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2025.08.31 移住情報

愛媛移住を検討している方へ|支援制度や人気エリア5選を紹介

愛媛県は「温暖な瀬戸内気候」、「美しい自然」、「穏やかな人間関係」に恵まれた地域で、移住先として注目されています。

この記事では、愛媛県の魅力や移住支援制度おすすめの地域を詳しく紹介します。

実際に愛媛での新生活を考えている方に役立つよう、具体的な補助制度や注意点も盛り込んでいるので、ぜひ参考にしてくださいね。

※目次から読みたい見出しにスキップできます。

林業 求人
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  • 目次
      1. 愛媛移住について
        1-1|愛媛県の基本情報
        1-2|愛媛県の移住支援サイト
        1-3|愛媛県の移住支援制度
      2. 愛媛県内のおすすめ地域5選
        2-1|松山市
        2-2|今治市
        2-3|西条市
        2-4|宇和島市
        2-5|東温市
      3. 愛媛移住のメリット|住みやすい5つの理由
        3-1|温暖で災害の少ない気候
        3-2|自然と都市機能のバランスが良い
        3-3|通勤・通学時間が短く、ゆとりある日常
        3-4|子育て・教育環境の安心感
        3-5|生活コストを抑えられる
      4. 愛媛移住のデメリット|移住前に注意する3つの点
        4-1|交通の利便性が都市部に比べて劣る
        4-2|仕事の選択肢が限られている
        4-3|人間関係や地域の慣習に馴染む必要がある
      5. 愛媛県移住者の声
      6. 南宇和森林組合の紹介
        6-1|移住とともに始める林業のキャリア
        6-2|南宇和森林組合の仕事とは
        6-3|南宇和森林組合の求人情報
      7. まとめ

1.愛媛移住について

まずは、愛媛県の基本情報や移住支援サイトなどについて、紹介します。

1.1.愛媛県の基本情報

愛媛県の人口、隣接県などの基本情報は次のとおりです。

都道府県名 愛媛県
所在地 四国地方
県庁所在地 松山市
人口 約126万人(2025年7月時点)
面積 約5,676㎢
隣接県 香川県・徳島県・高知県
  • 瀬戸内海に面した穏やかな海岸線と温暖な気候
  • 海の幸・山の幸の両方が豊富
  • 台風の直撃を防ぐ地形
  • 岡山・広島・名古屋・京都・大阪といった都市へアクセスしやすい

愛媛県は県庁所在地である松山市を中心に、都市部と自然環境がバランスよく存在しています。商業施設・医療機関・教育環境が整いながらも、都心部ほどの混雑や生活コストの高さはなく、暮らしやすい都市規模を備えています。

瀬戸内海に面した穏やかな海岸線、しまなみ海道に代表される島々、そして南には四国山地が広がり、登山やアウトドアも楽しめます。海の幸・山の幸の両方が豊富で、農業や漁業に携わりたいという移住希望者にも人気があります。

1.2.愛媛県の移住支援サイト

愛媛県には、移住を検討する際に役立つ公式サイトが複数あります。
それぞれ特徴があるため、目的に合わせて活用すると移住の準備がスムーズに進みます。

えひめ移住ネット

画像出典:移住支援サイト「えひめ移住ネット

愛媛県には「えひめ移住ネット」という、移住情報総合ポータルサイトがあります。
このサイトでは、以下のような内容がわかります。

  • 愛媛県の魅力や暮らしに関する情報 
  • 県内各市町の地域情報や移住支援制度
  • 先輩移住者の体験談やインタビュー
  • 空き家物件や公営住宅、民間物件情報
  • テレワークや各種仕事に関する情報
  • 移住フェアや子育て移住体験ツアーなどのイベント情報 など

愛媛県での移住を具体的にイメージしやすくなるコンテンツが揃っており、移住を検討する方にとって心強い情報源です。
最新のイベント情報やセミナー情報も掲載されているので、定期的にチェックしておくとよいでしょう。

