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2025.12.30 コラム

日本の伝統を支える三大木材、その歴史と特徴を解説

日本は国土の約3分の2を森林が占める、世界有数の森林国です。古来より日本人は、木とともに暮らし、木を使って文化や産業を築いてきました。神社仏閣、城郭、町家、そして日々の生活道具に至るまで、日本の暮らしは木材抜きには語れません

なかでも、日本の林業史・建築史において特別な存在感を放つのが、「日本三大木材」と呼ばれる、スギ(杉)・ヒノキ(檜)・マツ(松)です。

この記事では、日本の伝統を支えてきた「三大木材」について、歴史的な背景やそれぞれの特徴、用途、そして現代における価値を分かりやすく紹介します。さらに、こうした木材を育て、次の世代へつないでいく「林業」という仕事との関わりにも触れていきます。

ぜひ最後まで読み進めていただき、日本の木を知る楽しさや、木材選び、そして林業を身近に感じるきっかけにしてみてくださいね。

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  • 目次
      1. 日本三大木材とは
      2. スギ
        2-1|スギの歴史
        2-2|地域に育まれたブランド杉
        2-3|スギの特徴
        2-4|
        スギ林を扱う林業会社の仕事
      3. ヒノキ
        3-1|ヒノキの歴史
        3-2|地域に育まれたブランドヒノキ
        3-3|ヒノキの特徴
        3-4|ヒノキ林を扱う林業会社の仕事

      4. マツ
        4-1|マツの歴史
        4-2|地域に育まれたマツの利用文化
        4-3|マツの特徴
        4-4|マツ林を扱う林業会社の仕事
      5. 日本三大木材と林業の仕事
      6. まとめ

日本三大木材とは

「日本三大木材」という明確な法的定義があるわけではありません。しかし、文献や林業・建築分野において、日本を代表する木材として共通して挙げられるのが、スギ・ヒノキ・マツの三種です。

これらは以下の点で共通しています。
・日本の気候・風土に適応し、広く分布してきた
・建築材として大量に利用されてきた
・神社仏閣や公共建築など、日本文化の中核を支えてきた

では、それぞれの木材について詳しく見ていきましょう。

スギ

① スギの歴史

スギは日本固有の樹種であり、縄文時代の遺跡からもスギ材を用いた痕跡が確認されています。古くから建築材や生活用材として親しまれ、日本人の暮らしとともに歩んできた木材と言えます。

特に大きな転機となったのが、戦後の高度経済成長期です。住宅需要の急増を背景に「拡大造林」が進められ、全国各地でスギの植林が行われました。その結果、林野庁「森林資源の現況」によると、現在では日本の人工林の約4割をスギが占めるまでになり、名実ともに日本を代表する木材となっています。

② 地域に育まれたブランド杉

スギは全国で植えられていますが、地域ごとの気候や地形、育林技術の違いによって、品質や評価に大きな差が生まれてきました。その代表例が、吉野杉秋田杉といった地域ブランド杉です。

奈良県の吉野杉は、長伐期施業と呼ばれる手間と時間をかけた育林が特徴です。密植・間伐を繰り返すことで、年輪が細かく通直性に優れた材が育ち、柱材として高い評価を受けてきました。一方、秋田杉は天然林由来の良材として知られ、まっすぐで美しい木目と強度の高さが特徴です。かつては城郭や社寺建築にも用いられ、日本を代表する高級材として名を馳せました。

これらのブランド杉は、単なる樹種の違いではなく、地域の林業技術や山づくりの歴史そのものが価値として評価されています。

また、吉野杉の産地である奈良県の森林・林業の現状については以下の記事で詳しく紹介しています。

▶︎奈良県の森林・林業の現状は?有名地域や支援先も紹介

③ スギの特徴

スギ材は軽量で加工しやすく、製材や施工の負担が少ない点が大きな特長です。木質が柔らかく、建築現場でも扱いやすいため、住宅建築を中心に長く使われてきました。また、独特の香りや調湿性に優れた性質は、住環境の快適さにも寄与しています。

一方で、強度や耐久性の面ではヒノキに劣るとされてきましたが、近年は乾燥技術の高度化や、集成材・CLTなどの加工技術の発展により、スギ材の用途は大きく広がっています。現在では中大規模建築や公共建築でも、スギが積極的に採用されるようになってきました。

