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スマート林業の代表的な技術は?導入するメリットと課題を解説!
「スマート林業という言葉は聞いたことはあるけれど、内容がよくわからない」
「スマート林業を取り入れることで、何かメリットはあるの?」
面積の約7割が森林である日本。その内の7割が人工林です。そして現在、戦後に植えられた人工林は、伐採と再造林が必要とされています。
世界有数の森林国である日本ですが、林業の担い手不足や高齢化、生産性や安全性が課題です。 そのような中「デジタル技術を活用したスマート林業」が注目されています。
経験が大事だといわれる林業の世界で、経験が浅くても活躍の場が広がるとされるスマート林業。
では、スマート林業とはどういったものなのでしょうか。 そこで今回は、言葉は聞いたことはあるけれど、内容がよくわからないという方のために、以下の内容で解説していきます。
- スマート林業について
- 代表的な技術
- 導入するメリット
- 導入への課題
最新技術を活用した林業について理解できますので、最後までご覧ください。
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- 目次
- スマート林業とは?
- 活用されている注目の技術5つを紹介
2.1レーザ測量
2.2ドローン
2.3森林クラウド
2.4森林GIS
2.5林業向けアプリ- スマート林業を導入する3つのメリット
3.1メリット①|生産性の向上へ
3.2メリット②|安全性の向上へ
3.3メリット③|人材不足や高齢化の解消へ- スマート林業導入への3つの課題
4.1課題①|資金がかかる
4.2課題②|デジタル技術への理解と対応
4.3課題③|デジタル技術の進化と更新- まとめ
1.スマート林業とは?
スマート林業とは、ICT(情報通信技術)やロボット、クラウドなどの先進技術を活用して、業務の効率化や木材の生産性・作業の安全性・担い手不足の解消などを目指す取り組みのことです。
伐採と再造林が必要とされている日本の森林。しかし、人手不足や高齢化が大きな課題のため、国としても広めていきたいのが「スマート林業」です。
林野庁では、全国展開に向け公募で「スマート林業実践対策」という導入支援事業を行っており、以下の内容を目標として取り組んでいます。
- 森林情報の高度化や共有化▷安全で快適な職場づくりへ
- 施業集約化の効率化と省力化
- 経営の効率化や採算性の向上▷担い手の確保や育成へ
- 需要と供給のマッチングの円滑化
スマート林業の導入は、林業現場での課題解決に大きな期待をよせられています。
2.活用されている注目の技術5つを紹介
今回は、20以上ある技術の中から5つを紹介します。
- レーザ測量
- ドローン
- 森林クラウド
- 森林GIS
- 林業向けアプリ
さっそく見ていきましょう。
2.1.レーザー測量
レーザ測量は、レーザ光を照射して樹高や森林蓄積を正確に測り、データを解析して地形を把握することが可能です。
レーザ測量には、航空レーザと地上レーザがあります。
航空レーザは、地上の標高や地形形状を広範囲に調べることが可能。
地上レーザは、三脚にレーザ機を設置して行う測量やハンディ式・バックパック型など、タイプもさまざまです。
地上レーザには
- 木の曲がりなど、情報を高精度に把握できる
- 三次元データが取得可能
- 移動しながら計測するため、時間がかかり広範囲の計測は難しい
などの特徴があります。
2.2.ドローン
ドローンは、さまざまな作業で使用されている技術です。
- レーザー測量
- 危険な現場での飛行も可能で危険リスクの回避
- 苗木の運搬
- 薬剤散布
など多くの業務が可能となります。 レーザ測量では、航空レーザに比べて低空飛行が可能なので、よりピンポイントに測量ができます。
また、苗木の運搬でドローンを活用することで、コンテナの積載とドローンの操縦のみとなるので、労力と時間・コスト削減が可能となります。
2.3.森林クラウド
森林クラウドとは、森林情報を一元的にクラウド上で管理するシステムです。
行政や事業体がそれぞれ個別に収集・管理していた情報共有が可能となります。森林を適切に管理していくには、林業従事者や所有者、自治体などさまざまな人がかかわっています。
森林の情報を共有し、有効に活用できれば業務の効率化や生産性の向上、コスト削減などが期待できます。
各都道府県がばらばらの形式にならないために、林野庁では「標準仕様書」を作成して「森林クラウド」の導入の促進を行っています。
2.4.森林GIS
森林GIS(地理情報システム)とは、さまざまな地理空間情報を持つデータを電子版の地図上で管理や加工ができる技術です。
- データ管理
- 資料作成
- 施業計画
- 情報共有
などが可能となります。
これまでの森林管理は、地図を使って多くの時間や手間をかけていました。森林GISを使うことで時間が削減でき、切り残しなどミスの防止につながります。
