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2024.09.06 コラム

群馬県の森林・林業の現状は?地域別の特徴や林業について学べる場所を紹介

「群馬県で林業は盛んに行われているのかな?」
「群馬県の森林の特徴を知りたい」

すでに林業に従事している方も未経験の方も、自分たちの住んでいるあるいは働きたい場所が、どういった現状なのか気になっている方も多いのではないでしょうか。

森林大国である日本は、各都道府県によって森林の特徴や林業事業体の数や従事者数の年齢層も異なります

そこで今回は、群馬県の森林や林業の現状について紹介していきます。
群馬県で働く際の参考にしてくださいね。

各都道府県の森林・林業の特徴について読んでみる

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  • 目次
      1. 群馬県の基本情報
      2. 群馬県の森林の現状
          2.1群馬県全体の特徴
          2.2地域ごとの特徴
      3. 群馬県の林業について
          3.1林業事業体の数
          3.2林業従事者の推移
      4. 群馬県で林業について学べる場所は?
          4.1群馬県農林業大学校
          4.2(一財)群馬県森林・緑整備基金(群馬県林業労働力確保支援センター)
      5. まとめ

1. 群馬県の基本情報

まずは、群馬県の基本情報について紹介します。

都道府県名 群馬県
所在地 関東地方
人口

約189万人(2024年7月時点)

面積

 約6,362㎢

県庁所在地

前橋市

森林面積 約43万ha
森林率 67%
主な樹種 スギ・ヒノキ、カラマツ

群馬県は関東地方の北部に位置し、日本列島のほぼ中央にあります。県北部と西部には「上毛三山」などの山々が連なり、南東部には関東平野が開ける内陸県です。

群馬県は、首都圏の水源である「利根川」や「尾瀬の湿原」、「吹割の滝」など豊かな自然や「草津」や「伊香保」「水上」「四万」など日本有数の温泉地としても有名です。
また、世界遺産の「富岡製糸場」をはじめ、アプト式鉄道跡の「めがね橋」やトロッコ列車が走る「わたらせ渓谷鐵道」などもあり多くの人を魅了しています。

県内中に道路や鉄道が走り、東日本と西日本、太平洋側と日本海側の結び目となっています。
平成27年に北陸新幹線が開通したことで首都東京へはもちろん、各地の空港や港とも高速交通網で結ばれ、国内だけでなく海外への移動も便利なことから、企業の立地件数は全国トップクラスです。

2.群馬県の森林の現状

群馬県 風景

群馬県の森林について、県全体と地域ごとの特徴を見ていきましょう。

2.1. 群馬県全体の特徴

2.1.群馬県全体の特徴
群馬県の森林率は約67%となっており、関東地方では森林面積と森林率ともに、もっとも高い割合です。

そのうち国有林が約46%、民有林は約54%です。民有林の割合では、人工林と天然林がともに48%を占めているという特徴があります。
また種別では、天然林は広葉樹が多く占めているのに対し、人工林ではスギやヒノキ・マツ・カラマツなどの針葉樹が多く分布しています。

また群馬県内の民有人工林のうち9齢級以上(41年生〜)の割合が全体の80%以上を占めます。
本格的な利用期を迎えた木が多い中、伐採や間伐が進んでいないのが現状です。

群馬県の森林は、首都圏の重要な水源です。そのため群馬県の森林には水源涵(かん)養機能が強く求められています。
しかし群馬県では豊富な木材資源の活用と再造林による循環が、大きな課題となっています。

参考:ぐんまの森林・林業2023年度版

2.2.地域ごとの特徴

群馬県内では、下記の4地域に分けて森林計画がされています。
ここからは、地域ごとの特徴を見ていきましょう。

  • 利根上流地域
    内陸の気候と日本海側の気候の境界に位置し、冬季は積雪が多く夏は涼しい気候です。
    天然林の割合が高く、広葉樹が主体となっています。
    木材産業が盛んで、製材工場やチップ生産工場が多くあり、大きな規模で事業を行っている業者もあります。

 

  • 利根下流地域
    県の中央部から南東部に位置し、南は埼玉県、東は栃木県に接している地域です。
    森林面積は少なく、人工林の割合が高いという特徴があります。
    また、きのこの生産も盛んに行われています。

 

  • 吾妻地域
    群馬県の北西部に位置し、夏は高温多湿、冬は積雪が見られます。
    森林面積が広いという特徴があります。
    人工林の割合が高く、主な樹種はスギやカラマツです。

 

  • 西毛地域
    県の南西部に位置し、南は埼玉県、西は長野県に接しています。
    民有林の人工林率が高く、スギ・ヒノキ・アカマツ・カラマツなど、さまざまな樹種が分布しています。
    県内有数の林業地帯として、スギ、ヒノキなどの造林が盛んに行われてきた地域です。

