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2025.02.22 コラム

ゼロからつくる林業のキャリアプラン【プロが解説・完全ガイド】

林業って、安定して稼げるの?
林業ではどんなキャリアプランを立てられるの?

林業の仕事に興味があるけど、仕事内容や年収などがわからず一歩踏み出せない方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、林業の基礎知識キャリアプランの立て方3STEPを、林業専門の求人サイト「RINDO」がわかりやすく解説します。

自分にぴったり合うキャリアプランを立てて、未経験から“林業のプロ”への第一歩を踏み出しましょう!

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  • 目次
      1. キャリアプランを立てる前に|林業の基本を知ろう
        1.1|林業の役割と重要性
        1.2|林業の仕事内容
        1.3|林業の1日のスケジュール
        1.4|林業の就職パターン
      2. 【3STEP】林業のキャリアプランの立て方
        2.1|林業のキャリアアップの流れを知る
        2.2|昇進・プランナー・独立のどれを目指すか決める
        2.3|具体的なキャリアプランを立てる
      3. 林業のキャリアプランでよくある質問
        3.1|林業作業士(フォレストワーカー)とは?年収はいくら?
        3.2|現場管理責任者(フォレストリーダー)になるのに資格は必要?年収はどれくらい?
        3.3|統括現場管理責任者(フォレストマネージャー)の年収は?
      4. まとめ

キャリアプランを立てる前に|林業の基本を知ろう

画像提供:株式会社ツリーサービス様〜独立支援制度あり!自分に合う働き方を応援する林業会社〜

林業を始めてから「こんなの聞いてないよ……!」とギャップを感じないように、まずは林業の基礎知識をざっくり身につけましょう。

林業の役割と重要性

林業とは、一言でいうと「森林を育てて・活かす仕事」です。日本の森林を100年先の未来につなげるために、林業は大きく次の3つの役割を担っています。

  • 森林管理→森林の手入れや管理
  • 木材生産→木材や紙製品の生産
  • 環境保護→自然災害の防止

林業は木を切り植えるだけではなく、建築につかう木材や紙製品などの生産も担います。土砂災害や水不足を防止するために、森林を適切に管理するのも林業の重要な仕事です。

また、ご存じの方もいるかもしれませんが、実は日本の国土の約7割(※)を森林が占めています。Googleマップを見ると、日本のほとんどが緑色になっていることがわかるでしょう。

※参考:農林水産省

日本地図 Googleマップ

引用元:Googleマップ

とくに近年は、地球温暖化対策として「森林」や「林業」の重要性が国際的にも認識されています

100年後に生きる人々に豊かな地球を残せるかは、フォレストワーカー(林業作業士)をはじめとした林業従事者の活躍にかかっているのです。

林業の仕事内容

林業の仕事は季節ごとに異なります。春〜冬までどのような仕事をしているのか、下記の表でチェックしてみましょう。

地ごしらえ(2〜3月) 立木を伐採した跡地を片付けて、次の苗木を植えられるように整地する作業。
植え付け(4〜5月) 地ごしらえをした場所に、苗木を1本ずつ植え付ける作業。
下刈り・つる切り(6〜8月) 苗木の成長を妨げる植物や、木に絡まったつるを除去する作業。
枝打ち・除伐(9〜10月) 枯れ枝や形質の悪い枝・木を除去する作業。
間伐(11〜12月) 混み合った木を間引く作業。
主伐(秋〜春) 伐採時期を迎えた木を収穫する作業。
集材 散らばった木材を1か所に集める作業。
運材 集材した木材を市場に運ぶ作業。
その他(森林調査、林道整備など) 森林の状態調査や、作業道をつくる作業。

このように、日本の気候に合わせて季節ごとに仕事内容を変えることで、効率よくかつ安全に作業を進められます。

また、最近はドローンやAI技術を導入した先進的な林業「スマート林業」も展開。チェーンソーを担ぐ体力仕事ばかりではなく、効率的かつ安全に作業ができる環境が整いつつあります。

林業の1日のスケジュール

林業の1日のスケジュール例は、次のとおりです。

林業 スケジュール

RINDO「林業での働き方」より引用

一般的に林業では、朝の7時ごろ事務所に集合して、車に乗り全員で現場に向かいます。

12時から1時間ほど休憩をとり、日没前の16時半ごろに仕事を終えて事務所に戻るスケジュールです。

林業は山林で作業をするため、日が出ている明るい時間にしか働けません。夜遅くまで現場に残ることがないため、プライベートとのメリハリがあるライフスタイルが実現可能です。

