NEWS お知らせ・コラム
埼玉県の森林・林業の現状は?林業の有名な地域や支援先を紹介
「関東地方で、林業のできる地域はあるのかな」
「埼玉県の森林や林業の特徴は、どういった点があるのだろう」
これから林業を始めていきたいと考えている方の中で、どこの地域で林業の仕事を始めようか悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
埼玉県は交通網が充実しており、東京へのアクセスが良く移住先としても人気のある県。都市部としてのイメージの強い埼玉県ですが、自然豊かな地域も多く林業の盛んな地域があるんですよ。
今回は、埼玉県の森林・林業の現状や特徴を紹介します。
ぜひ最後まで読み進め、埼玉県で林業の仕事を探す際の参考にしてくださいね。
”日本初の林業特化求人サイトRINDOで
ここにしかない転職活動を”
LINE登録者限定で就職お役立ち情報・新着求人情報などをいち早くお届け!
※「林業に興味があるけれど、どうすれば良いか分からない…」という初心者の方もお気軽に公式LINEからご相談くださいね♪林業経験者が丁寧にお答えします!
- 目次
- 埼玉県の基本情報
- 埼玉県の森林の現状
2.1埼玉県全体の特徴
2.2埼玉県内で盛んな林業地域|西川林業地- 埼玉県の林業について
3.1林業事業体の数
3.2林業従事者の推移- 埼玉県での林業支援先|埼玉県林業労働確保支援センター
- まとめ
1. 埼玉県の基本情報
埼玉県の基本情報は、以下になります。
都道府県名 | 埼玉県 |
所在地 | 関東地方 |
人口 |
約733万人(2024年7月時点) |
面積 |
約3,797㎢ |
県庁所在地 |
さいたま市 |
森林面積 | 約12万ha |
森林率 | 31% |
主な樹種 | スギ・ヒノキ |
埼玉県は関東地方の中央に位置し、首都圏を支えている地域として大きな役割をはたしています。東京都や千葉県・茨城県・栃木県・群馬県・長野県・山梨県と多くの県に隣接している県です。
埼玉県は、西部の山地と東部の平地に分かれているのが特徴です。西部の山地は、関東山地や甲武信ヶ岳、三宝山など2,000mの山々が連なっています。東部の平地は総面積の約6割を占め、全国的にも高い割合です。
海に面していない内陸部の県ですが、利根川や荒川、江戸川などの一級河川をはじめ、大小さまざまな川が流れています。
埼玉県の気候は、1年を通して比較的温暖な気候ですが、夏は厳しい暑さです。熊谷市は、過去に国内最高気温が記録されるなど有名ですよね。
2.埼玉県の森林の現状
埼玉県の森林の特徴について、下記の2点を見ていきます。
- 埼玉県全体の特徴
- 埼玉県内で林業が盛んな地域|西川林業地
それぞれ見ていきましょう。
2.1. 埼玉県全体の特徴
埼玉県の森林率は県土の約31%です。そのうち国有林は10%、民有林は90%を占めるなど、民有林の割合が高くなっています。
民有林の内訳は人工林のスギが約33%、ヒノキが約17%で約半数を占め、残りは天然林や竹林などです。
令和4年現在、県内の人工林のうち10齢級(46年生〜)以上が約8割を占めるなど、利用可能な森林が多く、若年齢の森林が少ない特徴もあります。
原因として、木材価格の低迷などから伐採が進まず、再造林される面積が少なくなっているためです。
そのため埼玉県では、平成27年度から伐採者と造林者との連携や一貫作業にすることで、森の若返り事業を開始し、皆伐・再造林の促進に取り組んでいます。
また埼玉県内では、シカやクマの被害が多いことから、彩の国みどりの基金事業によって森林の整備が積極的に行われています。
▷参考:森林・林業と統計 令和5年度版
▷参考:彩の国みどりの基金事業 – 埼玉県
2.2.埼玉県内で盛んな林業地域|西川林業地
埼玉県の南西部、荒川支流の入間川や高麗川、越辺川の流域を指し、飯能市・日高市・毛呂山町・越生町のエリアを西川林業地と呼んでいます。
江戸時代から、木材の供給地として重要な役割をはたしていた地域です。「いかだ」により木材を江戸へ運んでいたことから、「江戸の西の方の川から来る木材」という意味から、この地方から産出されるヒノキ材やスギ材が「西川材」と呼ばれるようになりました。そして平成21年には、商標登録もされています。