また、愛媛への移住を希望する方や、移住を考えてみたいと思っている方の相談窓口として愛媛県内、東京都内、大阪府内に専任の「えひめ移住コンシェルジュ」が配置されています。愛媛での暮らしや住まいなどに関する情報の提供や相談、移住を希望する市町への取次ぎを行ってもらえますので、合わせて活用するとよいでしょう。

愛媛県内「愛媛ふるさと暮らし応援センター」

場所:公益財団法人えひめ地域活力創造センター内
住所:松山市宮西一丁目5番19号(愛媛県商工会連合会館3階)
えひめ移住コンシェルジュ:板垣 義男 氏

東京都内「ふるさと回帰支援センター」

設置場所:ふるさと回帰支援センター内
住所:東京都千代田区有楽町2-10-1(東京交通会館8階)
えひめ移住コンシェルジュ:竹内 英治 氏

大阪府内「愛媛ふるさと暮らし応援センター」

設置場所(1):肥後橋オフィス(愛媛県大阪事務所内)
住所(1):大阪府大阪市西区江戸堀1丁目9-1肥後橋センタービル1階
設置場所(2):心斎橋オフィス(株式会社クリエアナブキ内)
住所(2):大阪府大阪市西区新町1丁目4-24大阪四ツ橋新町ビル3階

出典:愛媛県庁公式ホームページ

1.3.愛媛県の移住支援制度

東京・埼玉・千葉・神奈川の東京圏(東京23区在住又は通勤)からの移住には移住支援金の支援制度があります。移住支援金の内容は以下の通りです。

東京・埼玉・千葉・神奈川の東京圏 単身:60万円 世帯:100万円

子ども加算(18歳未満):1人につき100万円

支援金には、受給条件があります。対象となる自治体や企業の詳細、申請手続きなどは「愛媛県庁公式ホームページ」や、「あのこの愛媛」「えひめ移住ネット」で確認しましょう。

また、子育て世帯にとっては「いきなり移住するのはちょっと不安……」「子供が馴染めるか心配……」といった悩みもあるかと思います。移住前に現地での生活を試してみたい方向けには、年間を通して「えひめ南予子育て移住体験ツアー!」が開催されていますので、ぜひチェックしてみてください。
このツアーでは、愛媛県南西部にある南予の9市町において、交通費の全額補助と宿泊費の一部補助(※一部除外あり)を受けながら実際に移住先での生活を体験できます。

ご家族での移住を考えている方は、こうした制度を上手に活用して、納得・安心した一歩を踏み出してみてくださいね。

2.愛媛県内のおすすめ地域5選

愛媛県には、それぞれ個性のある市町が点在しています。都市部の利便性を求める人から、自然豊かな環境でのびのび暮らしたい人まで、多様な移住ニーズに応えられるのが魅力です。ここでは、移住希望者から特に人気の高い 松山市、今治市、西条市、宇和島市、東温市 の5つのエリアを紹介します。

2.1.松山市

松山市は、愛媛県の県庁所在地で、人口約50万人が暮らす中心都市です。四国最大の都市でありながら、都会ほどの喧騒はなく、程よい規模感と暮らしやすさが特徴です。

松山城や道後温泉といった歴史文化資源が身近にあり、観光都市として全国的にも知られていますが、実際に暮らすうえでもこの「歴史と文化の豊かさ」が日常の生活を彩ります。休日に道後温泉に気軽に立ち寄れる、文学散歩を楽しめるといった贅沢な時間が流れています。夏目漱石の小説「坊っちゃん」の舞台としても有名な街です。

交通の便もよく、市内電車(路面電車)が中心部を走り、バス網も発達しています。四国の玄関口・松山空港もあり、東京や大阪へのアクセスも容易です。医療機関や教育環境も充実しているため、子育て世帯からシニア層まで幅広く人気があります。