主な用途としては、
・住宅の柱・梁などの構造材
・床・壁・天井などの内装材
・CLTなどの中大規模建築向け構造用木材
といった資材に使用されています。

④ スギ林を扱う林業会社の仕事

スギの価値は、伐採の瞬間に生まれるものではありません。植林から下刈り、間伐、主伐に至るまで、数十年にわたる人の手によって育てられて初めて、建築材としての価値が発揮されます。

スギ林を扱う林業会社の仕事は、木を伐ることだけでなく、「どの木を残し、どの木を育てるか」を判断する森林管理そのものです。とくにブランド杉を生み出す地域では、一本一本の木の質を高める施業が求められ、高度な技術と経験が必要とされます。

林業の求人サイトRINDO では、吉野杉や秋田杉といった地域ブランド材で知られる産地の求人も取り扱っています。

例えば、吉野杉の産地では、伝統的な山づくりを大切にしながら、地域資源を活かした新しい林業の取り組みが進められています。その一例が、奈良県吉野地域を拠点とする株式会社玉木材です。

同社は、約4,000haを超える山林を経営し、木質資源を活用した林業とエネルギー、脱炭素を組み合わせた事業を展開しています。林野庁の「新しい林業」経営モデル実証事業や、NEDOの「エネルギーの森」実証事業に採択されるなど、先進的な取り組みで注目を集めています。五條・吉野エリアに自社山林を持ち、作業道整備や計画的な間伐を通じて、吉野杉の生産と森林環境の保全を両立している点も特徴です。今後は、エネルギー用燃料材の供給力強化を見据え、事業の拡大を進めています。

現在募集しているのは、こうした林業イノベーションを現場から支えるスタッフです。必要な資格は入社後に取得可能で、林業未経験者や異業種出身者も挑戦できます。伝統ある吉野杉の森に関わりながら、新しい林業の形を実践したい人にとって、魅力的な現場です。

また、秋田杉の産地に拠点を置く有限会社新林林業は、秋田県内でも特に森林面積の多い北秋田地域を中心に、国有林の生産請負や立木の売買、素材の生産・販売を行っています。造林事業を起点に1977年に法人化し、以来、地域の森林と真摯に向き合い続けてきた林業会社です。

現在は、高性能林業機械を導入することで、安全性の確保や作業負担の軽減、生産性の向上に取り組んでいます。また、世代交代の時期を迎え、働きやすい職場づくりを進めながら、次の時代を担う人材の育成にも力を入れています。

秋田杉の森と向き合いながら、林業の現場で新たな一歩を踏み出したい人にピッタリの現場です。

ヒノキ

①ヒノキの歴史

ヒノキは古代から「特別な木」として扱われ、日本建築の中核を担ってきた木材です。飛鳥時代に建立された法隆寺をはじめ、伊勢神宮や各地の神社仏閣、城郭建築など、現存する歴史的建造物の多くにヒノキが用いられてきました。

特に象徴的なのが、伊勢神宮の式年遷宮です。神宮司庁によると、約20年ごとに社殿を建て替える式年遷宮では、良質なヒノキが大量に使われ、木を伐り、使い、再び植えるという森林循環の思想が今日まで受け継がれてきました。

②地域に育まれたブランドヒノキ

ヒノキもまた、地域ごとの気候や育林技術によって高い評価を受けるブランド材が生まれてきました。

代表的なのが、木曽檜(長野県・岐阜県)です。木曽地方では、江戸時代に厳格な伐採規制が敷かれたことで、質の高い天然ヒノキ林が守られてきました。年輪が緻密で、強度と耐久性に優れた木曽檜は、日本を代表する高級建築材として知られています。また、吉野檜(奈良県)や尾鷲檜(三重県)なども、丁寧な施業によって育てられたブランド材です。これらのヒノキは、見た目の美しさだけでなく、香りや耐久性といった機能面でも高く評価されています。

