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2024.06.26 インタビュー

【インタビュー】林業15年目|ロガーワークス(株) 加納さんの想い「人と機械が共存し、10年遅れている日本の林業を変えていく」

福井県に拠点を置くロガーワークス株式会社は、地域資源の持続可能な活用を通じて、森林の保全と地域経済の発展に貢献することを理念に活動している会社です。社名の「ロガー」には、森林と地域社会の架け橋となり、持続可能な未来を築くという思いが込められています。今回は、ロガーワークスの加納 寛之(かのう ひろゆき)さんに、林業との出会いから現在の事業内容、そして今後の展望に至るまで、詳しくお話を伺いました。

 

 

林業との接点は高校時代の友人であり、ロガーワークス社長の古城からの紹介だった

――加納さんは林業を始めてどのくらいになりますか

加納さん(以下、加納):以現在の会社に勤めて12年、林業に携わった年数は15年になります。

――長く林業に携われているのですね!同じ業界の会社からロガーワークスにご転職されたのですか。

加納:20歳の頃、国有林の間伐などをしている、ひとり親方の元で林業に3年間従事しました。実はロガーワークスの現社長 古城 達也は、高校時代からの友人で、当時、彼から誘われたのがきっかけで、高校卒業後すぐに林業の世界に入りました。その後、建設業界で5年働いた後に、社長の古城に声をかけられ、また林業に戻ってきました。

――林業に戻ることにした、大きな決め手は何でしたか。

加納:林業での職務経験があったので、資金面の条件が良かったことが一番ですね。しかし、林業に復帰した2日目に8月の猛暑日にあたったのは、流石に体に堪えました(笑)。林業の体力的な辛さは理解した上で戻ってきましたが、気温には勝てませんね。

<チェンソーで木を伐る様子>

人と機械が共存し、10年遅れている日本の林業を変えていく

――当時の林業と今の林業を比較した際に、何か違いはありますか。

加納:当時は時代柄もあり、親方が教えてくれるというのはありませんでした。個々人が親方の技を見ながら盗んで覚えるのが主流でした。今のようにマニュアルなどが整備されている環境は本当にありがたいですね(笑)。

また、ロガーワークスは機械化にも力を入れています。日本の林業は、ヨーロッパの林業より10年遅れていると言われていますが、最新の林業機械の導入やデジタルツールの活用により、効率的な作業プロセスの構築に努めています。実際に、現場での段取りも柔軟に変化してきました。このように機械の導入に積極的なのは、社長の古城が常に先を見ながら進めていく考え方の現れでもあります。私も現場で新しい機械が導入されると、「早く乗れるようになりたい!」と思い、より一層頑張れます。人と機械が共存しながら、より良い日本の林業の形を皆んなで作っていきたいです。

――機械化に積極的なのですね!そんなロガーワークスでの仕事内容について教えてください。

加納:ロガーワークスの事業は、森林の素材生産から造林保育、特殊伐採、さらには山林・立木の購入や森林管理の提案まで幅広く展開しています。また、福井県内に留まらず、2023年には東京事業所が設立され、関東圏でも活動をしています。

<木の伐採や製材作業を効率化する重機:ハーベスタの導入>

ロガーワークスの魅力は風通しの良さ

――福井事務所と東京事務所の2拠点間の交流はありますか。

加納:現在は、福井県採用者は福井を中心に、東京都採用者は東京と神奈川を中心に活動しています。しかし、年に3ヶ月ほど交流も兼ねて私たち福井県採用者は、東京都の立川エリアや神奈川県の厚木エリアで作業することもあります。その際は、会社の経費でウィークリーマンション生活になります。今後、東京事務所の採用者が増えていくことで、2拠点間の交流もさらに活発になると期待しています。

――福井事務所は普段、何名で仕事をされていますか。

加納:ロガーワークスの福井事務所は6名で、平均年齢は30代と若く、風通しの良い社風が特徴です。その中の2名は未経験者で、4名は私のように林業歴10年以上の経験者です。経験者、未経験者含めて全員が集まる場を毎月1回設け、皆で同じ目標を共有しています。

また、社員一人ひとりの成長を重視し、最新の設備投資を行いながら、全員が協力し合って効率的に作業を進めることに注力しています。

――休日の取得など働き方について教えてください。

加納:ロガーワークスでは、社員が仕事とプライベートを両立できるよう、柔軟な働き方を導入しています。定時退社の推奨、有給休暇の取得促進など、働きやすい環境づくりがされています。林業の良いところは、何といっても早く帰れる点ですね(笑)。

――生産性を高める上でもオンとオフのバランスは大切ですね。一日の仕事の流れについて教えてください。

加納:大体はこんな流れで活動しています。

・6時に社用車で出発(通勤:1時間)

・7時に現場集合・始業

・8時から作業開始

・10時から小休憩(適宜)

・12時からお昼休憩(60分)

・14時から小休憩(適宜)

・16時に作業終了

ひとり一台ずつ社用車で自宅から現場に直行することが多いです。その際、大きな道具はハイエースに積み込み、小さな道具は個々で運びます。小休憩やお昼休憩に関しても、その日の天候や作業進捗を見ながら、ペアで話し合い柔軟に休憩時間を決めています。

<木材を掴んだり運び出したりする重機:グラップルを使用する様子>

林業の最大の魅力は、スケールの大きさ

――加納さんから見た、林業の魅力とは何ですか。

加納:自然の中で働くことができるので、スケールの大きさが林業の最大の魅力です。第一次産業を支える仕事、つまり日頃の自分の仕事が与える影響の大きさを実感できるのはこの仕事の醍醐味ですね。ただ、どれだけ気をつけていても怪我が避けられない点が、林業の欠点だと感じています。身体が続く限り、現役で林業に携わりたいと思っています。

そんな林業の世界でロガーワークスは、福井県で最初に機械導入を行うなど常に先駆者であり続けています。人と機械が共存しより良い作業工程を生み出すことで、生産性が高いと評価されています。その生産性の高さから、県内の森林組合から度々視察が来るほどです。

――加納さんは、今後どんなキャリアを描いていますか。

加納:林業の現場には年齢的な制約がどうしても伴います。そこで、現場の山だけでなく、製材や造林といった関連事業にも多角的に携わっていきたいです。

――最後に、新しく林業に参入する方や、これから入社される方へメッセージをお願いします。

加納:「林業」の仕事は多岐にわたります。年齢によっては「緑の雇用」や林業学校(カレッジ)を利用することができます。横の繋がりを持ち、森林組合や現場など様々な事業体をインターンシップ等で経験してから将来を決めるのも一つの方法です。しかし、ご縁がありロガーワークスに入社した場合、どの会社よりもキャリアアップを望むことができます。機械の導入など新しい技術を柔軟に取り入れながら、日本の林業の新しいカタチを一緒に作っていく仲間と働けることを楽しみにしています!

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