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佐賀県は九州の北西部に位置し、コンパクトな県土面積ながら、人工林率が全国一位という特徴を持つ森林資源に恵まれた地域です。

この記事では、「佐賀県で林業の仕事を探している」「佐賀県の森林や林業の特徴が知りたい」という方へ向けて、佐賀県の森林・林業の現状や特徴、そして林業を目指す方が利用できる支援先について解説します。

▷各都道府県の森林・林業の特徴について読んでみる

• 目次

1. 1. 1. 佐賀県の基本情報
      2. 佐賀県の森林・林業の特徴は？
          2.1 佐賀県の森林の特徴
          2.2 佐賀県の林業の現状
      3. 佐賀県での林業についての支援先
         3.1佐賀県林業労働力確保支援センター
         3.2.佐賀県内のハローワーク
         3.3.林業専門求人サイト「RINDO」
      4. 林業従事者の1日と年収【佐賀県編】
         4.1仕事の流れ
         4.2林業従事者の年収
      5. まとめ

1. 佐賀県の基本情報

まずは、佐賀県の基本情報について見ていきましょう。

出典：佐賀県の地図 | Map-It マップ・イット

佐賀県は九州の北西部に位置し、玄界灘と有明海に面しています。県土の約45%が森林で、筑紫山地や多良岳山地の山々、佐賀平野の田園風景など、自然に恵まれています。

隣接する福岡県や長崎県へのアクセスも良好。

温暖な気候で過ごしやすく、物価が安いため生活コストを抑えられます。また、新鮮な魚介類や佐賀牛などのグルメに加え、伊万里焼や嬉野温泉といった伝統・文化的な魅力にもあふれています。

2. 佐賀県の森林・林業の特徴は？

次に、佐賀県の森林・林業の特徴を見ていきましょう。

2.1  佐賀県の森林の特徴

佐賀県は、県土面積の約45％にあたる約11万haを森林が占めています。

森林の内訳を見ると、民有林が94,343ha（約85.8％）を占め、残りの15,669ha（約14.2％）が国有林です。民有林の割合が非常に高いため、地域の森林所有者や団体による管理・経営が大きな役割を担っています。

民有林における人工林の割合は約67％に達し、全国一位です。この高い人工林率は、全国平均（約40％）を大きく上回り、佐賀県の林業にとって資源基盤となっています。一方で、森林率は全国平均より低い水準です。

現在、民有林の人工林の多くは、樹齢40年以上にあたる9齢級以上の伐採期を迎えています。この伐採期にある人工林の面積は、民有林の人工林全体の約7割を占め、計画的な伐採と再造林の推進が、佐賀県林業の大きな課題となっています。

地域による特徴

佐賀県の森林は、脊振山地や多良岳山地といった山間部を中心に広がっています。

• 脊振山地（県東部）:福岡県との県境に連なる山地です。スギやヒノキの人工林が多く、特に県内でも林業が盛んな地域の一つ。豊かな人工林資源を背景に、木材生産がおこなわれています。
  
  
• 多良岳山地（県西部）:長崎県との県境に位置し、こちらもスギ・ヒノキの人工林が多く森林資源が豊富な地域です。水源涵養や土砂災害防止などの機能を果たす役割も大きいです。
  
  
• 平野部の森林:都市部に近い里山林などでは、地域住民の憩いの場としての活用や、環境教育の場としての役割も担っています。

鹿島藤津地域で生産される優良材は、「多良岳材（スギ・ヒノキ）」として知られています。
▶佐賀県森林・林業統計要覧

2.2  佐賀県の林業の現状

佐賀県の林業を支える経営体や従事者について、現状を把握しておきましょう。

2020年（令和2年）の農林業センサスによると、佐賀県の林業を担う経営体は406経営体です。2015年（平成27年）の1,289経営体から5年間で大きく減少しました。林業経営体の減少は、生産力の強化と持続的な森林管理の担い手確保という点で大きな課題です。

また、林業従事者数は401人であり、2015年（平成27年）の453人から減少傾向です。

担い手不足に対応するため、佐賀県では、国の支援制度である「緑の雇用」事業を活用できる経営体があります。佐賀県内の経営体のうち、認定事業体は15社（令和7年10月時点）です。

緑の雇用事業は、働きながら技術や資格が習得できます。研修中の費用を国が支援してくれるため、未経験の方でも安心です。さらに、安全で効率的な作業を目指した高性能林業機械の導入支援も積極的におこなわれています。
▶2020年農林業センサス結果の概要（確定値）
▶佐賀県林業労働力確保支援センター
▶佐賀県森林・林業統計要覧 令和6年度
▶佐賀県森林・林業統計要覧 令和3年度

▶関連記事：「緑の雇用とは？内容やメリット、取れる資格などを徹底解説！」

3. 佐賀県での林業についての支援先

佐賀県で林業の仕事を目指す方の中には、支援先を知りたい人も多いでしょう。佐賀県で林業の仕事を探す方法や学べる場所を3つご紹介します。
それぞれの特徴や支援内容を見ていきましょう。