【雨の日のスケジュールは?】

林業は事業体によって、雨の日は仕事がお休みになることがあります
しかし、高性能林業機械を使った集材や玉切り(木を一定の長さに切り分ける作業)をしたり、事務作業をおこなったりすることもあります。
なかには「副業OK」の事業体もあり、雨の日はアルバイトをして収入を得ているフォレストワーカーもいます。

関連記事:【週末林業の始め方】副業で林業をするメリット・デメリットも紹介

林業の就職パターン

林業の就職パターンは、大きく「森林組合に就職する」か「民間の林業会社に就職する」かの2種類に分けられます。森林組合の特徴は次のとおりです。

  • 【森林組合の特徴】
    ▶︎地元の森林所有者の依頼を受けて業務をおこなう
    ▶︎国や自治体からの補助金を受けることが多い
    ▶︎給与ややや低めだが、安定している
  • 【向いている人】
    ▶︎地元(地域密着型)で働きたい人
    ▶︎地域貢献や環境保全に興味がある人
    ▶︎安定した仕事を続けたい人

続いて、民間の林業会社の特徴をみてみましょう。

  • 【民間の林業会社の特徴】
    ▶︎地域に限定されず自主的に事業展開をおこなう
    ▶︎木材の生産や販売による利益を追求する
    ▶︎成果次第で高収入の可能性もあり
  • 【向いている人】
    ▶︎木材の生産・販売に興味がある
    ▶︎高性能林業機械を使う作業がしたい
    ▶︎キャリアアップや高収入を目指したい

林業の仕事としてイメージしやすい伐採は、ほとんど(約7割)民間の林業会社がおこなっています。反対に、苗木を植える植林は森林組合が担うことが多いです。

場合によっては、森林組合が民間の林業会社に仕事を外注することもあります。

林業のキャリアプランとして「独立」を考えている場合は、民間の林業会社で営業についても学んだり、森林組合で信頼や人脈を築いたりして戦略を立てるとよいでしょう。

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【3STEP】林業のキャリアプランの立て方

林業 キャリアプラン 立て方

ここからは、林業のキャリアプランの立て方を下記の3STEPで解説します。

  1. 林業のキャリアアップの流れを知る
  2. 昇進・プランナー・独立のどれを目指すか決める
  3. 具体的なキャリアプランを立てる

それぞれ詳しくみていきましょう。

林業のキャリアアップの流れを知る

林業のキャリアは、大きく次の3段階があります。

  • 【初級】……林業作業士(フォレストワーカー)
  • 【中級】……現場管理責任者(フォレストリーダー)
  • 【上級】……統括現場管理責任者(フォレストマネージャー)

それぞれの特徴は次のとおりです。

林業作業士
(フォレストワーカー)
【1〜3年目】
林業の基礎的な技術と知識を習得する期間。緑の雇用をはじめとした研修を受けながら、一人前の現場技能者を目指します。
現場管理責任者
(フォレストリーダー)
【5年以上】
現場での判断力、責任感、指導力などを認められたフォレストワーカーが担うキャリア。作業班のリーダーを勤めます。
統括現場管理責任者
(フォレストマネージャー)
【10年以上】
林業現場の最高責任者で、実務経験10年以上の上級者向けのキャリア。事業管理や経営計画の立案にも携わります。

林業のキャリアは、まず林業作業士(フォレストワーカー)から始まります。林野庁が実施する「緑の雇用」をはじめとした研修・育成制度が整っているため、林業の知識・技術がゼロからでも学べて安心です。

また緑の雇用では、林業に興味がある方に向けて3か月の「トライアル雇用」もおこなっています。

林業の仕事や職場に自分があっているかを肌で確かめられるので「いきなり就職するのは不安……」という場合は、まずトライアル雇用から始めてみましょう。

関連記事:緑の雇用とは?内容やメリット、取れる資格などを徹底解説!

