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2024.09.24 コラム

高知県の森林・林業の現状は?特徴や就業支援について解説

「高知県で林業を始めたいけれど、どこから手をつけたらいいの」
「林業の支援や補助金について、どこで情報を得られるんだろう」

高知県は日本有数の森林資源を誇り、林業が盛んな地域です。
しかし具体的な特徴や、どこに相談すれば就業できるのかなど迷っている方も多いでしょう。

この記事では、高知県の森林や林業の現状や林業について学べる場所や支援内容を解説します。
林業への参入を検討している方や、すでに活動している方にとっても参考になる内容です。
ぜひ最後までお読みいただき、次のステップに進むためのヒントにしてください。

各都道府県の森林・林業の特徴について読んでみる

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  • 目次
        1. 高知県の基本情報
        2. 高知県の森林の現状
            2.1高知県全体の特徴
            2.2地域による特徴
        3. 高知県の林業について
            3.1林業経営体
            3.2林業従事者の推移
        4. 高知県で林業について学べる場所・支援先
            4.1高知県立林業大学校
            4.2.高知県林業労働力確保支援センター
            4.3.こうち森林救援隊
            4.4.高知県小規模林業推進協議会
        5. まとめ

1. 高知県の基本情報

まずは、高知県の基本情報について紹介します。

都道府県名 高知県
所在地 四国地方
人口

約66万人(2024年8月時点)

面積

 約7,102㎢

県庁所在地

高知市

森林面積 約59万ha
森林率 84%(全国1位)
主な樹種 スギ・ヒノキ、マツ

高知県は、四国の南部に位置し、豊かな自然と独自の文化が魅力の地域です。温暖な気候と日本一の森林率を誇り、「四万十川」や「仁淀川」、「桂浜」など美しい景観に恵まれています。
年間平均気温が約17℃と温暖で、冬も比較的暖かく過ごしやすいです。また日照時間が長く、農業や観光にも適した気候です。

食文化では、カツオのたたきや皿鉢料理が有名で、新鮮な海の幸と山の幸を楽しめます。

坂本龍馬の故郷として知られ、龍馬関連の史跡や博物館が多く、歴史ファンに人気です。ほかにも、高知城など歴史的建造物が多く残っています。毎年8月に開催されるよさこい祭りは、独特の踊りと音楽で全国的にも有名です。

2.高知県の森林の現状

高知県 仁淀川の風景 (画像提供:川と森様 求人ページ

高知県の森林率は、約84%と「日本一の森林県」です。
森林率だけでなく、森林蓄積率でもトップクラスの規模を誇ります。
ここからは高知県の森林について、県全体と地域の特徴を見ていきましょう。

2.1. 高知県全体の特徴

高知県の森林率は84%。森林面積の79%が民有林で多くを占め、そのうち人工林は63%です。また国有林の21%のうち、人工林は71%を占めています。

高知県の森林は、戦後に植林された人工林が多くを占め、民有林の人工林では、9齢級(45年生〜)を超える森林は89%あります。
本格的な伐採期を迎え、木材利用と適切な森林整備の必要があるのです。

高知県の森林の多くは、スギやヒノキといった針葉樹が中心となっています。
高知県のヒノキは「土佐ヒノキ」や「幡多ヒノキ」、「四万十ヒノキ」と呼ばれ、材の芯の鮮やかな赤身と強い香りが特徴的です。
また、日本三大スギ美林の一つであり高知県の県木に指定されている「魚梁瀬スギ」や、「嶺北スギ」など、スギの産地も多数あります。
▷参考:令和5年度高知県の森林・林業・木材産業

高知県は四国山地に囲まれ、太平洋に面し温暖多雨な太平洋側気候です。この気候が、高知県の豊かな森林の成長を支えています。
一方で台風の常襲地帯でもあるため、森林の管理には注意が必要な県です。

2.2.地域による特徴

高知県の地形は大きく北部、中部、南部に分けられ、それぞれの地域で森林・林業の特徴が異なります。ここでは、各地域の地形と森林・林業の関係について詳しく見ていきましょう。

