山地や平地などの作業スペースに余裕がある場所での作業が中心となります。一方、特殊伐採は高所作業や狭小地、急斜面などより技術的な対応が必要な環境での作業が多いのが特徴です。
特殊伐採が活躍する主なケースには、以下があります。
- 住宅地に隣接する場所
- 公園や神社など狭い敷地内
- 電線や電柱の近く
- 急斜面や崖地
- 台風や災害による倒木
都市部では住宅地の樹木大径木や人手減少による森林管理が困難になる中、こうした環境に対応する特殊伐採の需要が高まっています。
1.2 安全管理の重要性
通常の伐採同様、特殊伐採でも作業前の環境把握から装備の選択まで、安全管理が何より重要です。
- 作業前の環境把握…天候、機械の点検、作業環境の確認など
- 装備の選択…ヘルメット、安全靴、防護ズボン、保護メガネなど
特殊伐採は専門的なスキルと知識も必要ですが、作業環境の把握や装備という基礎をしっかりと整えることで、事故のリスクを抑えられます。
「林業に必要な服装は何がある?選ぶ際のポイント3つも解説!」では、林業作業に必要な服装について詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
2.特殊伐採の具体的な方法3つ
特殊伐採の具体的な方法は、下記の3つです。
- 高所作業車を使った伐採
- ロープを使用した伐採
- クレーンを使用した伐採
それぞれの方法についてみていきましょう。
2.1 高所作業車を使った伐採
高所作業車を使用した伐採方法は、作業効率が高く比較的安定した足場で作業できます。安全に作業できますが、電線や建物との距離管理が重要になります。
2.2 ロープを使用した伐採
クライミング技術を活用した伐採は、ロープや滑車などの専用の道具を使って木に登り、枝や幹を少しずつ切り落とす伐採方法です。
高所作業車が入れない狭小地や傾斜地でも作業ができ、樹木への負担を抑えられます。
2.3 クレーンを使用した伐採
クレーンを使った伐採は、樹木を吊り上げて伐採する方法です。
クレーンを使用することで、建物や植物への影響を最小限に抑えつつ、手間のかかる大径木や倒木の処理も安全かつ迅速に作業ができるメリットがあります。
林業の現場では、現場に合わせた伐採方法で安全に作業がおこなわれているのです。
3.特殊伐採に必要な資格や準備
特殊伐採に必要な資格や習得方法をみていきましょう。
3.1 必要な資格やスキル
仕事でチェーンソーを使用し倒木や伐採をする場合には、「伐木等の業務に係る特別教育」の受講が必須です。学科と実技講習を受ける必要があります。
さらに特殊伐採では、必要な資格やスキルがあります。未経験者でも、講習の受講や実践を重ねスキルアップできますので、作業内容別に必要な主な資格やスキルを理解しておきましょう。
- 高所作業車作業に必要な資格やスキル
高所作業車を使った伐採では、以下のスキルが必要です。
- 高所作業車の運転の業務に係る特別教育(高さ10メートル未満)
- 高所作業車運転技能講習(10メートル以上)
これらの講習は重機メーカーなどで受講でき、学科と実技があります。高所作業車運転技能講習は、保有資格や業務経験によりコースが異なります。
- クレーン作業に必要な資格やスキル
特殊伐採の現場でクレーンを使用する場合は、以下のスキルです。
- 切った木材を積み上げる際に必要な「はい作業主任者技能講習」
- クレーンについているフックに荷物をかけ外しする作業をおこなう「玉掛け技能講習」
クレーン作業に必要な資格も、林業研修や重機メーカーなどで受講できます。
- ロープを使用した作業時に必要な資格やスキル
ロープを使用した作業は不安定な足場や高所での作業となります。そのため下記の受講が必要です。
- フルハーネス型安全帯(墜落防止用器具)特別教育
- ロープ高所作業特別教育
講義形式と実践を組み合わせたカリキュラムとなり、教習センターや重機メーカーなどで受講できます。
さらに木に登って作業するツリークライミング技術や、切り落とした枝や幹を安全に地上におろすリギング技術が必要です。国内では「ATI(アーボリストトレーニング研究所®)」で技術講習が受けられます。
「【林業の資格一覧】事前に取得は必要?キャリアアップできる資格は?徹底解説!」にて、林業作業に必要な資格などの解説していますので、こちらもご覧ください。
3.2 技術習得への道のり
特殊伐採の技術は、基礎から応用まで段階的に身につけていきます。経験豊富な先輩作業員との作業を通じてスキル取得も可能です。
また多くの事業体では、林業未経験者向けの国(林野庁)の取り組みである「緑の雇用」事業や独自の資格支援を導入しています。
林業は未経験者の方を受け入れる体制が整っていますので、興味のある方は積極的に最初の一歩を踏み出してみてください。緑の雇用について詳しく知りたい方は「緑の雇用とは?内容やメリット、取れる資格などを徹底解説!」もチェック!