松山市では、以下のような移住・子育て支援があります。

  • 子育て世帯の引っ越し費用補助(上限10万円)
  • 農業就業支援
  • 18歳までの医療費助成
  • 保育料軽減(3歳以上児の保育料が無償)
  • 18歳未満の児童を連続7日まで市内の児童養護施設に預けることができる
  • 起業・創業支援
  • 定期船を利用して島外へ通勤している人の船舶運賃を補助
  • 空き家バンク
  • 空き家バンクを活用した住宅改修補助
  • お試し移住や移住体験制度 など

都市の利便性と地方らしい温かさを兼ね備え、「地方移住初心者」におすすめの街です。

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2.2.今治市

今治市は、しまなみ海道の四国側の玄関口として知られる港町です。造船業やタオル産業などの地場産業に加え、しまなみ海道を活用したサイクリングや観光業も盛んで、海と島の自然に寄り添った暮らしができます。

多島美に囲まれた景観は圧倒的で、日常生活の中に「海がある暮らし」を実感できます。島しょ部では、漁業や農業に携わる人も多く、都市部では得られない生活スタイルを実現できるのも魅力です。

子育て環境としても注目されており、保育園の待機児童数が少ないほか、自然体験を通じた教育機会も豊富。都会では体験できない「海辺の遊び」や「地域ぐるみの子育て」が根付いています。

今治市の移住・子育て支援は、支援金以外に以下の制度があります。

  • 住宅取得補助(経費の10%を補助)
  • 空き家改修支援(改修費用の3分の2を補助)
  • お試し移住体験
  • 子ども医療費助成 
  • 中学生までの子供利用費(通院、入院)の無償化
  • 子育て応援ヘルパー派遣事業
  • 農業就業支援(年間最大150万円)
  • 不育症検査・治療費助成事業 など

趣味として釣りやマリンスポーツを楽しみたい人や、自然と共に暮らしたい人におすすめの街です。

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2.3.西条市

西条市は、「うちぬき」と呼ばれる自噴水で有名な都市です。市内の至るところで清らかな水が湧き出ており、水と共にある暮らしが根付いています。そのため農業が盛んで、移住後に農業に挑戦したい人にも人気です。

住宅費や物価が比較的安いのも大きな魅力。松山市ほど都市的ではありませんが、必要な生活インフラは整っており、「落ち着いた暮らし」と「利便性」のバランスが取れた地域です。特に近年はテレワーク移住者や子育て世帯から注目されています。

西条市の移住・子育て支援は、以下のようなものがあります。

  • 空き家バンク
  • 空き家改修支援
  • 農業就業支援(上限150万円)
  • 起業・創業支援
  • 18歳までの医療費助成
  • ひとり親世帯等医療費助成
  • 空き店舗活用事業に対し、設備費、備品購入費、リース等の一部を補助 など

西条市は、移住者のサポートに積極的で、地域に馴染むまでの「伴走支援」が充実しています。農的な暮らしや、林業・製造業など地域産業に携わりたい人にとっておすすめの街です。

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あのこの愛媛

2.4.宇和島市

愛媛県南部に位置する宇和島市は、リアス式海岸に囲まれた温暖な地域で、漁業や真珠養殖が盛んな都市です。市街地はコンパクトで生活に必要な機能が揃い、少し足を延ばせば自然と海の豊かさに触れられるのが魅力です。

農業も盛んで、特に柑橘や牛肉(宇和島牛)は全国的にも有名です。「海の恵みと山の恵みの両方を味わえる暮らし」を望む人にとって理想的な土地といえます。

また、気候が穏やかで雪がほとんど降らないため、寒さが苦手な人や年配層にも住みやすい環境です。地域コミュニティの結びつきも強く、移住後に人間関係を築きやすい点も評価されています。

宇和島市の移住・子育て支援は、支援金以外に以下のものがあります。

  • 移住体験住宅(家賃月1.5万円~1.8万円、家具・家電付き)
  • 移住支援金(単身10万円・世帯15万円)
  • 若者定住奨励金(Uターン者15万円、Iターン者10万円)
  • 住宅取得補助(上限50万円)
  • 空き家バンク
  • 住宅改修支援
  • 農業・林業・漁業就業支援
  • 18歳までの医療費助成
  • 不妊治療費助成
  • 8か月児健康相談時に絵本贈呈 など

