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2024.07.20 コラム

福井県の森林・林業の現状は?地域の特徴や学べる場所を紹介

「林業の仕事をしていきたいけど、福井県の森林や林業にはどんな特徴があるの??」
「福井県の林業事業体や従事者の現状を知りたい」

全国の都道府県の森林や林業の特徴について紹介しているシリーズ。
今回は、福井県の森林や林業の現状について解説していきます。

福井県で林業の仕事をしていきたい方や移住を検討している方の参考となりますので、ぜひ最後まで読み進めてくださいね。

各都道府県の森林・林業の特徴について読む

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  • 目次
        1. 福井県の基本情報
        2. 福井県の森林の現状
            2.1福井県全体の特徴
            2.2地域ごとの特徴
        3. 福井県の林業について
           3.1林業事業体の数
           3.2林業従事者の推移
        4. 福井県の林業支援
            4.1ふくい林業カレッジ
            4.2自伐型林業大学校
            4.3(公財)福井県林業従事者確保育成基金(福井県森林整備支援センター)
           4.4地域おこし協力隊・移住支援
        5. まとめ

1. 福井県の基本情報

まずは福井県について、基本情報からみていきましょう。

都道府県名 福井県
所在地 北陸地方 
人口

約74万人(2024年4月)

面積

 約4190㎢

県庁所在地

福井市

森林面積 約31万ha
森林率 74%
主な樹種 スギ・ヒノキ

福井県は北陸地方の中部に位置し、山間部が多く平地が少ないのが特徴です。
日本海と山に面し、海と山の幸に恵まれ、サバや越前ガニ・ズワイガニなどの海産物が有名ですね。
また、歴史的文化も多く残された伝統的な地域でもあります。

福井県の気候は夏は涼しく、冬は北西の季節風の影響で気温が低くなり、雪が多いのも特徴です。
年間降水量が多く、晴天日数が100日に満たないなど、冬季は日照時間が短い日が多くなる地域もあります。

2. 福井県の森林の現状

福井 風景

福井県は、県土の7割以上が森林です。
ここからは、福井県の森林の特徴をみていきましょう。

  • 福井県全体の特徴
  • 地域ごとの特徴

それぞれ説明していきます。

2.1. 福井県全体の特徴

福井県では、森林率約74%と高い割合となっています。
民有林の割合は、約87%。そのうち43%が人工林です。

民有林は、人工林よりも天然林が多いのが特徴です。
人工林の約9割をスギが占めるなど、スギが多い地域となっています。

福井県内では、昭和40年代から50年代にかけて造林された人工林を中心に、本格的な利用期を迎えています。
8〜12齢級(36年生〜60年生)の面積が多く利用期を迎えていますが、年間利用が少ない点も大きな特徴です。
また下刈りや枝打ち、間伐が必要な12齢級以下の森林が約6割あり、手入れが必要な森林も多くなっています。

福井県の森林でも、人工林の活用と再造林による循環利用が課題といえます。

参考:福井県の林業統計書(令和4年度)

2.2.地域ごとの特徴

福井県は主に下記の3地域に分けられます。

  • 越前地域
  • 若狭地域
  • 丹南地域

それぞれの地域の特徴についてみていきましょう。

・越前地域
越前地域は福井県の中心部に位置し、人工林率が高くスギ林が多くなっています。
足羽川沿いの地域は、足羽川林業地として良質な木材生産や地域材の利用、高性能林業機械の導入など効果的な林業経営がされている地域です。
素材生産量が多く、県内の生産量の大半を占めているので地域経済の大きな役割を果たしています。

・若狭地域の林業
若狭地域は福井県の西部に位置し、海沿いの地域です。
人工林率は低く、天然林が多いのが特徴です。
素材生産量は少ないですが、積極的に地域材の利用促進をおこなっています。
小規模経営体が多く、林業の担い手確保が課題の地域です。

・丹南地域の林業
丹南地域は福井県の東部に位置し、山間部が多い地域です。人工林率が高く、スギ林が主体です。
丹南地域でも林業従事者の高齢化が進み、担い手不足が課題となっています。

福井県内のどの地域も、担い手不足が課題となっています。

3. 福井県の林業について

福井県内の林業現場の風景 画像提供:ロガーワークス株式会社様 求人ページ

利用期を迎えた森林も多い中、福井県では担い手不足や高齢化も大きな課題となっています。
福井県の事業体数や従事者数の現状はどうなっているのか、理解しておきましょう。

3.1. 林業事業体の数

福井県の林業経営体数は、2020年農林業センサスによると356経営体です。
2015年には1245経営体ありましたが、5年間で52%も減少しています。

また、福井県の林業経営体の多くは個人経営です。小規模の経営体が多いことで、採算性の悪化や担い手不足の要因で減少につながっています。
▷参考:福井県ホームページ2020年農林業センサス経営体調査
▷参考:福井県ホームページ2015年農林業センサス経営体調査

また県内に356ある経営体のうち「緑の雇用」事業を利用できる事業体は、20社あります。
福井県内の認定事業体一覧はこちらをご覧ください。

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3.2. 林業従事者の推移

福井県内の林業従事者は、約600人です。最新の数字は出ていませんが、毎年横ばいの推移です。
森林組合の構成員をみてみると、平成2年の1,125人と比べると令和3年では約6分の1にまで減少し221人となっています。
年齢別では60歳以上の割合が31%、40歳〜60歳が53%、40歳未満が16%となっています。
参考:福井県林業統計(令和4年度)

