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長野県の森林・林業の現状は?地域別の特徴や学べる場所を紹介
「長野県で林業の仕事をしたいと考えているけど、長野県の森林や林業の特徴はあるのかな?」
これから林業の世界に飛び込む方にとって、働く場所がどういった現状や課題があるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
長野県といえば「移住したい県」ランキングで、常に上位に入る人気の県です。自然豊かな土地で、有名な観光地も多い長野県。
今回は、長野県の森林や林業の現状について解説していきます。
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- 目次
- 長野県の基本情報
- 長野県の森林の現状
2.1長野県全体の特徴
2.2地域ごとの特徴- 長野県の林業について
3.1林業事業体の数
3.2林業従事者の推移- 長野県での林業支援先
4.1(一財)長野県林業労働財団(長野県林業労働力確保支援センター)
4.2長野県林業大学校- まとめ
1. 長野県の基本情報
まずは、長野県の基本情報について紹介します。
都道府県名 | 長野県 |
所在地 | 中部地方 |
人口 |
約199万人(2024年7月時点) |
面積 |
約13,561㎢ |
県庁所在地 |
長野市 |
森林面積 | 約106万ha |
森林率 | 78% |
主な樹種 | カラマツ、スギ・ヒノキ、アカマツ |
長野県は中部地方にあり、北海道・岩手県についで3番目に大きな都道府県です。
内陸部に位置し、日本アルプスをはじめ山岳地が多く、平地が少ない特徴があります。
長野県には、軽井沢や上高地などの高原リゾートや山岳リゾートだけでなく、野尻湖や白馬村など多くの避暑地や観光地が多くあります。
北陸新幹線や中央本線、中央自動車道などが開通しており、首都圏や中京圏からのアクセスも良好です。
「信州」と呼ばれることが多く、人気の観光地も多くアクセス良好なため、常に多くの観光客で賑わっています。
2.長野県の森林の現状
県土の8割近くが森林という長野県。
長野県の森林について、県全体と地域ごとの特徴を見ていきましょう。
2.1. 長野県全体の特徴
長野県の森林率は、約78%と高い割合です。そのうち国有林が35%、民有林は65%の割合となっています。
長野県全体の森林面積のうち42%を人工林が占めており、人工林よりも天然林が多く分布しています。
長野県には優れた強度が特徴の「信州カラマツ」や日本三代美林の1つである「木曽ヒノキ」の生産地としても有名です。
人工林の種別では、全国的にスギやヒノキが多い特徴がありますが、長野県ではカラマツが5割以上と高い割合です。
また地域により主要樹種が異なるのも特徴的で、北部がスギ、中部はアカマツ、東部はカラマツ、南部はヒノキとなっています。
長野県では、昭和20年代後半から40年代にかけて造林がおこなわれてきました。
その人工林が本格的な利用期を迎えていますが、伐採や間伐が進んでいない現状です。
林齢では、9齢級以上(41年生〜)の割合が全体の約9割あり、若い林齢の森林が少なくなっています。
長野県でも、全国で課題となっている人工林の活用と再造林による循環利用が、課題といえるでしょう。
参考:長野県の林業統計書(令和4年度)
2.2.地域ごとの特徴
以下の地域に分けて特徴を紹介します。
- 北信地域
- 東信地域
- 南信地域
- 中信地域
それぞれ見ていきます。
- 北信地域
長野市を中心に県の北部に位置する北信地域は、季節風の影響で積雪が多い地域です。林業が盛んな地域ですが、冬の間は林業活動が制限される場合もあります。
主な樹種はカラマツなどの針葉樹が多く、人工林率が高い地域となっています。
- 東信地域
東信地域にある佐久市や上田市などを中心としています。年間降水量が少なく乾燥した気候が特徴の地域です。天然林の割合が高く、広葉樹が多くなっています。
林業の担い手不足などの課題に直面している地域です。
- 南信地域
諏訪市や伊那市、飯田市などの県南部を指す南信地域は、温暖な気候でブナやミズナラなどの広葉樹やスギやヒノキの針葉樹があります。
伊那地域や諏訪地域は、林業が盛んな地域ですが、林業従事者の高齢化や後継者不足が課題です。また素材生産や木材加工など、林業関連企業が多い特徴もあります。
- 中信地域
松本を中心に県西部の北アルプスに面した中信地域には、スギやヒノキ、ブナなど針葉樹も広葉樹もどちらも生育しています。木曽川流域の木曽地域では、南アルプスと中央アルプスに挟まれた山間地域で、ヒノキやスギなどの良質な木材が生産されることでも有名です。
日本三大美林の1つである「木曽ヒノキ」などの高級材が生産されている地域です。
長野県内の地域では、気候条件や地形などの違いから森林の樹種構成や林業活動の違いが出ている特徴があります。
3. 長野県の林業について