群馬県内では地域によって、地形や気候・森林の樹種構成などの違いがあります。

3. 群馬県の林業について

群馬県内における林業風景 (画像提供:株式会社吉本様 求人ページ

群馬県では、木材価格の低迷等により、伐採と植林を繰り返す持続可能な林業経営は困難な状況にあります。

ここからは、群馬県の事業体数や従事者数の現状について理解しておきましょう。

3.1. 林業事業体の数

群馬県内の事業体数は、2019年に131事業体でした。
国の制度である「緑の雇用」事業を利用できる事業体は、2024年時点で48社あります。

緑の雇用事業の開始以来、多くの未経験の方が活用し現場で活躍しています。働きながら技術を身につけられるか心配という方は、活用していくとよいでしょう。
群馬県内の認定事業体一覧は、「こちら」にありますので、参考にしてください。

また2020年の農業サンセスによると、2010年には1,460経営体ありましたが、2015年に880にまで減少。そして2020年には380経営体にまで減少しました。

群馬県の民有林のうち、5ha以下の所有者が9割を占めるなど、森林の所有規模が小さいという特徴があります。
森林所有者の林業経営意欲が低下し、森林への関心も薄れてしまったことで、境界の確定ができない森林や手入れされていない森林が増加してしまっているのです。

3.2. 林業従事者の推移

群馬県内の林業従事者は2022年で671人おり、そのうち14人の女性が活躍しています。
従事者の推移の変化では、1996年には1,000人以上いましたが、2001年には1,000人をきり986人に減少、その後は600人〜700人の間で推移しています。

年代別の推移は、以下の通りです。

年数/年齢別 39歳未満 40歳~49歳 50歳~59歳 60歳以上 合計
1996年 97人 129人 272人 595人 1,093人
2001年 179人 95人 196人 498人 968人
2016年 223人 163人 100人 228人 714人
2022年 168人 170人 143人 190人 671人

群馬県内では、今後約3割を占める60歳以上の方が退職などをする予定のため、さらに減少する見込みです。
群馬県では、従事者の年齢層の若返りや新規従事者の確保・育成が課題となっています。
参考:群馬県森林林業統計書(令和5年度)

群馬県内の事業体はこちらをクリック▼

4.群馬県で林業について学べる場所は?

群馬県では、林業への就業相談や新規就業者確保のための研修会や就労環境の改善支援、従事者のレベルに応じた技能・技術向上研修を開催するなどして、新たな林業従事者の確保・育成に努めています

ここでは、群馬県内の林業への知識や資格取得できる場所を紹介します。

  • 群馬県林業大学校
  • (一財)群馬県林業労働財団(群馬県林業労働力確保支援センター)

それぞれ見ていきましょう。


4.1.群馬県農林業大学校

群馬県農林業大学校は、2020年に創立100周年を迎えた歴史ある学校です。
関東唯一の林業について学べる群馬県立農林業大学校では、東京ドーム6個分の広大なキャンパスを利用し、実践中心の授業内容が特徴です。
これまで変化をしながら、1万人以上もの農林業を支える人材の輩出をしてきました。

群馬県農林業大学校では、少人数制の教育で実践重視のカリキュラムとなっています。
敷地内に寮があり、1年次は全寮制での生活となり仲間と共に過ごすことで、生涯の仲間づくりや協調性を育んでいきます。

群馬県立農林業大学校で、森林や林業について詳しく学び実践できるのが「森林コース」です
森林コースでは最新技術を取り入れた内容で、以下の技術を主に身につけていきます。

  • 苗木の植林から育成
  • 整備方法
  • 伐採技術
  • 木材の製材から加工

広いキャンパス内にある演習林や山林で、実践的な技術を習得でき、さまざまな資格も取得可能です。

卒業生の多くは、県内外の林業関連企業や自治体の林務部門に就職し、地域の林業を支える人材として活躍しています。
受験要綱や授業料などは、ホームページなどに詳しく記載されていますので、ぜひチェックしてくださいね。
▷群馬県立農林大学校

4.2.(一財)群馬県森林・緑整備基金(群馬県林業労働力確保支援センター)

(一財)群馬県森林・緑整備基金は、1998年に群馬県の森林整備と林業労働力確保の支援、森林および林業の活性化を目的として設立されました。

事業内容は以下の通りです。

森林整備事業 間伐、植林、下刈りなどの森林整備
林道の開設・維持管理
林業労働力確保事業 林業就業相談、職業紹介
林業従事者の研修・技術向上支援
労働環境の改善支援
緑化推進事業 緑化活動の支援
緑化に関する普及啓発
分収林事業 県有林の分収林化と管理
森林公園管理事業 県有の森林公園の管理運営

群馬県森林・緑整備基金は、幅広い取り組みを行い、県内の森林整備と林業の活性化を支える重要な役割を担っています。
(一財) 群馬県森林・緑整備基金


群馬県林業労働力確保支援センターでは、就業相談や見学・体験などの情報が発信もしています。
ホームページで最新情報が随時アップされていますので、定期的にチェックしておくとよいでしょう。

5.まとめ

今回は、群馬県の森林や林業の特徴について見ていきました。
群馬県は、林業大学校や支援センターでの研修実施や森林整備などに力を入れています。
またどの地域からもアクセスが良く、住みやすさも魅力です。
どこで林業の仕事を始めようか迷っている方は、群馬県を選択肢に入れてみてはいかがですか?

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