福井県は、他の県と比べると林業経営体の数や認定事業所が少ないのが特徴です。
担い手不足解消に、積極的に支援を利用して林業の仕事に踏み出してみてはいかがでしょうか。

福井県内の事業体はこちらをクリック▼

4.福井県の林業支援

福井県では、林業について学べる学校や支援制度など、担い手不足の対策もおこなっています。
ここでは、林業について学べる学校や研修・支援制度などを紹介します。

  • 福井林業カレッジ
  • 自伐型林業大学校
  • (公財)福井県林業従事者確保育成基金(福井県森林整備支援センター)
  • 地域おこし協力隊・移住支援

それぞれの特徴をみていきましょう。

4.1.ふくい林業カレッジ

福井林業カレッジとは、福井県内の林業事業体(森林組合や林業の民間会社など)への就業を目指す方を対象にした、林業に関する知識や技術を学ぶための研修機関です。

コースは、長期コース(約1年間)と短期コース(約3か月半)の2つのコースがあります。

林業の基礎知識や伐採・造林・保育などの実践的な技術だけでなく、安全管理やコミュニケーション力の育成など幅広い分野を学びます。

座学と実習を組み合わせた実践的な研修で、チェンソーやフォークリフト等の資格も取得可能です。
また林業事業体での現場実習もおこなわれ、県内の林業事業体への就職支援などをおこなってくれますので、安心して学べる環境となっています。

受講対象者や受講料は下記になります。

受講対象者 ・福井県内の林業への就業を目指す方
・新規就業希望者や林業未経験者
受講料 無料
(研修費用の一部が福井県の補助金でまかなわれます。
個人所有のチェンソーや研修場所までの交通費などは実費です。)

福井林業カレッジは、福井県の林業を担う人材を育成する重要な取り組みとなり林業従事者確保に大きな役割を果たしています。
ふくい林業カレッジ公式サイト

4.2.自伐型林業大学校

自伐型林業大学校は、自伐型林業について学べる学校です。
過疎集落の裏山整備ができる「小さな山守り業」の知識やスキル、経営目的まで学べる学校として開校されました。

入校資格 18歳以上、性別・在住地問わず健康な方
学費 福井県と福井市が基本的な受講料を負担


主なコースは下記になります。

  • 基礎スタートアップコース 10日間
    チェンソー・刈払機、小型車両系建設機械の運転業務、作業道づくりの座学の実技、自伐型林業に必要な経営の座学など
  • 技能スキルアップコース 19日間
    作業道整備基礎研修・スキルアップ、刈払機スキルアップ(除伐)、チェンソー作業スキルアップ(選木・伐採)、林内作業車施業スキルアップ(枝払い、造材、搬出)、山林調査、GPS測量、システム利用など
  • 独立経営スキル習得コース 9日間
    自伐型林業の経営法、独立準備・団体設立方法・事業・活動計画の作り方など

最長3年かけてゆっくり学ぶことも可能ですので、無理なく学べる環境です。
自伐型林業大学校ホームページ

4.3.(公財)福井県林業従事者確保育成基金(福井県森林整備支援センター)

(公財)福井県林業従事者確保育成基金は、福井県の林業従事者の確保と育成を目的として設立された公益財団法人です。福井県知事より「福井県森林整備支援センター」の指定を受け、林業の担い手を育成・支援する事業をおこなっています。

主な取り組みは以下の通りです。

  • 林業従事者の福利厚生や労働安全衛生の充実を図るために、健康診断の実施や作業着の支給。
  • 林業従事者の技術や技能の向上を目的として、研修の実施や高性能林業機械の操作研修、伐採・造林技術の研修。
  • 新規就業者の就職支援として、新規就業者の確保と育成に取り組み、就職説明会の開催や就職先の紹介。
  • 自伐型林業を始める移住者に対して、自伐型林業支援パンフレットの配布や自伐型林業団体の紹介。

福井県の林業従事者の確保や育成のため、さまざまな取り組みをしています。
(公財)福井県林業従事者確保育成基金ホームページ

4.4.地域おこし協力隊・移住支援

近年、福井県内では自伐型林業に取り組む方が増えたことから「ふくい自伐型林業協会」が設立され支援する取り組みが活発化しています。

自伐型林業の活動をおこなう「地域おこし協力隊」の募集や移住支援などに力を入れ、給付金として100万円が支給されます。

詳しい申請の仕方などはホームページでご確認しお問い合わせくださいね。
福井県ホームページ

福井県では、林業の新規就業者の確保と育成に対して研修支援や就労相談など多くの取り組みがおこなわれています。
また「福井移住を検討する方へ|移住支援や魅力を紹介」では、移住制度について詳しく紹介していますので、こちらもチェックしてくださいね。

5.まとめ

今回は、福井県の森林や林業従事者の特徴についてみていきました。
福井県内では教育の場や研修の実施、地域木材の利用や地域による林業のあり方に対して対策をするなど、さまざまな取り組みをおこなっています。

林業に興味のある方は、ぜひ福井県で第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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