利用期を迎えた森林が多い中、長野県では担い手不足や高齢化が、大きな課題となっています。
ここからは、長野県の事業体数や従事者数の現状について理解しておきましょう。
3.1. 林業事業体の数
長野県の林業事業体数は、2024年時点で170事業体あります。
2010年には309事業体がありましたが、2021年までに169にまで減少しました。その後2022年には180に増え、2023年から減少傾向にあります。
県内に170ある事業体のうち「緑の雇用」事業を利用できる事業体は、89社です。
緑の雇用事業は未経験の方でも、働きながら資格や技術を身につけられます。長野県内の認定事業体一覧は「こちら」にありますので、参考にしてくださいね。
▷関連記事「緑の雇用とは?内容やメリット、取れる資格などを徹底解説!」
また県内には、林業経営体は1008あり、そのうち約51%が経営規模10ha以下の経営体です。保有山林規模では1〜5ha未満の林家が8割を占め、小規模経営体が多いという特徴があります。
▷参考:長野県の林業統計書(令和4年度)
3.2. 林業従事者の推移
長野県内の林業従事者は、2022年で1501人でした。
2003年には3,000人以上いましたが、2015年には2,000人をきり、その後も減少傾向が続いています。
また年齢別の割合による比較は、以下の通りです。
50歳未満の割合 |
60歳以上の割合 |
平均年齢 |
|
2022年 |
約57% |
約21% |
47.1歳 |
1992年 |
約53% |
約18% |
57.3歳 |
上記のように、長野県の林業従事者は、人数は減少しているが年齢層の若返りは進んでいるという特徴があります。
参考:長野県林業統計書(令和4年度)
長野県内の事業体はこちらをクリック▼
4.長野県での林業支援先
長野県では、素材生産や保育作業にかかわる従事者を確保することが、重要だと考えています。
そのために林業就業者の確保に向け、就職から就業後の定着促進までの総合的な支援をおこない、年間120人の新規就業者の確保を目指しています。
ここでは、長野県内の林業への知識や資格取得を支援している場所を見ていきましょう。
- (一財)長野県林業労働財団(長野県林業労働力確保支援センター)
- 長野県林業大学校
それぞれの内容を見ていきましょう。
4.1.(一財)長野県林業労働財団(長野県林業労働力確保支援センター)
長野県林業労働力確保支援センターは、林業労働力の確保と育成を支援するため、「林業労働力の確保の促進に関する法律」に基づき、長野県知事が指定し設立されました。
主な事業には、以下の内容があります。
就業支援 | 信州就林セミナーの開催や林業就業希望者向けの現場見学会、就業支援講習会などを実施 林業共同就職説明会や森林の仕事エリアガイダンスなどをおこない、新規就業者の掘り起こし |
研修・講習 | 林業基本講座などの研修や講習会を開催 林業従事者の技術向上の支援 高性能林業機械の操作研修 緑の雇用事業の研修実施 |
高性能林業機械のレンタル | 事業体の生産性の向上や労働環境の改善に繋げるために、高性能林業機械のレンタルサービスの提供 |
林業退職金共済 | 林業従事者の福利厚生の支援や林業従事者の長期定着のための林業退職金共済事業 |
マッチング支援 | 地域を超えた林業労働力の移動などに係る経費などの支援 |
長野県林業労働力確保支援センターでは、新規従事者への支援だけでなく事業体や従事者に受けた支援など、さまざまな支援をおこなっています。
▷ 一般財団法人長野県林業労働財団(長野県林業労働力確保支援センター)
4.2.長野県林業大学校
長野県林業大学校は、林業の専門的な知識や技術を身につけ、指導的な役割を果たす技術者や林業後継者となる有能な人材の養成を目的として、昭和54年に開校されました。
長野県林業大学校は、全寮制による2年制で行学一致の総合教育がおこなわれています。
カリキュラムは、一般教養科目と専門教育科目を学び、2学年では「森林管理コース」「森林資源活用コース」「木材利用コース」を選択し、より専門的な知識を学びます。実習や実験など実践的な講義も充実。
ホームページには、授業料や在学時に必要な費用、講義の様子、取得可能な資格などが詳しく記載されています。一度確認してみてくださいね。
▷長野県林業大学校
長野県では、長野県の林業の魅力を知ってもらうためYouTubeを開設。林業現場の映像、林業就業者の皆さんへのインタビューなどがありますので、参考にしてくださいね。
5.まとめ
長野県の森林や林業従事者の特徴について見ていきました。
長野県内では、林業大学校や支援センターでの研修実施など、従事者の確保や育成の場が用意されています。
また長野県では、地域ごとに森林の特徴が異なっており、それぞれの特徴を活かした林業がおこなわれています。
魅力がいっぱいの長野県で、林業の仕事をしてみてはいかがでしょうか。
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