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三重県の森林・林業の現状は?林業支援先や地域の特徴も紹介
「三重県で林業の仕事をしていきたいけど、森林や林業について詳しく知りたい」
「各地域の林業の特徴を知りたい」
林業の仕事に興味はあるけれど、どこの地域で働いていこうか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
地域ごとの情報が分かれば、選択する際に活かせますよね。
そこで今回は、三重県の森林や林業従事者の現状について解説していきます。
林業の仕事先の選択に、ぜひ参考にしてください。
- 目次
- 三重県の基本情報
- 三重県の森林の現状
2.1民有林が多い
2.2スギ・ヒノキどちらも多い
2.3利用期を迎えている森林が多い- 三重県の林業について
3.1林業事業体の数
3.2林業従事者の推移- 三重県内で林業支援先
4.1みえ林業総合支援機構
4.2(公財)三重県農林水産支援センター
4.3みえ森林林業アカデミー- 地域による特徴(尾鷲ヒノキ)
- まとめ
1. 三重県の基本情報
まずは三重県について、基本情報から見ていきましょう。
都道府県名 | 三重県 |
所在地 | 近畿地方 |
人口 | 約171万人(2024年4月) |
面積 | 約5774㎢ |
県庁所在地 | 津市 |
森林面積 | 約372千ha |
森林率 | 64% |
主な樹種 | スギ・ヒノキ・マツ |
三重県は紀伊半島の東部に位置し、南北に長くなっている地形です。
伊勢神宮が、有名ですよね。
北は、養老山脈や木曽三川、西は、鈴鹿山脈や信楽山脈など多くの山脈、東は伊勢湾や熊野灘など、自然に恵まれた地域です。
平野や盆地、山間部があり、複雑な地形から地域による気候の違いも特徴です。
三重県は、スギやヒノキを主とした林業地で、飯高地域や尾鷲地域など各地で林業がおこなわれています。
2. 三重県の森林の現状
県土の約6割が森林という三重県。まずは、三重県の森林の特徴をみていきましょう。
・民有林が多い
・スギもヒノキもどちらも多い
・利用期の森林が多い
それぞれ説明していきます。
2.1. 民有林が多い
三重県内の約94%が民有林と、全国平均と比べると高水準となっています。
民有林は、63%がスギやヒノキなどの人工林、35%が天然林です。
2.2.スギ・ヒノキどちらも多い
三重県内でのスギとヒノキの割合は、ほぼ同じとなっています。
尾鷲地域ではヒノキが、飯高地域ではスギの産地として有名です。
他にも、美作地域や大台地域、熊野地域など、県西部に林業の盛んな地域が集中しています。
2.3.利用期を迎えた森林が多い
2015年時点で、県内の人工林のうち8齢級以上(36年生)の林分が80%を占めるなど、利用期を迎えた森林が多いです。
また、造林面積や間伐面積も減少傾向にあり、1~2級(10年生まで)の森林の割合が0.4%と若齢林が少なくなっています。
適切な森林整備が大きな課題です。
3. 三重県の林業について
人工林が多く利用期を迎えた森林も多い中、森林整備が追いついていない三重県。
三重県でも、担い手不足や高齢化が大きな課題となっています。
ここでは、三重県内の事業体数や従事者数についてみていきましょう。
3.1. 林業事業体の数
三重県には現在、527の林業経営体があります。
また、国の補助金を受けられる「緑の雇用」事業を取り入れている事業体は50社です。
緑の雇用を利用して林業への道に進んでいく方も増えています。気になる事業体がありましたら、一度お問い合わせくださいね。
3.2. 林業従事者の推移
県内の林業従事者は、令和2年時点で930人。
昭和55年には3912人いましたが、減少が続いています。
年齢別でみると、下記の内訳になります。
年齢 | 人数 | 割合 |
39歳以下 | 239人 | 25% |
40歳~49歳 | 209人 | 22% |