宇和島市は、漁業や水産業に携わりたい方や、自然の中で子育てをしたい世帯に特におすすめの街です。

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あのこの愛媛
宇和島市ホームページ

2.5.東温市

東温市は、松山市に隣接するベッドタウン的な位置づけで、都市へのアクセスと自然環境の両立が可能な地域です。通勤や通学で松山市中心部に通えるため、地方移住を考えながらも都市的な利便性を手放したくない方に人気があります。

また、温泉や山々に囲まれており、自然レジャーにも恵まれています。週末には家族で温泉に行ったり、登山やキャンプを楽しんだりと、都市と自然の距離が近い暮らしを実現できます。「おすそ分け」文化が地域に根付いており、温かい人柄に触れる機会もあるかもしれません。

人口1万人当たりの医師数全国で3位(出典:2024年版都市データパック、東洋経済新報社)など住みやすさに定評があります。加えて、子育て支援に力を入れているのも東温市の特徴です。住宅補助だけでなく、教育や子育てに関するサポート制度が整っており、特に若い世帯の移住希望者から注目されています。

東温市の移住・子育て支援は、以下のとおりです。

  • 空き家バンク
  • 空き家改修補助(最大100万円)
  • 起業・創業支援
  • 保育士就職応援(引越し費用の補助)
  • 農業就業支援(最大150万円)
  • 18歳までの医療費助成
  • 新生児スクリーニング検査
  • 新生児聴覚検査
  • 不妊治療費の補助
  • お試し移住住宅
  • 移住相談窓口の設置(移住コンシェルジュが常駐)
  • 東温市指定ごみ袋(可燃用)の無料配布 
  • 満88歳及び100歳を迎える人に、長寿をお祝いし祝金を支給 など

都市部とのつながりを維持しながら「自然豊かな暮らし」を叶えたい人におすすめの街です。

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3.愛媛移住のメリット|住みやすい5つの理由

愛媛県は、全国的には「みかんの産地」や「道後温泉のある県」として知られていますが、移住先としての魅力はそれだけではありません。ここでは、その魅力を5つのポイントに分けて紹介します。

3.1.温暖で災害の少ない気候

愛媛県の大きな魅力は、年間を通じて比較的穏やかな気候に恵まれている点です。瀬戸内海式気候に属し、冬は温暖で雪が積もることはまれです。夏も他地域に比べて湿度が低く過ごしやすいのが特徴です。

さらに、地震や大雨といった大規模災害の発生頻度が全国平均より低いとされており、「安心して暮らせる土地」として評価されています。災害リスクの低さは、移住を考える上で大切な安心材料のひとつです。

この安定した気候は、農業やガーデニングなど自然に関わる暮らしにも適しており、農的なライフスタイルを求める移住者にとって大きな魅力となっています。

3.2.自然と都市機能のバランスが良い

愛媛県には、海・山・川といった多彩な自然が広がっています。瀬戸内海では穏やかな気候を活かした釣りやマリンスポーツ、内陸部の山間では登山やキャンプなど、アウトドアを身近に楽しめる環境です。

一方で、県庁所在地の松山市をはじめとする都市部では、医療機関や教育機関、商業施設などの生活インフラが整っています。特に松山市は人口約50万人を抱え、四国最大の都市でありながらもコンパクトシティとして機能しており、暮らしに不便を感じることはほとんどありません。

自然の近くでのびのび暮らしたいけれど、都市的なサービスも必要」という二つの希望を両立できるのが愛媛の強みです。

3.3.通勤・通学時間が短く、ゆとりある日常

移住を考える際に見落とされがちですが、日常生活の満足度を大きく左右するのが「通勤・通学時間」です。総務省統計局の「社会生活基本調査」(2021年)によれば、日本全体の平均通勤・通学時間は往復1時間19分。特に首都圏では1時間を超える人も珍しくありません。