西川林業地の気候や土壌は、スギやヒノキの生育に適しているといわれています。ほかの地域に比べて成長が遅く、スギは40年、ヒノキは50年ほどかけて直径20センチほどの木材に成長していくのです。
また小規模な森林所有者によって丁寧な枝打ちや間伐などの育林作業が行われることで、木材の色艶がよくなり、年輪も細かく節の少ない良質な木材が産出されているのです。
西川林業地では、独特の育林方法を代々受け継ぎ、森林が守られています。
3. 埼玉県の林業について
埼玉県では利用期を迎えている森林が多くあり、基金を活用した事業で山林整備を行っています。しかし、伐採から再造林が進んでいない点や担い手不足が課題です。
ここからは、埼玉県の林業事業体や従事者数の現状について見ていきます。
3.1. 林業事業体の数
埼玉県の林業経営体数は、2020年農林業センサスによると129経営体です。
2015年には367経営体ありましたが、大幅な減少となっています。
また林業経営体別の森林所有規模では、3ha〜20ha所有している経営体が88あり、全体の約6割以上を占めています。
▷参考:森林・林業と統計 令和5年度版
そして、県内129経営体ありますが、埼玉県に登録している事業体は34の事業体です。そのうち「緑の雇用」事業を利用できる認定事業体は、令和6年2月時点で11社あります。
緑の雇用事業では、働きながら研修や講習を受け資格や技術の取得が可能です。
また埼玉県内では、自社で研修制度を設けている事業体もありますので、気になる事業体がありましたら、積極的に問い合わせてみましょう。
埼玉県の登録事業体や認定事業者一覧は「こちら」をご覧ください。
▷関連記事「緑の雇用とは?内容やメリット、取れる資格などを徹底解説!」
3.2. 林業従事者の推移
埼玉県内の林業従事者は、2020年で220人です。
1985年には1,000人を超えていましたが、2010年には270人にまで減少しました。その後、緑の雇用事業を活用し、2015年には300人にまで増加しましたが、現在は減少傾向にあります。
年齢別の割合では、2010年では50歳未満の割合は約45%、50歳以上が約55%でした。しかし2020年では、50歳未満は約60%、50歳以上が約40%になり若い世代が増えてきています。
▷参考:森林・林業と統計 令和5年度版
埼玉県では、林業従事者の若返りは見られますが、担い手の不足が大きな課題のため、新たな人材の確保や育成が必要といえるでしょう。
埼玉県内の事業体はこちらをクリック▼
4.埼玉県での林業支援先|埼玉県林業労働確保支援センター
埼玉県林業労働確保支援センターは、平成9年8月に埼玉県から指定を受けて、林業労働力の確保や雇用管理の改善、合理化促進を目的に設立されました。
以下のような活動内容があります。
- 林業への就業希望者に対する就業相談、情報提供
- 林業事業体への雇用管理に関する相談、助言、指導
- 雇用管理改善のための研修会の開催
- 「森林の仕事ガイダンス」への参加
- 新規就業者への林業基礎知識・技術の研修実施
ホームページ内では令和5年までの情報掲載となっていましたので、今年度の詳しい内容については、直接問い合わせた方が良さそうです。
▷参考:埼玉県林業労働確保支援センター
また埼玉県では、森林や林業について学べる展示室や体験施設のある「彩の国ふれあいの森 埼玉県森林科学館」や、「埼玉県環境整備センター」など、さまざまな学習施設もあります。ホームページ内で紹介されていますので、ぜひ参考にしてくださいね。
▷埼玉県ホームページ:埼玉県の主な環境学習施設
5.まとめ
今回は、埼玉県の森林や林業の現状について見てきました。
埼玉県は東京からのアクセスも良いため、移住先としても人気の県です。また江戸時代から続く伝統的な林業地域もあり、林業に積極的に取り組めることでしょう。
弊社RINDOは、林業専門の求人サイトとして、全国の求人情報を皆様にお届けします。他にも、未経験の方にも役立つ情報を紹介していますので、林業への世界に踏み出す際にぜひご活用ください。
▷参考記事:「埼玉移住を検討する方へ|魅力やおすすめ都市を紹介」