ブランドヒノキの価値は、自然条件だけでなく、長年にわたって受け継がれてきた地域の林業技術によって支えられています。

また、各県の森林・林業の現状については以下の記事で詳しく紹介しています。

▶︎長野県の森林・林業の現状は?地域別の特徴や学べる場所を紹介

▶︎奈良県の森林・林業の現状は?有名地域や支援先も紹介

▶︎三重県の森林・林業の現状は?林業支援先や地域の特徴も紹介

③ヒノキの特徴

ヒノキの最大の特長は、耐久性・耐水性の高さにあります。湿気に強く、腐りにくい性質を持つため、長期間にわたって建物を支える構造材として重宝されてきました。また、特有の芳香には防虫・防腐効果があるとされ、古来より神聖な木として扱われてきた理由の一つでもあります。

木目は淡く上品で、経年変化による色合いの美しさも魅力です。スギに比べて硬く重いため加工には手間がかかりますが、その分、完成後の品質と耐久性は非常に高い評価を受けています。

主な用途として、

・神社仏閣や城郭などの伝統建築
・高級住宅の柱・土台・梁
・風呂桶や浴槽(檜風呂)

などに使用されています。ヒノキは「長く使うこと」を前提とした建築に適した木材です。

④ヒノキ林を扱う林業会社の仕事

ヒノキ林の施業は、スギ以上に時間と手間がかかる仕事とされています。成長が比較的遅く、伐採までに長い年月を要するため、一本一本の木の将来を見据えた施業が欠かせません。間伐のタイミングや残す木の選定、傷をつけない伐採技術など、高度な判断力と経験が求められる現場でもあります。

こうしたヒノキ林を支える林業会社では、「今の利益」だけでなく、「数十年後の森の姿」を考えながら仕事が行われています。

林業の求人サイトRINDO では、伝統的なヒノキ林を守りながら、建築や木材利用と連携した取り組みを行う事業体の求人も紹介しています。日本の伝統建築を支える仕事に関心のある人にとって、ヒノキ林の現場は、林業の奥深さと誇りを実感できるフィールドです。

例えば、木曽檜の産地では、長い年月をかけて育てられた貴重な森林資源を、次の世代へ丁寧につないでいくことが林業の重要な役割となっています。そうした現場を支えているのが、木曽地域で樹齢80年以上の木曽檜を扱う有限会社ヤマカ木材です。

同社では、高性能林業機械を活用し、架線集材やヘリコプター集材などの高度な技術によって、山への負荷を抑えた搬出作業を行っています。20代から60代まで幅広い年代の山師が在籍し、若手も多く活躍している点が特徴です。また、勝野木材グループの一員として、伐採から製材・加工・販売までを一貫して手がけ、木材の価値を山へ還元する循環型の事業を実践しています。現在は、こうした取り組みを支える新たな山師を募集中で、移住者も多く、地域に根ざして働きやすい環境が整っています。

日本を代表する木曽檜の森に向き合い、専門性の高い林業に携わりたい人にとって、やりがいのある現場です。

マツ

①マツの歴史

マツは日本全国に広く分布し、古くから人々の生活に寄り添ってきた木材です。スギやヒノキが主に山の森林で育てられてきたのに対し、マツは里山や海岸部にも多く見られ、建築材から燃料、道具材まで幅広く利用されてきました。

特に江戸時代以前の日本建築では、梁や桁など、強度が求められる部分にマツ材が多く使われていました。また、沿岸部ではクロマツが防風・防砂林として植えられ、集落や農地を潮風や飛砂から守る役割を担ってきました(参考:森林・林業学習館)。

②地域に育まれたマツの利用文化

マツはスギやヒノキのような「高級材」としてのブランド化は進んでいませんが、地域ごとに用途や価値が育まれてきた木材です。

瀬戸内海沿岸や日本海側では、防災機能を担うクロマツ林が発達し、現在も景観保全や海岸防災の観点から重要視されています。一方、山間部ではアカマツが建築材や薪炭材として利用され、地域の暮らしを支えてきました。

また、かつては造船材や橋梁材としても使われるなど、マツは「身近で頼れる木」として、日本各地の産業や生活文化の中に根付いてきました。

③マツの特徴

マツ材の大きな特長は、強度が高く、粘りがあることです。荷重がかかる部材に適しており、梁や桁といった構造部分で重宝されてきました。また、樹脂分を多く含むため耐水性に優れ、屋外利用にも適した性質を持っています。

一方で、ヤニが多く、乾燥や加工には技術を要するため、現代の建築では扱いづらいとされる場面もあります。しかし、その特性を理解した上で使えば、耐久性に優れた木材として今も活用の余地があります。