2.5.林業向けアプリ
近年は、林業で活用できるアプリが多く開発され、以下のようなアプリがあります。
- 日報アプリ
- GISアプリ
- 測量アプリ
- 林業機械との連動アプリ
種類は、それぞれ単独のアプリや複合しているアプリなどさまざまです。
日報アプリでは、スマートフォンやタブレットで、業務の進捗状況や日報管理などが利用できます。
個人のデバイスで、作業時間や機械の稼働時間・出荷量・進捗状況などの報告ができるので、会社に戻って日報を記入する時間の省略が可能になります。
3.スマート林業を導入する3つのメリット
では、スマート林業の導入は、どのようなメリットをもたらしてくれるのでしょうか。 導入するメリットとしては、以下の4つがあげられます。
- 生産性の向上へ
- 安全性の向上へ
- 人手不足や高齢化の解消へ
3.1.生産性の向上へ
スマート林業の導入によるメリット1つ目は、生産性や安全性の向上です。
IT技術を広大な森林管理に活用することで、可視化が可能となり生産性があがります。広大な森林の管理には、多くの人員と時間をかける必要があります。
最先端技術を活用することで、
- ドローンや衛星映像の利用で森林の状態の確認・把握
- ドローンにより苗木の運搬で移動時間などの削減
- ICTやレーザ測定技術の活用で、情報がデジタル化でき作業の計画や管理が効率化
が可能となります。その結果、1人当たりの生産性の向上が期待できます。
3.2.安全性の向上へ
メリット2つ目は、危険な作業が減り事故リスクの減少です。
林業現場での事故リスクの高さは、大きな課題です。事故リスクの高さから、林業の世界へ踏み込むことを迷っている方も多いでしょう。
上記のグラフを見ると、林業現場の労働災害は減少しています。減少の要因の1つとして「スマート林業の導入」も関係しています。
これからスマート林業を取り入れる企業や事業体が増えれば、より安全性が向上し事故リスクの減少も期待できますね。
林業現場での労働災害については、「林業の労働災害はなぜ多い?事故の現状や対策・労働災害防止計画を一部紹介」で詳しく解説していますので、こちらの記事もあわせてお読みくださいね。
3.3.メリット③|人材不足や高齢化の解消へ
森林を適切に管理し、手入れしていくには多くの人手が必要です。
しかし、現在の林業現場では、人手が不足しており令和2年には4万4千人。また、4人に1人が65歳以上で高齢化率は25%。若者不足も課題となっています。
デジタル技術を活用したスマート林業を進めることで、
- 人手不足や高齢化の解消
- 経験が浅くても働けるので未経験でも働きやすい
などが期待できます。
先ほどあげたドローンで苗木を運べば労力と時間の削減にもなります。 また、ドローンと地理情報システム(GIS)を活用することで、森林データを集め管理が可能に!
経験が浅い若い世代が、スマート林業の技術を習得することで貴重な人材へとなれるでしょう。
4.スマート林業導入への課題3つ
メリットの多いスマート林業ですが、導入への課題もあります。 ここからは、導入への課題を3つあげて解説します。
- 導入資金がかかる
- デジタル技術への理解と対応
- デジタル技術の進化と更新
課題①|資金がかかる
スマート林業には、専用の機器やシステムを導入する必要があります。
そのため、初期投資やランニングコストが大きな課題です。便利だとわかっていても、投資する資金がなく導入に踏み込めない企業や事業体も多くあります。
現在は、国や各都道府県・市町村でスマート林業の導入を支援する補助金制度があります。積極的に補助を利用するとよいでしょう。
課題②|デジタル技術への理解と対応
2つ目は、デジタル技術への理解と対応です。 現在の林業就労者の多くは年齢が高いため、デジタル技術への対応や知識を身につける必要性を理解し、導入まで動いてもらえるかが課題といえます。
IT 技術やドローンの操作などは、知識が必要不可欠となります。技術を習得するためには、現在の仕事とは別に時間を取らなければなりません。そのため、導入するべきか迷ってしまう会社も多いようです。
若い世代が、積極的に技術を身につけても発揮できる現場がないと意味がありません。 導入するためには、どれだけのメリットがあるのかを理解してもらうことが鍵となっています。
課題③|デジタル技術の進化と更新
スマート林業の技術は、急速に進化しており新たな技術やツールが開発されています。
そのため、導入後に技術の更新などに対応する必要があるのです。技術の進化に対応して、効果を最大限に引き出せるのかも課題となっています。
5.まとめ
今回は、スマート林業について解説していきました!
国や多くの企業では、技術開発や導入に向けて動いています。 これから導入される企業が多くなることに期待できます。
これから、林業の世界へ飛び込もうと考えているみなさんも、積極的にデジタル技術を身につけておくと大きな武器となりそうです!
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