昇進・プランナー・独立のどれを目指すか決める

林業のキャリアプランを立てるときは、最終的に「会社で昇進する」「森林プランナーになる」「独立・開業する」のどれかを目指すことが多いです。それぞれの特徴をみてみましょう。

会社で昇進する 勤めている林業会社で昇進し、統括現場管理責任者(フォレストマネージャー)を目指すキャリアプラン。
森林プランナーになる 資格を取得して、森林所有者に森林育成・管理などの提案をする「森林プランナー」を目指すキャリアプラン。
独立・開業する 自分で林業会社を立ち上げ、経営者になるキャリアプラン。

会社での昇進は、1つの会社で長く勤めたい人におすすめ。森林プランナーは、資格を取り仕事の幅を拡大&収入UPしたい人におすすめです。

また林業の独立・開業は、自分だけの仕事を確立したい、どこまでも収入UPを目指したい人におすすめです。

林業で独立すれば年収1,000万円も夢じゃない!」という意見がありますが、下記の林野庁のデータのとおり、林業では実際に1,000万円以上稼いでいる人も少なくありません

林野庁のデータによると、独立をして50〜1,000万円の収入を得ている事業体と、1,000〜3億円の収入を得ている事業体の数はほぼ同じです。

いつか起業してみたいなぁ……」「田舎での家族経営に憧れる」という人にとって、林業での独立は挑戦する価値があるキャリアプランだといえるでしょう。

▶︎ホテル業界から林業業界へ転職&独立!株式会社樹工舎・佐藤社長のインタビュー

具体的なキャリアプランを立てる

林業での最終的なキャリアを決めたら、具体的にどのようなステップでキャリアアップしていくのか考えましょう。

たとえば「会社で昇進する」と決めた場合、林業の未経験者が立てるキャリアプラン(例)は次のようになります。

  1. 林野庁のトライアル雇用(または無料の林業体験)に参加する
  2. 森林組合か民間の林業会社で就職先を決める
  3. 求人を探す・就職活動をする
  4. 林業作業士(フォレストワーカー)になり現場経験を積む
  5. 必要に応じて資格を取得する
  6. 現場管理責任者(フォレストリーダー)の研修を受ける
  7. 新人指導やチーム管理に努める
  8. 統括現場管理責任者(フォレストマネージャー)の研修を受ける
  9. 会社の管理ポジションにつき、事業全体の管理や経営計画の立案に携わる

林業はキャリアアップするほど仕事の幅が増えるため、会社に属していてもある程度の収入UPが期待できます。

さらなる一歩を踏み出したい場合は、統括現場管理責任者(フォレストマネージャー)になってから、森林プランナーや独立に向けて動き出すキャリアプランを立てるのもよいでしょう。

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林業のキャリアプランでよくある質問

林業 キャリアプラン よくある質問

最後に、林業のキャリアプランに関するよくある質問を紹介します。年収や資格についても知りたい方は参考にしてみてください。

Q1. 林業作業士(フォレストワーカー)とは?年収はいくら?

林業作業士(フォレストワーカー)とは、森林で働く人のことです。森林の管理、伐採、植林、木材生産などの幅広い業務を担います。年収の目安は約300万円〜400万円で、経験年数や保有資格などにより異なります。

関連記事:【林業の資格一覧】事前に取得は必要?キャリアアップできる資格は?徹底解説!

Q2. 現場管理責任者(フォレストリーダー)になるのに資格は必要?年収はどれくらい?

現場管理責任者(フォレストリーダー)になるために必須の資格はありません。しかし、現場作業で必要な資格を取得すると、フォレストワーカーからフォレストリーダーにキャリアアップしやすくなります。年収の目安は約400万円〜500万円で、地域や事業体の規模などによっても異なります。

Q3. 統括現場管理責任者(フォレストマネージャー)の年収は?

林業現場の最高責任者である統括現場管理責任者(フォレストマネージャー)の年収は、約500万円〜700万円が目安です。フォレストマネージャーを経て独立すれば、請負業務やコンサル業務を展開して年収1,000万円以上も目指せるでしょう。

まとめ

画像提供:森林組合こうや様〜20代から60代までが所属・コミュニケーションを大切にしている会社〜

国土の約7割を森林が占める日本において、林業はなくてはならない重要な仕事です。従事者の高齢化が問題になっている林業では、20代・30代・40代の若手世代の活躍が欠かせません

「でも、林業は若い人には向かない仕事なんじゃない?」と思う人もいますが、実はここ数年で若年層(35歳未満)の雇用が増えています。高齢化や人手不足に悩んでいる林業業界は、今が”就職のチャンス”です。

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