  • 北部:四国山地が連なり、急峻な山岳地帯を形成しています。
    標高1,000m以上の山々が連なり、深い渓谷が刻まれています。
    冷温帯林が広がり、ブナやミズナラなどの落葉広葉樹が多く分布していることが特徴です。
    また、天然のヒノキやツガの原生林が残っている地域もあり、高品質な天然木の生産地としても有名です。
  • 中部:吉野川、仁淀川などの大河が流れ、盆地や渓谷が点在しています。山間部と平野部が入り混じり、変化に富んだ地形で、内陸性気候と太平洋型気候の影響を受け、比較的温暖な気候です。
    スギやヒノキの人工林が多く、県内有数の林業地帯となっています。また渓谷沿いは、シイやカシなどの常緑広葉樹林も見られます。
  • 南部:海岸部の平野と、その背後に迫る急峻な山地が特徴の地域です。
    カシやシイなどの常緑広葉樹や、沿岸部では防風林として松林が点在
    温暖多雨な太平洋型気候で、年間を通して温暖な気候です。

高知県では地域ごとの変化に富んだ地形を活かし、多様な森林生態系を支えています。

3. 高知県の林業について

高知県内の事業体による現場風景(画像提供:川と森様 求人ページ

高知県では、県として林業に力を入れています。
大型製材工場やバイオマス発電所の建設、高性能林業機械の導入、木材需要の拡大につながるCLT(Cross Laminated Timber)の普及など、全国に先駆けて取り組みを進めています

ここからは高知県の林業を支える、経営体数や従事者数の現状、高知県について見ていきましょう。

3.1. 林業経営体

高知県の林業経営体数は、2020年の農林業センサスによると882あります。
そのうち、法人化しているのは82の経営体です。
2005年には、6,593の経営から大幅に減少しています。
▷参考:令和5年度高知県の森林・林業・木材産業

また県内にある経営体のうち、「緑の雇用」事業を利用できる事業体は、83社です。
高知県内の認定事業体一覧は、「こちら」にありますので参考にしてください。

「緑の雇用」事業は国が林業従事者を確保育成するために行っている事業です。認定事業体に就業した方を対象にしており、未経験の方でも働きながら資格や技術を取得できます。
「緑の雇用」について詳しく知りたい方は、こちらも合わせてお読みください。
▷関連記事「緑の雇用とは?内容やメリット、取れる資格などを徹底解説!

高知県内は多くの経営体があり、自然豊かな土地を活用している林業が盛んな県です。興味のある経営体には、積極的に問い合わせるとよいでしょう。

3.2. 林業従事者の推移

高知県内の林業従事者は、2022年で1,601人でした。
高知県では2006年に1,508人にまで減少しましたが、「緑の雇用制度」などの就業支援制度や雇用情報の収集・提供、業林就職相談会などを実施した結果、2012年には1,662人まで増加。
しかし、高齢化などにより離職者が増加したことで再び減少し、ここ数年は1,600人前後の横ばいで推移しています。

また年齢の特徴を見ていくと、2019年ごろから40歳以上の割合が75%以上を占めています。
高知県内の従事者は、30歳代以下の若い世代が少ないという現状です。
▷参考:令和5年度高知県の森林・林業・木材産業

高知県内の事業体はこちらをクリック▼

4.高知県で林業について学べる場所・支援先

若い世代が少なく、担い手の確保と育成が大きな課題です。
ここからは、高知県内の林業への知識・資格取得できる場所や支援先について見ていきましょう。

  • 高知県立林業大学校
  • 高知県林業労働力確保支援センター
  • こうち森林救援隊
  • 高知県小規模林業推進協議会

それぞれの内容を見ていきましょう。


4.1.高知県立林業大学校

高知県立林業大学校は、次世代の林業をになう人材育成のための専門教育機関です。2015年に高知県立林業学校として先行開校し、2018年に林業大学校として専攻課程を加え、本格開校されました。

高知県立林業大学校では、下記の3つの課程があります。
・基礎課程:林業に必要な知識・技術を基礎から学習します。

年齢 18歳以上
研修期間 1年間(1200時間程度)
定員 20人
研修料 年額130,680円(税込)
※教科書、安全防具、作業着などの購入経費200,000円程度

・専攻課程:第一線で活躍する講師による授業で最先端の技術や知識が習得できます。

年齢 18歳以上(森林管理コース、林業技術コースの年齢は19歳以上)
研修期間 1年(1,200時間程度)
定員 30人(各コースの定員は10名程度)
研修料 年額130,680円(税込)
※教科書、安全防具、作業着などの購入経費200,000円程度

