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林業+αで働く「マルチフォレスター」とは?働き方や3つの魅力を紹介
林業の新しい働き方である「マルチフォレスター」をご存知ですか?
森林面積が広い林業が盛んな地域では「林業×〇〇」の働き方をサポートしている組合・事業体が存在しています。
専門的な知識や技術が必要な林業は「興味はあるけど、未経験からいきなり飛び込むにはハードルが高い……」と思われがちです。
しかし「林業×〇〇」の働き方が実現すれば、そのような不安を持たなくても林業に触れてみることができます。
本記事を読んで、林業+αで働ける「マルチフォレスター」として、ご自身や地域の可能性を広げてみませんか?
- 目次
- 林業+αで働く「マルチフォレスター」とは?
- マルチフォレスターの3つの魅力
2.1 多彩なキャリアパスの実現
2.2 魅力的な雇用条件&支援制度
2.3 充実した学習環境&コミュニティ交流
- マルチフォレスターの働き方イメージ
3.1 シフトのイメージ
3.2 給料のイメージ
3.3 選考のイメージ
- まとめ
1. 林業+αで働く「マルチフォレスター」とは?
マルチフォレスターとは「複数の林業事業体で間伐・運搬などに携わりながら、他の業種にも就くことができる新たな働き方」のこと。
マルチフォレスターには、主に次の2つの働き方があります。
- 複数の事業体で間伐や運搬などに従事する(専門家スタイル)
- 林業と他の業種を掛け持ちする(複業スタイル)
林業1本に絞って複数の事業体に所属したり、林業と他の業種を掛け持ちして働いたりと、マルチフォレスターとしての働き方は人それぞれ。
他の業種と掛け持ちする場合は、たとえば次のような働き方が可能です。
- 林業×飲食店
- 林業×観光業
「地方で林業家として自立をする」のは、林業未経験者にとってハードルが高く感じるもの。
しかしマルチフォレスターとして林業に携われば、他の業種との掛け持ちで心身的・金銭的な負担を減らすことができます。
また、複数の事業体・業種を同時に経験することで、人脈や協力者が増え新たなチャンスを掴みやすくなることも。
「地方で暮らしながら、新たなチャレンジを試みたい!」という方は、未経験からいきなり林業に特化するのではなく、まずはマルチフォレスターから林業に触れてみるという選択もおすすめです。
2.マルチフォレスターの3つの魅力
マルチフォレスターは、働き方以外に次の3つの魅力もあります。
- 多彩なキャリアパスの実現
- 魅力的な雇用条件&支援制度
- 充実した学習環境&コミュニティ交流
それぞれ詳しく見ていきましょう。
2.1.多彩なキャリアパスの実現
マルチフォレスターは「半林半X(※)」を体現して、林業のマルチワーカーとして地域や社会に貢献することができます。
たとえば、生まれ育った地域に帰省して「林業×飲食店」で地域の活性化に貢献できたり。
複数の林業事業体に所属して、専業の林業家になったりすることも可能です。
マルチワークする・しないに関わらず、林業家として自立しながら「多彩なキャリアパス」を実現できるのが、マルチフォレスターの大きな魅力です。
(※)半林半X……林業以外の業種と掛け持ちをして、生計を立てながら林業に従事する「新たなライフスタイル」のこと
2.2.魅力的な雇用条件&支援制度
鳥取県八頭郡智頭町を中心に、マルチフォレスターとして働く魅力を積極的に発信している「智頭町複業協同組合」では、次のような就業支援や雇用条件を提案しています。
- 智頭町独自の「林業マルチワーカー支援制度」の実施
- 「特定地域づくり事業協同組合制度」を生かした魅力的な雇用条件の提案
- 月間変形労働制の採用によるメリハリのついた働き方の提案
「緑の雇用」と同程度の研修・講習をおこなえる「林業マルチワーカー支援制度」があるのは、林業未経験者にとって嬉しいサポートの一つ。
また、マルチフォレスターには「特定地域づくり事業協同組合制度」を生かした次の3つの就業メリットもあります。
- 安定雇用
- 林業以外の複業も可能
- 就業期間に縛りなし
冬季に仕事が減りやすい林業ですが、智頭町複業協同組合では「月間変形労働制」の採用により、休暇日が多い月も給料の変動がありません。
メリハリのついた働き方で、林業以外の複業にも前向きに取り組めます。
参考:林野庁「緑の雇用」
参考:総務省「特定地域づくり事業協同組合制度」
2.3.充実した学習環境&コミュニティ交流