50歳~59歳 | 184人 | 19% |
6歳以上 | 338人 | 36% |
60歳以上の割合は、昭和55年は25%だったものが、36%にまで増加し、三重県でも高齢化や担い手不足が目立っています。
4.三重県の林業支援先
三重県では、さまざまな機関が林業の担い手不足への対策をおこなっています。
下記の3箇所を紹介します。
・みえ林業総合支援機構
・(公財)三重県農林水産支援センター
・みえ森林林業アカデミー
それぞれの特徴をみていきましょう。
3.1.みえ林業総合支援機構
みえ林業総合支援機構は、三重県の林業の安定的な発展を目的として設立された公益社団法人です。
三重県津市に本部を置き、県内各地に事務所を設置しています。
主な事業内容は、林業就業者の労働環境の改善や労働力の安定確保、林業への就業を希望や関心のある方への研修の実施をおこなっています。
▷みえ林業総合支援機構
3.2.(公財)三重県農林水産支援センター
(公財)三重県農林水産支援センターは、三重県の農林水産業の振興と地域の活性化を目的として設立された公益財団法人です。
三重県松阪市に本部を置き、県内各地に事務所を設置しています。
林業就業者への支援は、以下の内容があります。
- 就業・就職フェア…林業への就職を希望する方を対象として、就業フェアを開催
- 就業促進研修事業…林業に就業を希望している方に林業の仕事を体験してもらうことを目的に、短期の林業体験などへの助成
3.3.みえ森林林業アカデミー
2019年に次代の三重県林業を担う人材を育成することを目的として、開設した新しい林業人材育成機関です。
3つのコースがあり、下記の知識やスキルの習得を目指しています。
- ディレクター育成コース…森林経営資源として価値を創造するために、分野にとらわれない幅広い知識やスキルの習得を目指す
- マネージャー育成コース…林業コストの削減や収益の拡大などを実現するために、経営・管理に関する知識やスキルの習得を目指す
- プレイヤー育成コース…森林施業の生産性や安全性を高め、自ら施策を考え実践できる専門性の高い知識や技術の習得を目指す
それぞれ、年に10日〜20日程度の日程となっていますので、働きながらでも通うことが可能です。
また、選択講座としてニーズに合わせた技術をプラスして身につけることもできますよ。
▷みえ森林林業アカデミー
三重県内では他にも「みえスマート林業推進協議会」の設置や高性能林業機械の導入を進めるなど、さまざまな取り組みがされています。
5.地域による特徴(尾鷲ヒノキ)
ここからは、三重県内の林業が盛んな尾鷲地域の林業について紹介していきます。
尾鷲地域では、尾鷲市や紀北町が中心となっている林業地で、ともに人工林の面積が90%を占めています。
高品質なヒノキ材の生産地として知られ、400年以上もの歴史をもつ「尾鷲ヒノキ」が有名です。
尾鷲地域は、急峻な地形と痩せた土壌が特徴です。
そのため、ゆっくりと長い年月をかけて成長するため、年輪が緻密になります。
また、油分が多く含まれ美しい赤味と光沢も特徴の1つです。
緻密な年輪と油分の多さから、耐久性と強度に優れているので、建築材や家具材などに広く利用されています。
2016年に伊勢志摩で開催されたサミットで使用されたり、翌年には「日本農業遺産」に登録されたり、日本初となる「FSC認証」を受けるなど、さらに注目を集めています。
(FSC認証…持続可能な森林活用・保全を目的として誕生した、「適切な森林管理」を認証する国際的な制度)
6.まとめ
今回は、三重県の森林や林業従事者についてみていきました。
林業の担い手不足や高齢化に直面していますが、歴史ある林業地が多く、県全体で担い手確保や育成に取り組んでいます。
これから林業の仕事をやっていきたいと迷っている方は、三重県で一歩を踏み出してはいかがですか?
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