■森林管理コース
森林GISの活用や森林施業プラン書の作成などの森林・林業等に関する専門的な知識や技術を習得し、林業経営の中核をになうことを目指す人

■林業技術コース
高性能林業機械のメンテナンスや架線集材、作業道開設などの効率的な作業システム等の知識や技術を習得し、林業技術のエキスパートを目指す人

■木造設計コース
木造の建築計画・設計のスキルをはじめ、森林や林業・木材の性質・木質構造・環境性能・インテリアデザインなど幅広い知識や技術を習得し、木材の利用拡大を目指す人

・短期課程:すでに林業に従事している方々などの知識や技術の向上を目指します。

年齢 制限なし
研修期間 1日~1か月程度
定員 コースにより異なる
研修料 コースにより異なる

高知県林業大学校では、豊かな森林資源を活用し、林業や木材産業に必要な技術者の育成を目指し、基礎から専門的な技術まで幅広く学び実践的なスキルを身につけられます。

学校の近隣にある森林や木材関連施設での実地研修や実践的な経験、地元の林業団体や企業と連携し、地域のニーズに応じた教育が受講可能です。

就職支援では研修生一人ひとりに合わせた就職支援を行い、就職率は100%です。

高知県立林業大学校では、年間最大165万円の給付金を支給する支援制度が整備されています。高知林業大学校で林業について学びたいと考える方は、一度相談してみてくださいね。
高知県立林業大学校

4.2.高知県林業労働力確保支援センター

高知県林業労働力確保支援センターは、林業に従事したい人々や企業に対して多様なサポートやサービスを提供しています。
支援内容は、以下の通りです。

  1. 就業支援:林業関連の求人情報を集約し提供や求人企業と求職者のマッチングを行う。
  2. 研修プログラム:林業事業体や森林組合に所属している方専用の研修では、林業に必要な技術や知識を習得するための研修プログラムの提供。
  3. フォレストスクール: 林業に興味がある人向けに、体験型の学習プログラムや移住制度の情報、先輩との交流、就業までのサポートを提供。(オンライン講座や東京大阪、高知会場などあり)
  4. 情報提供:林業に関するセミナーやイベントを定期的に開催。

高知県林業労働力確保支援センターでは、相談窓口を用意し求職者に対して就職相談など、個別のニーズに応じたアドバイスを提供しています。
オンラインでの相談も受け付けているので、遠方にいる方でも気軽に相談できますよ。
高知県林業労働力確保支援センター

4.3.こうち森林救援隊

こうち森林救援隊は、県が運営する森林保護や環境整備を目的とした森林ボランティア組織です。
以下のような活動をしています。

  • 間伐や下刈りなどの森林整備作業
  • 森林環境教育の実施
  • 林業体験プログラムの提供
  • 移住希望者への林業体験の提供

会員数は150名おり、年間1,500人が参加しています。

林業に興味のある方が気軽に森林整備活動に参加できる機会が提供されています。
また森林救援隊の活動を通じて、林業の基礎知識や技術を学び林業就業のきっかけにもなっているのです。
こうち森林救援隊

4.4.高知県小規模林業推進協議会

高知県小規模林業推進協議会は、小規模林業の振興と林業の担い手を増やすことを目的とした団体です。
主な活動内容は以下の通りです。

  • 研修・セミナーの開催: 林業に関する知識や技術を学ぶための研修やセミナーを定期的に実施
  • 情報提供: 小規模林業に関する最新情報や成功事例を共有
  • 地域イベントへの参加: 地元のイベントに参加し、林業の重要性を広める活動
  • 他団体との協力: 環境保護団体や農業団体と連携し、持続可能な地域づくりを目指す
  • 各種支援:道具・機械に関する支援や現場指導、安全対策の支援・間伐・作業道等に関する支援

協議会は、小規模林業を目指す方々にとって情報収集や交流の場として大きな役割をになっています。
高知県小規模林業推進協議会 

5.まとめ

今回は、高知県の森林や林業の特徴について見ていきました。
高知県は、豊かな自然と歴史、独自の文化を持つ魅力的な地域です。林業への就業を考える際は、仕事の内容だけでなく、地域の特徴なども重要な検討要素となります。
高知県での林業は、やりがいのある仕事と豊かな暮らしの両立が期待できる地域の1つと言えます。
ぜひ高知県を林業を始める地域の選択肢に入れてみてくださいね。

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