各地域により特色は異なりますが、林業は交流会や勉強会などの学習環境が充実しています。
従業者への資格取得支援も積極的におこなっているので、マルチフォレスターであっても林業家としてキャリアアップすることも可能です。
また厚生労働省の委託事業である「全国森林組合連合会」では、ホームページやSNSで相談会・講習会の開催情報をこまめに発信しています。
「林業に触れてみたい」「実際に体験してみたい」という方はぜひチェックして、林業家としての働き方をより具体的にイメージしてみてください。
3.マルチフォレスターの働き方イメージ
最後に、マルチフォレスターの具体的な働き方を次の3つの項目に分けて紹介します。
- シフト
- 給料
- 選考フロー
それぞれ詳しく見ていきましょう。
3.1.シフトのイメージ
ここでは例として「林業×飲食店」で働くマルチフォレスターの1週間を紹介します。
月(mon) | 林業(事業体①) |
火(tue) | 林業(事業体①) |
水(wed) | 休み |
木(thu) | 林業(事業体②) |
金(fri) | 林業(事業体③) |
土(sat) | 休み |
日(sun) | 飲食業 |
参考:智頭町複業協同組合
3つの林業事業体で働きながら、週末は飲食店に勤務するシフト構成です。
場合によっては、所属する林業事業体の数を減らして土日の両方飲食業に従事することもできるでしょう。
3.2.給料のイメージ
智頭町複業協同組合の採用情報を参考にした給与イメージは次のとおりです。
年収 | 280〜300万円 ※年間260日・1日8時間勤務した場合 ※基本給・賞与・退職金などを含む |
昇給 | 年1回 ※毎年4月に実績や本人の評価により見直しを実施 |
賞与 | 年2回 ※6・12月に実績や本人の評価により決定 |
保険 | 健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険 |
福利厚生 | 家賃補助、資格取得補助 備品購入補助、マルチフォレスターDay |
年1〜2回の昇給・賞与に加え、福利厚生も充実しているため安心して就業できそうです。
しかし「サポートは充実してそうだけど、年収280〜300万円って少なくない……?」と思う方も、なかにはいるかもしれません。
厚生労働省の統計データによると、林業の平均年収は約360万円(※2)。
つまりマルチフォレスターの年収は、一つの事業体に所属をした場合より少し低いくらいでしょう。
複業している業種によっては、平均年収の360万円を軽く超える場合もあるかもしれません。
さらにいうと、独立している林業経営体の平均年収は、約178万円(※2)です。
初めから「独立してバリバリ稼ぐぞ!」というよりは、マルチフォレスターとして複数の事業体で林業の仕事を経験したほうが、知識や人脈が増えて収入がアップしやすいケースもあります。
林業の独立後の働き方が気になる方は、ぜひ「林業の独立後の年収はいくら?他業種との比較&独立に必要な4つのこと」もあわせてご覧ください。
3.3.選考のイメージ
マルチフォレスターとして採用されるための選考フロー(イメージ)は次のとおりです。
- エントリー
- オンライン面談
- 職場見学
- オンライン面接
- 内定通知
各団体のホームページにある「エントリーフォーム」より、必要事項を入力して問い合わせをします。団体からの返信に従い日程を調整後、オンラインで簡単な面談をおこないましょう。
面談を通して「やっぱり働いてみたい!」と思えた場合は、実際の職場を見学しに行きます。職場見学後に正式な面接をおこない、合格の場合は内定通知が届くというのが一般的なフローです。
ちなみに、本記事に多数登場している「智頭町複業協同組合」の求人情報は、RINDOの「求人情報を探す」のページにも掲載しております。
マルチフォレスターとして働いてみてい方は、ぜひ詳しい募集要項をチェックしてエントリーしてみてください!
4.まとめ
「林業に興味はあるけど、未経験からいきなり飛び込む勇気はない……」
という方は、ぜひマルチフォレスターとしての活動を視野に入れてみてください。
なかでもご自身が林業で貢献したい地域が決まっている方は、より自分らしい働き方を見つけるきかっけになるかもしれません。
RINDOでは、皆さまの「林業で働いてみたい!」という気持ちにお応えできるよう、これから求人情報をどんどん増やしていきます。
ぜひ定期的にチェックして、林業の世界を少しずつ覗いてみてくださいね。