一方で、愛媛県内では松山市を中心に交通渋滞が少なく、鉄道・バス・自転車・自家用車を組み合わせることで通勤・通学時間を短縮できます。県庁所在地・松山市に住む場合でも、多くの人が往復1時間以内で通勤・通学を完了しており、都市部の平均と比べて大幅に短い傾向があります。都道府県別通勤・通学の行動者平均時間は、57分と全国で3番目に短い結果が出ています。

時間の余裕は生活の質を大きく変えます。朝はゆったり朝食をとる時間ができ、夕方は家族と一緒に過ごす時間や趣味の時間に充てることが可能です。「仕事や学校に追われる毎日から解放されたい」という人にとって、愛媛のコンパクトさは移住の大きなメリットといえます。

3.4.子育て・教育環境の安心感

愛媛県は、子育て世帯へのサポートが手厚い点でも知られています。県内の多くの自治体が、保育料の軽減や子ども医療費助成を実施しており、経済的な負担を抑えながら子育てを続けられます。

また、待機児童数が都市部に比べて圧倒的に少ないため、保育園に入れずに困るケースはまれです。さらに地域のつながりが強く、子どもを地域全体で見守る文化が残っていることも安心材料です。

教育面でも、愛媛大学や松山大学といった高等教育機関が県内にあり、進学における選択肢も広がっています。自然体験を重視する教育プログラムや地域学習の機会も豊富で、のびのびと成長できる環境が整っています。

3.5.生活コストを抑えられる

生活コストの低さも、愛媛が「住みやすい」とされる理由のひとつです。首都圏や大都市圏に比べて土地代や家賃が安く、広い住まいを確保しやすい点は、移住希望者にとって大きな魅力です。古民家や空き家をリノベーションして住む選択肢も広がっており、移住支援制度を活用すれば初期費用をさらに抑えることも可能です。

また、農産物や海産物が豊富にとれる地域特性から、食材を新鮮かつ手頃な価格で購入できます。日常の食生活を充実させつつ、家計への負担も減らせるという点は、愛媛での暮らしの実感として多くの移住者が挙げています。

 

以上の5要素は、単独でも大きな魅力ですが、愛媛ではそれらが重なり合い、「安心して暮らしながら、時間やお金のゆとりを持てる環境」を実現しています。大都市圏での忙しい生活から一歩離れ、自然に囲まれた環境で新しい暮らしを始めたい人にとって、愛媛県への移住は有力な選択肢といえます。

4.愛媛移住のデメリット|移住前に注意する3つの点

温暖で災害の少ない気候と豊かな自然に恵まれた愛媛県ですが、移住を検討するうえで知っておきたい注意点もあります。
以下の3つのデメリットを紹介します。

4.1.交通の利便性が都市部に比べて劣る

愛媛県には松山空港があり、東京(羽田)や大阪(伊丹)、福岡など主要都市との航空便は整っています。また、四国最大の都市・松山市からはJR予讃線や高速道路を利用して本州方面への移動も可能です。しかし、それ以外の地域に住む場合、公共交通機関が十分に整備されていないことが多く、移動に不便を感じる人は少なくありません。

例えば、JR予讃線は本数が少なく、地域によっては1時間に1本程度しか電車が来ないこともあります。松山以外の市町村ではバスの運行本数も限られているため、日常生活の足はどうしても自家用車に依存することになります。

都市部で車を持たずに生活してきた人にとっては、買い物や通勤、通学のために「車が必須」という環境に戸惑うことも多いでしょう。また、鉄道や高速道路で本州に出るには一定の時間がかかるため、関東圏や関西圏との往来が頻繁に必要な人にとっては負担になる可能性があります。

愛媛県への移住を検討する際には、自分のライフスタイルにおいて「どの程度の交通利便性が必要か」を冷静に考え、地域選びをしましょう。

4.2.仕事の選択肢が限られている

愛媛県の主な産業は、農業(柑橘類など)、林業、漁業といった一次産業のほか、製紙業や造船業などの製造業、そして観光業です。地元密着型の企業や中小企業は多く存在しますが、首都圏や大都市に比べると職種の幅が限られており、高収入を期待できる職場は少ない傾向があります。