主な用途としては、

・梁・桁などの建築構造材
・梱包材・パレット
・防風・防砂林などの環境・防災用途

などです。現在では建築材としての利用は減少傾向にありますが、防災や景観保全といった新たな価値が注目されています。

④マツ林を扱う林業会社の仕事

マツ林を扱う林業の現場では、木材生産だけでなく、環境保全や防災機能を維持する役割が大きな比重を占めています。特に海岸マツ林では、松くい虫被害への対応や、更新・再生に向けた取り組みが重要な仕事となっています。伐採・植栽だけでなく、地域住民や行政と連携しながら森林を維持管理していく点も、マツ林ならではの特徴です。

林業の求人サイトRINDO では、素材生産を中心とする求人だけでなく、海岸林や里山林の管理、防災・環境保全に関わる仕事を行う事業体の情報も掲載されています。「木を伐るだけでない林業」「地域とともに森を守る仕事」に関心のある人にとって、マツ林の現場は、林業の幅広さと社会的役割を実感できるフィールドです。

吾妻森林組合は、平成17年4月の合併を経て、群馬県北西部に位置する吾妻郡を管内として事業を展開しています。東部ではスギ、西部ではカラマツやマツを中心とした人工林が広がっています。

森林整備(造林・保育)をはじめ、林産事業、バイオマス発電用燃料チップの製造など、幅広い事業を手がけているのが特徴です。独自の新人育成制度では、林業の基本である「切れる刃づくり」を重視し、作業負担の軽減や安全性の向上、生産性アップを図っています。さらに、年1回の技術力向上研修会を通じて、現場全体のスキル向上にも力を入れています。

防災や環境保全を含めた幅広い林業に携わり、地域に根ざした仕事をしたい人にとって、学びとやりがいのある現場です。

画像提供: 吾妻森林組合様

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日本三大木材と林業の仕事

スギ・ヒノキ・マツは、それぞれ性質も用途も異なる木材ですが、共通しているのは「人の手によって価値が引き出されてきた」という点です。日本の森林は、自然に任せきりで成り立ってきたわけではありません。植林、下刈り、間伐、主伐、再造林という長い工程を、何世代にもわたって担い手がつないできました。

スギ林では、住宅需要を支えるために、効率的かつ計画的な森林管理が求められます。どの木を間伐し、どの木を将来の主伐木として残すか。一本一本の選木が、数十年後の木材品質を左右します。大量生産のイメージを持たれがちなスギですが、実際の現場では、繊細な判断と高い技術力が必要とされています。

ヒノキ林では、さらに長期的な視点が欠かせません。成長に時間がかかるヒノキは、今すぐの収益よりも、将来の価値を見据えた施業が重要です。傷をつけずに育てるための作業や、丁寧な間伐、伐採時の慎重な作業など、職人性の高い仕事が多く、林業技術の集大成とも言える現場です。

一方、マツ林の仕事は、木材生産だけにとどまりません。海岸林や里山林では、防災や景観保全、地域の暮らしを守る役割が大きく、行政や地域住民と連携しながら森を維持管理していくことが求められます。松くい虫被害への対応や再生事業など、社会的意義の高い仕事に関われる点も特徴です。

このように、同じ「林業」という仕事であっても、扱う木材や地域によって、仕事内容や求められる役割は大きく異なります。三大木材を知ることは、日本の林業の多様性を知ることでもあり、自分がどのフィールドで働きたいのかを考えるヒントにもつながります。

まとめ

スギ・ヒノキ・マツは、日本の自然条件と人々の暮らしの中で育まれ、建築や産業、文化を支えてきた木材です。それぞれが異なる役割を担いながら、日本の歴史とともに歩んできました。

しかし、こうした木材の価値は、森があってこそ、そしてそれを守り育てる人がいてこそ成り立ちます森林の手入れが行き届かなければ、木材としての価値は下がり、防災や環境面での機能も失われてしまいます。日本三大木材の未来は、これからの林業の担い手に託されていると言っても過言ではありません。

近年、脱炭素社会の実現や国産材利用の推進を背景に、林業はあらためて注目を集めています。単に木を伐る仕事ではなく、森林を循環させ、地域経済や暮らしを支える仕事として、その役割はますます広がっています。

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