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2026.03.16 インタビュー

【インタビュー】日吉町森林組合|「木を切る」だけじゃない。 山と人の未来を設計する、森林施業プランナーという仕事

「もともと、林業とはまったく関係のない仕事をしていました。」

そう語るのは、日吉町森林組合で森林施業プランナーとして働く齋藤さん(40歳)。林業の世界に飛び込んだのは、30歳のときでした。
RINDOを通じて日吉町森林組合と出会い、現在は、大変さを感じながらも、日々誇りを持って仕事に向き合っています。
そんな齋藤さんが、林業未経験からこの仕事にたどり着くまでの道のり。森林施業プランナーという仕事の、リアルなやりがいと大変さ。そして、日吉町森林組合で働く中で感じていることや、今後の展望まで。じっくりとお話を伺いました。

未経験から林業の世界へ。30歳で選んだ、新しい道

ーーRINDOを見ている方の多くは「林業未経験」ですが、齋藤さんご自身も、最初は未経験だったんですよね?

齋藤さん:そうですね。30歳くらいまでは、林業とはまったく違う仕事をしていました。
「自然が好き」という気持ちはありましたが、林業を仕事にするなんて、正直あまり現実的には考えていなかったと思います。
ただ、将来的には「自然の中で体を動かす仕事がしたい」という漠然とした想いは、ずっと心の中にあって。農業か林業かどちらかに関わる仕事ができたらいいな、とは思っていました。

ーーそこから林業を選ばれたきっかけは、何だったんでしょうか?

齋藤さん:当時、「林業は日本の産業として衰退してきている」という話を聞いたんです。
正直に言うと、「大変そうだな」という印象もありました。でも同時に、「それなら、少しでも力になれたら」という気持ちも出てきて。
自然が好きで、体を動かす仕事でもある。自分の性格や価値観にも、案外合っているんじゃないかなと思ったんです。

ーー未経験で林業に飛び込むことに、不安はありませんでしたか?

齋藤さん:かなりありましたね。求人を調べれば調べるほど、「これは簡単な仕事じゃないな」と感じました。知識も技術も必要ですし、何も分からないまま現場に入るのは、正直怖かったです。
なので、「まずは勉強して、資格も取ってから入ったほうがいいんじゃないか」と思うようになりました。

ーーそこで林業大学校という選択肢が出てきたんですね。

齋藤さん:はい。30歳のときに父に「林業をやりたい」と相談したら、「近くに林業大学校ができたらしい」と教えてもらったんです。
調べてみると、実家から車で15分ほどで通えて、学費も比較的安い。資格も取れて、現場実習も充実している。ホームページを見て、「ここならちゃんと林業を学べそうだな」と思いました。

ーー30歳で、2年間学ぶ決断。迷いはなかったですか?

齋藤さん:不安はありましたけど、4年制大学に行くわけでもないですし、2年間なら現実的だなと。「2年くらいなら、年齢的にもそこまで遅くないだろう」そう思えたのは大きかったですね。

林業は「木を切る仕事」だけじゃなかった。森林施業プランナーという仕事との出会い

ーー最初から「森林施業プランナー」を目指していたんですか?

齋藤さん:いえ、全然違います。入学当初は、正直「木こり」のイメージしかありませんでした。チェーンソーで木を切ったり、重機で集材したり、それが林業の仕事だと思っていたんです。
でも、林業大学校で学ぶ中で、「森林施業プランナー」という仕事があることを知りました。山を良くしていくためには、まず「どう整備するか」を考える人が必要で、プランナーがいないと、そもそも施業に入れないことも多い。
山をどう設計するか、全体をどうプランニングするか。その役割を知って、「これは、かなり面白そうだな」と思ったんです。

ーー大学校の専攻も、現場中心ではなく政策寄りを選ばれていますよね。

齋藤さん:はい。林業大学校には、現場メインの「林業専攻」と、行政や政策寄りの「森林公共人材専攻」がありました。森林公共人材専攻は、森林の機能や資源を活かして、地域をどう活性化していくかを学ぶ専攻です。
私は、「どういう仕組みで山を良くしていくか」「地域全体をどう考えるか」という部分に興味があったので、こちらを選びました。学んでみると、「地域を良くするには、必ず山がある」という考え方が、すごく腑に落ちましたね。

ーー卒業後は、すぐにプランナーとして働かれたんですか?

齋藤さん:はい。林業大学校で「キャップストーン研修」という1カ月間のインターン制度があって、岡山県の西粟倉村にある森林管理のベンチャー企業で研修を受けたんです。
西粟倉村では、村主体で森林政策を進める「百年の森林構想」という取り組みがあって、「森林公共政策の一つのモデルだな」と強く印象に残りました。その流れで、卒業後はそちらに就職し、約6年間、山を預かって10年単位で管理する仕事をしていました。実質、森林施業プランナーのようなお仕事でしたね。

「ここしかない」と思った、日吉町森林組合の求人

ーーそこから現在の『日吉町森林組合』へ。きっかけは何だったのでしょうか?