特に、専門職やIT・クリエイティブ関連の仕事を探している場合、県内で希望に合う職場を見つけるのは簡単ではありません。リモートワークが普及したとはいえ、会社によっては「出社日」を求められることもあり、完全在宅が可能な職場を探す必要があります。

また、転職市場も都市部と比べて小さいため、キャリアアップを前提にする働き方には向かない可能性があります。実際に移住者の中には「収入が下がったけれど、生活費も安くなったのでトータルでは暮らしやすい」と考える人もいれば、「思ったより仕事が見つからず、移住後に苦労した」という声もあります。

移住を考える際には、必ず事前に求人情報をチェックし、可能であれば移住支援センターやハローワークなどに相談して、自分のスキルが地域で活かせるかを確認することをおすすめします。

4.3.人間関係や地域の慣習に馴染む必要がある

愛媛県に限らず、地方への移住では「地域コミュニティにどう馴染むか」が大きな課題になります。特に農村部や離島などでは、住民同士のつながりが強く、助け合いの文化が根づいています。その一方で、外から来た人にとっては独自の慣習や暗黙のルールが分からず、戸惑うことも少なくありません。

例えば、地域の行事や自治会活動、清掃や防災訓練などへの参加が半ば義務的に求められることもあります。都市部のように「近所付き合いが希薄」というわけにはいかず、適度に関わりを持つことが生活の安心にもつながります。

また、方言や食文化の違いなど、生活習慣に慣れるまでに時間がかかることもあります。特に「のんびりした暮らしがしたい」と思って移住しても、実際には人間関係に気を遣うことが多く、ストレスを感じるケースもあります。

一方で、地域に溶け込むことができれば、都会では得られない安心感や人の温かさを感じることができるのも事実です。そのためには、移住前に地域を訪れて実際に住民と交流してみること、地域の文化を尊重する姿勢を持つことが大切です。

5.愛媛県移住者の声

愛媛県の移住支援サイト「えひめ移住ネット」に掲載されている先輩移住者の声を紹介します。

「理想の移住先を見極めようと、東京近郊、長野や福岡など各地に足を運び、その中で心に留まったのが、西条市でした。人の印象がよくって、移住担当者のウェルカム感も安心材料になりました。現地で地域の人たちに会わせてくれたのも、暮らしのイメージができてよかったです。」
▶︎えひめ移住ネット「田舎が“日常”、都会が“非日常”のいまが私たちには合っていた」より抜粋

「はじめて訪れたときに、島の人たちの人懐っこさだったりを体験して、宇和島市ならやりたいと思っていた飲食店ができるかなと思い移住を決めました。」
▶︎えひめ移住ネット「コミュニケーション手段としての飲食店でありたい」より抜粋

えひめ移住ネットのインタビューページには、ほかにも「農業初心者でも就農できる街との出会い」「釣りやSUPをする、ゆったりした島暮らし」といった先輩移住者の声が掲載されています。

移住先の自治体ごとや海暮らし・川暮らし・街暮らしといったキーワードでも検索できますので、興味がある方はぜひ覗いてみてください。

▶︎えひめ移住ネット 移住者インタビュー

6. 南宇和森林組合の紹介

画像提供:南宇和森林組合

愛媛県への移住を考える際に、多くの方が不安を抱くのが「仕事は見つかるのか?」という点です。移住先で安定した職を得られるかどうかは、その後の暮らしの充実度を大きく左右します。そんな中で、自然の中で働きたい、地域に根ざした仕事がしたいと考える人におすすめしたいのが林業の仕事です。ここでは、林業専門の求人サイト「RINDO」で掲載されている南宇和森林組合様について紹介します。

6.1 移住とともに始める林業のキャリア

林業は、森と人との共生を支える仕事です。都会のオフィスワークとは異なり、自然のリズムとともに働くことで、四季の移ろいを身近に感じながら暮らせるのが大きな魅力です。