4.特殊伐採の将来性
特殊伐採の将来性について、以下の3つの視点からみてきましょう。
- 特殊伐採の需要
- 特殊伐採のやりがい
- 特殊伐採をおこなう事業体
それぞれ解説します。
4.1.特殊伐採の需要
日本の森林は、戦後に植えられた木々が成長し、伐採の時期を迎えています。とくに都市部や住宅地の近くでは、大きく育ちすぎた木の管理が課題となり、特殊伐採のニーズが高まっています。
近年では、伐採だけでなく不要な枝や枯れ枝を切ることで樹木の健康を維持する剪定や、成長を促進する育成技術も重視されるようになりました。これにより景観を守りながら地域の安全を確保できます。安全を確保しつつ樹木の美観や寿命を延ばす特殊伐採の技術は、重要な役割を果たしているのです。
こうした背景から、特殊伐採の技術は未経験者にとっても新しいキャリアを築くチャンスとなる、魅力的な仕事といえるでしょう。
4.2.特殊伐採のやりがい
特殊伐採の仕事には、ほかの職種にはない独特の魅力があります。自然と向き合いながら、高度な技術を駆使して問題を解決していく。その過程で自分の成長を実感でき、大きなやりがいを感じられる仕事です。
さらに技術を磨けば磨くほど、より複雑な現場も任されるようになります。成長の過程も、特殊伐採の魅力の一つといえます。
4.3.特殊伐採をおこなう事業体
需要が高まる中、特殊伐採をおこなう事業体が全国で多くあります。
林業専門の転職サイト「RINDO」では、特殊伐採をおこなう企業の求人を掲載中です。未経験者向けの研修制度が充実した会社や、資格取得をサポートする企業などから自分に合った企業を探せます。
さらに転職アドバイザーが、一人ひとりの希望や状況に合わせ提案やアドバイスするため、未経験でも安心してチャレンジ可能です。
5.「特殊伐採」についてよくある質問
「特殊伐採」について、よくある質問をまとめました。
5.1 特殊伐採はどのような時に必要ですか?
特殊伐採が必要となるのは、通常の伐採方法では対応が難しい状況で必要になります。たとえば住宅密集地で倒木の危険がある木や、電線に近い場所での樹木管理などです。
近年では台風後に住宅地の倒木を防ぐための事前伐採や、電線に接触する危険がある木の剪定など、地域の安全を守るため、計画的な樹木管理の一環として重要な役割を果たしています。
5.2 未経験でも特殊伐採の仕事はできますか?
未経験でも特殊伐採の仕事を始められます。多くの企業では、基礎から学べる研修制度を整えています。チェーンソーの使い方や安全管理など、必要なスキルを段階的に習得可能です。
国(林野庁)がおこなっている「緑の雇用」を利用している企業では、資格取得に必要な費用もかからないため、検討の際のチェックポイントに入れてみるのもよいでしょう。
6.まとめ
特殊伐採は高度な技術が必要な一方で、未経験からでも挑戦できる仕事です。
特殊伐採の需要は今後さらに高まります。自然と向き合いながら、地域の安全を支える。そんなやりがいのある仕事に興味を持った方は、将来性のあるキャリアの選択肢として、ぜひ検討してみてください。
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