齋藤さん:父が体調を崩したことが大きなきっかけです。実家では父が一人で暮らしていて、ペットもいますし、このまま離れているのは少し心配だなと感じました。
実家に戻ってからも林業の仕事は続けたいと思い、地元の求人を調べましたが、森林施業プランナーの募集は本当に少なかったです。
そんな中で、『RINDOの求人サイト』で日吉町森林組合が森林施業プランナーを募集しているのを見つけました。現場の雰囲気がイメージしやすく、内容も分かりやすかった。前職の経験も活かせますし、年齢的にも即戦力として働ける。
「ここしかないな」と思って、応募させてもらいました。

ーー実際に働いてみて、前職との違いはありますか?

齋藤さん:今、入社して半年くらいですが、正直違いはありますね。林業と一言で言っても、地域が違えばやり方も全然違います。こちらにはこちらの“流儀”があって、山主さんの考え方も、人との関係性も違う。
ただ、まったく別物というわけではなくて、重なる部分も多いですし、これまでの経験が活かせるなと感じることも多いです。特に当組合は、「森林プラン」という提案型の施業を早くからやってきたところで、その点は前の職場とは結構違いがありますね。契約の取り方も、山の設計の仕方も。
山の形は場所ごとに違うので、本当に同じ山は一つもありません。

ーー日吉町森林組合のプランナー体制と、普段されているお仕事について教えてください。

齋藤さん:当組合の組織としては、一課が森林施業プランナーの課、二課が現場直営班という形です。森林施業プランナーは、統括課長や係長を含めて5人在籍しています。他の森林組合では森林施業プランナーが一人というところもあるので、人数としては多い方だと思います。
普段の業務内容は、山主さんとの交渉、現場との調整、役場への申請、調査などを行っていて、業務の幅はとても広いですね。

仕事は正直、大変。でもそれ以上のやりがいがある

ーー森林施業プランナーのお仕事って、どうやって学ぶんでしょうか?

齋藤さん:実は、それが一番の課題だと思っています。森林施業プランナーには、「これを見れば分かる」という明確なマニュアルがありません。
木を伐る仕事であれば、「緑の雇用」などの研修制度があり、先輩について学ぶ仕組みがありますが、森林施業プランナーには、それがないんです。やり方も人によって違い、感覚や経験に頼っている部分が多い。そのため、新しく入った人が「何をしていいか分からない」状態になりやすい。
仕事が楽しいと感じられるようになるまで、どうしても時間がかかりますし、業務量も多く、「追われる仕事」になりがちです。正直、大変だと感じることは多いですね。

ーーそれでも、この仕事を続けたいと思える理由はなんでしょうか?

齋藤さん:やっぱり自分で山主さんと話をして、プランを作って、提案して、集約化して、
実際に施業が終わって、山がきれいになったのを見ると、達成感は大きいです。
山主さんから直接「ありがとう」と言ってもらえると、「やってよかったな」と心から思います。
しんどい仕事ではありますが、それ以上にやりがいはありますね。

ーー森林施業プランナーとして、今後挑戦したいことはありますか?

齋藤さん:最低限の「型」をつくっていきたいですね。次に入ってくる人が、「まず何をすればいいのか」が分かる状態をつくりたい。みんなそれぞれ知見を持っているので、それを形にして、次の世代に残していくことが大切だと思っています。
あとは、タスク管理です。誰がどれくらい仕事を抱えているのかが見えるだけでも、働き方はかなり変わると思います。結果的に、一人ひとりの負担が減り、組合全体としてもプラスになるはずです。

ーー林業や森林施業プランナーという仕事についてはどう感じていますか?

齋藤さん:林業って危ない仕事ですし、給料が他業界と比べてめちゃくちゃ高いわけではありません。
雨が降れば作業ができませんし、その分土曜日に振り替えになることもあります。
なので、「楽だから」「安定しているから」といった理由で続く仕事ではないと思います。

でも、「山を守る仕事」「国土の7割を支える仕事」だと考えると、すごく意味のある仕事だと思っています。胸を張って、誇りを持って働ける仕事です。

ーー最後に、これから森林施業プランナーを検討している方へのメッセージをお願いします!

齋藤さん:森林施業プランナーは、体力だけで勝負する仕事ではありません。交渉や調整、知識や経験が活きる仕事です。だから、林業未経験の方や女性の方など、年齢や性別に関係なく、長く続けられる仕事だと思っています。
実際、海外では「フォレスター」という職業として確立されていますし、日本でも、もっと評価されていい仕事だと思います。
楽な仕事ではありませんが、山と地域の未来に関われる、意味のある仕事です。迷っているなら、ぜひ挑戦してみてほしいですね!

齋藤さん、素敵なお話をありがとうございました!

『山の未来を考える仕事』を、あなたの仕事に。

森林施業プランナーは、山の未来を考える仕事です。
山主さんの想いを聞き、地域の状況を見つめ、現場と調整しながら、森を次の世代へつないでいく。知識も必要ですし、調整ごとも多く、すぐに成果が見える仕事でもありません。
それでも、自分が考えたプランによって山が整い、山主さんから「ありがとう」と言ってもらえる瞬間に、大きなやりがいを感じられる仕事です。

日吉町森林組合には、未経験からでも学び、成長していける環境と、森林施業プランナーとして誠実に仕事に向き合える環境が整っています。

「自然に関わる仕事がしたい」
「山や地域の未来に、長く関われる仕事がしたい」
「未経験だけれど、新しい一歩を踏み出してみたい」

そんな想いを少しでも持っている方は、ぜひ一度、日吉町森林組合の仕事を知ってみてください。
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