特に南宇和地域は、背後に広がる山々と目の前に広がる海の両方を楽しめる希少なエリアです。休日には釣りやキャンプ、登山など、多彩なアウトドアアクティビティが待っています。仕事として森林と向き合いながら、暮らしの場でも自然を味わえる―そんなライフスタイルが実現できるのは、南宇和ならではといえます。

6.2. 南宇和森林組合の仕事とは

森林組合は、地域の山林を管理・活用する役割を担う団体です。南宇和森林組合でも、日々の業務は伐採や間伐といった作業にとどまらず、苗木を植える造林、林道の整備、さらには木材の流通まで、森を育て・利用し・再生するサイクル全体を手掛けています。

林業と聞くと「危険で大変そう」というイメージを持つ人も少なくありません。しかし、近年はハーベスタやフォワーダなど高性能林業機械の導入が進み、作業の安全性と効率は大きく向上しています。南宇和森林組合でも最新の機械を積極的に活用しており、経験のない人でも安心して現場に入れる体制を整えています。

さらに、新人教育にも注力している点が特徴です。入職後はチェーンソーや刈払機の安全講習を受け、基礎からしっかりと学ぶことが可能です。林業は一人前になるまで数年かかる奥深い仕事ですが、先輩職員がチームで支えながら丁寧に指導してくれるため、未経験者でも段階を踏んで成長できます

そして林業のもう一つの魅力は、地域を支えているという実感を得られることです。木材の供給に加え、森林は水源の涵養や災害防止といった暮らしの安全にも直結しています。南宇和森林組合で働くことは、森を守ることを通じて地域社会に貢献することでもあり、誇りを持って取り組める仕事です。

6.3. 南宇和森林組合の求人情報

現在、南宇和森林組合様では現場作業員を募集しています。仕事内容は伐採・搬出など林業全般で、勤務地は愛南町内です。正社員としての採用で、長期的に安定して働きながらキャリアを積むことができます。

応募にあたって特別な経験は不要です。必要なのは「自然の中で働きたい」という意欲と、体を動かすことを前向きに楽しめる気持ちです。資格や専門技術は、入職後に研修や実地経験を通じて身につけられます。初めて林業に挑戦する方にとっても安心の環境が整っているのが魅力です。

給与や福利厚生も地域で安定した生活を送れるよう配慮されており、さらに愛南町の移住支援制度を組み合わせれば、住宅確保や助成金といったサポートを受けられる可能性があります。新しい土地での生活基盤を整えつつ、林業という専門職に挑戦できる求人となっています。

南宇和森林組合様の求人に興味を持った方は、ぜひ求人詳細を確認してみてください。

南宇和森林組合様の求人情報

7.まとめ

四国・愛媛県は、温暖な気候、美しい瀬戸内海の風景、みかんをはじめとした豊かな農産物など、暮らしやすさを魅力に感じて移住を検討する人が増えています。実際、国や県の移住支援策も充実しており、子育て世帯やUターン希望者にとっては魅力的な地域の一つです。

愛媛県の魅力をまとめると、以下のとおりです。

  • 温暖で災害の少ない気候
  • 海・山・川といった多彩な自然と都市機能のバランスが良い
  • 通勤・通学時間が短く、ゆとりある日常が送れる
  • 子育て世帯へのサポートが手厚い
  • 都市部より安い家賃や土地価格と豊富な農産物・海産物

一方で、車社会であることや地域コミュニティの慣習など、事前に理解しておくべき注意点もあります。

移住を検討する際は、各地域の特徴を比較し、自身のライフスタイルに合った地域を選びましょう。その際、「えひめ移住ネット」や「あのこの愛媛」などの移住支援サイトで情報集めをしてみてください。気になる地域があれば、「お試し移住制度」を活用して、実際の暮らしを短期間でも体験してみるとよいでしょう。

この記事が、愛媛県移住への一歩を踏み出す際の道しるべになることを願っています。

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