3.1.佐賀県林業労働力確保支援センター

公益財団法人　佐賀県森林整備担い手育成基金（佐賀県林業労働力確保支援センター）は、佐賀県林業の担い手を確保・育成するため、林業就労者の労働環境改善や技術向上を支援しています。
林業への就業希望者に対しては、就業相談や体験研修会や「さが林業アカデミー」の運営を通じ、人材育成をおこなっています。

さが林業アカデミー

さが林業アカデミーは、林業の担い手が年々減少している現状に対応するため、令和4年度から開講しました。アカデミーでは、「知る」「触れる」「学ぶ」の3つのステップで、知識や技術力を備えた林業人材の育成に取り組んでいます。

講習会では、3つ目の「学ぶ」ステップとして、林業に関する基礎学習や、資格取得、実際の林業現場での実践的な研修をおこなっています。

さが林業アカデミーの概要を以下にまとめました。

それぞれのコースでは、以下の資格が取得可能です。

講習期間内には、佐賀県内の林業事業体において、短期コースでは1日、中期コースでは3日間のインターンシップが実施されるため、職場の雰囲気を実際に感じられます。
林業への就業を具体的に考えている方や、専門的なスキルを身につけたい方にとって、アカデミーでの学びは大きな一歩となるでしょう。

技術や資格を身につけてから林業に就業したい方は、林業労働力確保支援センターへの相談から始めてみましょう。
▶佐賀県林業労働力確保支援センター（佐賀県森林整備担い手育成基金）
▶さが林業アカデミー受講生募集要項

3.2.佐賀県内のハローワーク

厚生労働省が運営するハローワーク（公共職業安定所）でも、佐賀県の林業求人が掲載されています。
佐賀県内には6か所ありますので、最寄りのハローワークを利用してみましょう。

ハローワークでは、在職中でも職業相談や求人紹介、雇用保険（失業保険）の相談・手続き、職業訓練の申し込みなどが利用できます。
直接窓口で相談できるほか、ネットで求人検索ができる「ハローワークインターネットサービス」を利用できますので、まずは情報収集や相談から始めてみると安心です。
▶厚生労働省「佐賀県下のハローワークのご案内」

▶関連記事：「仕事を辞める前に相談！ハローワークで転職をスムーズに進める方法」

3.3.林業専門求人サイト「RINDO」

「RINDO」は、日本初の林業専門求人サイトとして、全国の優良な求人情報を掲載しています。

求人ページでは、仕事内容や給与、求める人物像といった企業情報のほか、応募から内定までのおおよその日数まで詳細に記載されており、選考フローが分かりやすい点が魅力です。

また、実際に就職・転職した人のインタビューや、林業・移住に関するコラムなども掲載されています。

未経験者向けの求人やコラムも充実しており、情報収集に役立ちます。

「RINDO」の求人検索はこちらをクリック▼

4. 林業従事者の1日と年収【佐賀県編】

画像提供：ウッド・エコー産業株式会社様

林業の仕事は自然を相手にした仕事です。仕事内容や給与について、具体的に知りたい方のために、佐賀県で林業をおこなう「ウッド・エコー産業株式会社」の林業従事者の1日の流れや年収を紹介します。

4.1.仕事の流れ

「ウッド・エコー産業株式会社」の仕事の流れを見ていきます。

ウッド・エコー産業株式会社の仕事内容は、地拵え・植栽・下刈り・除伐・間伐などの造林事業や搬出間伐・主伐・支障木伐採などの素材生産、森林経営計画の樹立・測量と多岐にわたります。高性能林業機械の導入により、効率化が進んでいます。

4.2.林業従事者の年収

年収や休日・休暇、福利厚生についても見ていきましょう。

ウッド・エコー産業株式会社の年収や休日・休暇、福利厚生については、以下のとおりです。

林野庁の調査によると、経験や保有資格、役職によって異なりますが、林業従事者の平均年収は約300万円（令和5年時点）です。

ウッド・エコー産業株式会社のモデル年収では、2年目で平均年収となっており、8年目の現場主任では、年収も上がっています。
さらに、防護具も支給される点は、魅力の一つです。

「RINDO」では、全国の求人情報を掲載中です。給与体系や昇給・賞与、福利厚生など求人内容を比較してみると良いでしょう。

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5.まとめ

今回は、佐賀県の森林や林業の特徴について見ていきました。 佐賀県は全国一の人工林率を誇り、スギやヒノキなどの森林資源に恵まれています。近年、林業従事者の減少といった課題がある一方で、高性能な林業機械の導入や若者を対象とした就業支援制度の充実などの取り組みもおこなわれています。
林業への就職・転職を検討される際は、「さが林業アカデミー」やハローワーク、林業専門サイト「RINDO」といった支援先を積極的に活用し、ご自身に合った一歩を踏み出してください。

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